森のいぬねこ病院 院長blog ~走れシーズー!!緊急オペです!!~宮城県仙台市の動物病院、ヘルニア、がんのことなら!

宮城県仙台市のとある緑豊かな場所にある動物病院「森のいぬねこ病院」。ガンビー院長がその思いをつづります。

抜歯は手遅れの歯科処置

2014-08-29 18:20:31 | デンタル

こんにちは!!

クロールはバタ足よりも手かきで進む方の西原です

(バタ足うまくなりたい・・・)。

 

さて、すっかり月1ペースなブログですが、

今まで決して遊んでいたわけではありません(笑)

実は6月以降、非常に優秀な先生方が

森のいぬねこ病院にご参加くださり、

私自身の診療のウエイトがだいぶ楽になりました。

 

それを機に、デスクワークもなるべく減らし、

ここ1年以上お付き合いしていた

腰痛さん

との関係を見直すと同時に、

どんな姿勢でもできること ― 情報のインプット、

つまりお勉強に執心しておりました

(寝転がってゴロゴロ専門書読んだり(笑))。

 

また、それと同時に、この1年半近く、

森のいぬねこ病院で行ってきた

診療の振り返りというか、棚卸し

的なことも少しさせていただき、

よりよいものを皆様にお届けできる方法を模索していました。

 

そんな中、森のいぬねこ病院で私自身も印象深いのは、

デンタル、歯科診療

です。

この1年、とにかく重度な歯科診療が多く、

実に

森のいぬねこ病院で実施した麻酔処置の35%

が歯科関係で、

しかもそのほとんどが

抜歯処置

を伴うものです。

おそらく、森のいぬねこ病院をスタートする前の

約10年間で抜歯した本数よりも、

森のいぬねこ病院の1年ちょっとで抜歯した本数の方が多い

と思います(正確に数えたわけでありませんが)。

たとえば、ワンちゃんで、

全ての歯を抜歯せざるを得ないケース

って、いままではそうそうなかったのですが、

森のいぬねこ病院では、すでに3頭、

また20本以上抜歯したワンちゃんも10頭以上

と、私のキャリアの中ではダントツの処置数なのです。

これまでのデンタル関係の記事は

こちらからどうぞ

 

「でも抜歯したあとは良くなるんでしょ?」

たしかに、抜歯せざるを得ない歯は、

抜歯することで、本人はずっと楽になります。

しかし、人間のようにインプラントもできませんので、

決してワンちゃんにとってベストとは言えません。

つまり、抜歯は歯