森のいぬねこ病院 院長blog ~走れシーズー!!緊急オペです!!~宮城県仙台市の動物病院、ヘルニア、がんのことなら!

宮城県仙台市のとある緑豊かな場所にある動物病院「森のいぬねこ病院」。ガンビー院長がその思いをつづります。

ニュースレターバックナンバー閲覧場所

2015-09-28 10:00:00 | お知らせ

こんにちは!!

森のいぬねこ病院で毎月発行しているニュースレターですが、おかげさまで大変ご好評いただいておりまして、「遠くて病院まで行けないけど見たい!!」「過去のニュースレターも見たい!!」というお声をいただいております。

そこでfacebookに、ニュースレターのバックナンバーを閲覧・ダウンロードできるグループを作りました。

グループ名は

「森のいぬねこ病院ニュースレターバックナンバー」

です。

ニュースレターをご覧になりたい方は、お手数ですが、グループにご入会いただければと思います。
(一応、入会は承認制ですが、悪徳業者以外は入会可能ですw) 

現在は少しずつ加えておりますので、まだ見えないものもありますが、随時アップしてまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


当面は診療クオリティ重視で。。。

2015-09-26 10:00:00 | 飼い主様へ

こんにちは!!

動物病院が時間外診療に対応できてい
ない現状について、飼い主であるあなた
にとっては、非常に残念に聞こえるかも
しれませんが、私なりの考えをお伝えし
てきました。

そこで今回は私自身が実際に経験して
きたことをお伝えしますね。

 

これまで、時間外診療にニーズは十分
に感じていますし、自分のキャリアの
中で時間外診療も積極的に受け入れ
ようとしていた時期もありました。

しかし、その結果、寝不足が続き、
日中の診療でもミスをするようになりました。

いくら短時間睡眠で過ごせるようにが
んばっても無理でしたし、そうやって
も診療のクオリティが落ちていくばかりでした。

森のいぬねこ病院を開院してからも、
夜間緊急携帯電話での対応は行ってきました。

今でこそスタッフ獣医師も増えました
が、開院して1年半の間、獣医師は
私一人で、もちろん、それでも最初は
「よし、がんばろう!!」と思っていま
したが、通常の診療に加えて、JASA
の被災動物やdogwoodのワンコでも
重症動物の入院管理も多く、寝不足の
日が続くことも多くて、さすがに診療の
クオリティが落ちてしまい、「これはま
ずいな」と思ったのです。

それでもその中で、時間外の電話対応
をしていたのですが、たとえば朝の4時
に「診察の予約をお願いします」とか、
「3日前から下痢してるんですけど」と
いう電話がかかると、さすがにまいって
しまい、、、心が折れました。

しかもそんな中、かなり大きなミスを
犯してしまい。。。
(申し訳ありませんが、ここでは書けません><)

ん~、年齢的なものもあるんでしょう
けど(笑)、ちょっと体力的にも、精神
的にも限界かなあと。

しかも、その一方で、ありがたいこと
なんですが、他院から転院でいらっ
しゃっていただくケースも多く、つまり
ちょっと難しい病気を診させていただ
く機会が多いため、脳をフル回転さ
せる必要があり、どうしても自分の
コンディションを保つことを優先させ
ていただいていまして、睡眠不足だ
とその難しい病気に対応できないんです。

 

というわけで、現在のところ、森のい
ぬねこ病院が、すべての患者さまの
時間外診療をカバーすることはでき
ません。

大変申し訳ありません。
もちろん将来的にはなんとかしたいんですが。

本当にお手数をおかけして申し訳あり
ませんが、できる限り、診察時間内
に動いていただくか、夜間救急動物
病院をご利用くださいますよう、
お願い申し上げます。

 

 


動物病院が健全に時間外診療を行うことはできるのか?

2015-09-24 10:00:00 | 飼い主様へ

こんにちは!!

(前回からのつづきです)

じゃあ、どうすれば時間外診療ができるようになるのか?

たとえば、他の業界を考えてみましょう。

他の業界で時間外の対応が十分にでき
ているところがあるでしょうか?

どうでしょう?動物病院が参考に
できるようなものがあるかというと・・・
私が知る範囲では、残念ながらありません。

まず、人間の医療でも、個人クリニッ
クで時間外診療を行っているところは
少なく、ほとんどの場合は、夜間診療
所や休日診療所、あるいは休日当番医
を受診すると思います。

もちろん、仙台には夜間救急動物病院
があります。

しかし今回のアンケートで、すでに夜
間救急動物病院があるにも関わらず、
さらに時間外診療を希望されていると
いうのは、かかりつけ医が時間外診療
を行うことを希望しているということ
だと思うのですが、

そう考えると、夜間救急動物病院の
受診ではダメということですよね。

ではまったく関係のない業種で時間外
の体制があるところ、ホテル、コンビ
ニなどなどはどうでしょうか。たしか
に24時間体制で運営されていますので、
動物病院が学ぶべきヒントはたくさん
あります。

しかし、実はこれらと動物病院の決定
的な違いがあり、それは「資格」の有
無です。動物病院は当然「獣医師免許」
を持った獣医師が診療を行う必要があ
ります。

ですが、獣医師の数は限られているの
で、他業種のように、簡単に人材の確
保はできません
(他業種も確保は難しいかもしれませんが)。

 

ですので、動物病院が自分のところで
時間外診療を行うには、何かをモデル
にするのは難しく、結局は「優れた経
営を持続して行う」しかありません。

その上で、運営体制をしっかり整えて、
時間外診療を受け入れる。

じゃあ、どうすれば優れた経営を持続
して行うのか?・・・私はまだまだ模索中です。

 

というわけで、以上のような経験から、
今の私が時間外診療に関して、どのよ
うに考えているかですが・・・

次回は本音を書きます。

 


自分の本音を書いています。

2015-09-22 10:00:00 | 飼い主様へ

こんにちは!!

前回から、動物病院が時間外診療を積極的
にやっていない理由をお伝えしていきます
が、ここからは、飼い主であるあなたにとっ
ては、残念な話かもしれません。ですが、
今回はあえてお伝えしようと思います。

 

これまで、私自身の経験や、あるいは
聞いた話をまとめると、一般的な動物
病院の多くは、時間外診療を行う理由は、

  1. 十分な信頼関係が築けている患者さんからの依頼だから
  2. 売上のため

の2点です。

もちろん、ほとんどの獣医師の場合、初め
は「獣医療という使命に燃えているから!
!」というのもありますが、前述の救急医
療と同じように、しばらくすると、よほど優
れた経営手腕を持たない限り疲弊してし
まうのです(寝ずに働くので。。。)。

また、2番目に関しては「えっ!?お金儲
け!?」と思われるかもしれませんが、
動物病院っていうのは、行政上は
【サービス業】
なんです。

とくに医療的な配慮がされているわけでは
ありませんので、獣医師の収入は飼い主
様からの診療費がすべてなんです。

ですので、この仕事で家族の生活も担って
いる獣医師は、「少しでも稼ぎたい!!
じゃあ時間外でも受け入れよう!!」
となります。

やはりお金のことになるとイメージは
良くないのですが、
経営的なことを考えるのは当たり前の
ことだとご理解ください。

 

一方、1番目の「飼い主様と十分な信頼
関係が築けている」場合ですが、その
動機は単純で(でもとても大切なこと)、
そのクライアントさんのペットに何かある
と「何とかしてあげたい!!」という気持
ちになります。

なので、時間外だろうとなんだろうと受け
入れます。そして、その飼い主様からも、
信頼関係があるので、心からの「ありが
とう」をいただけます。

すると獣医師も「がんばった甲斐が
あった!!」と感じ、時間外の苦労なん
て吹っ飛びます(ね、単純でしょ(笑))。

ですが、中には「あんたは獣医師なんだ
から動物が具合悪くなったらいつでも
て当然でしょ

とか、

「慌ててきたから、お金は今度」と言って
二度と来なくなることとか、

そういったことも割とあるんですね。。。

そうすると、やっぱり体に鞭打って対応
している時間外診療で、獣医師は
だんだんと心が折れてしまうわけです。

 

また、2番目「売り上げのため」ですが、
当初はやっぱり生活のためにがんばるん
ですけど、これが目的だとやはり獣医師も
時間外診療を続けれられません。

これは獣医師ってどこか職人気質的な
ところがある(好きな診療科目は、金銭に
関わらず向上したいっていう気持ち)ので
すが、お金のために本質的に働くかって
いうと、そういう獣医師はあまり多くない
ように思います。

なので、経営的には少しでも稼ぎたいと
いう気持ちから、時間外の受け入れも
がんばるんですけど、
結局は長続きしない、
ということになります。

(つづく)


言いにくいことを言わなければなりません。

2015-09-20 10:00:00 | 飼い主様へ

こんにちは!!

さて、今回はアンケート項目の中の
「動物病院の診療で取り組んでほしいこと」
の結果について考えていきます。

  • 約70%の方が時間外の対応を希望されています。
  • 約20%の方が診療技術の向上を希望されています。
  • スタッフコミュニケーションに関しては少数ですが、コメントを多くいただきました。

さて・・・まずは「時間外診療」ですね。。。
今現在、私は時間外診療を積極的には
行っていない、いやどちらかというと

「やらない」

のです。

もちろんあなたのニーズは理解しているの
ですが、私の限界もあって、今も悩み中の
ことなんですよね。。。
悩んでることって言葉にしづらいんですが、
できるかぎりのことをお伝えしますね。

 

ではまず、なぜ、多くの動物病院は
「時間外診療」
を行っていないのでしょう?

答えは簡単です。
夜間診療や休日診療を行うだけの運営が
できないから。

中には、少ないスタッフで時間外診療を
積極的に受け入れている病院さんも
あります。

もちろん、その病院は、飼い主様の
ニーズを満たしている素晴らしい病院です。

しかし、私がこれまでのキャリアで、
それを“きちんと”継続できている病院さん
は残念ながら皆無です。
どこも何かしら問題を抱えています。 

また、さらにはしっかりした運営体制で、
24時間365日対応している病院さんも
あります。ですが、宮城県にはありませ
んし、全国的にもまれで、その恩恵を
受けられる方はごくわずかです。

つまり、やはり飼い主様のニーズを
満たす時間外診療を行っている
動物病院はほぼない、と言ってよい
と思います。

 

話は少し変わりますが、近年、人間の救急
医療で、救急救命医がつぎつぎと辞めてし
まい、救急医療の体制が非常に危機的に
なっているというのはご存知だと思います。

ざっくり言うと、過酷な労働環境、不条理
な患者クレームなどで、医師がすっかり
疲弊してしまい、続けられなくなってし
まったのです。

それと同じようなことが、実は
動物病院でも起こっているのです。

私が時間外を対応していない理由も
このあたりなんです(あと、年齢的なこと!?(笑))。

(続く)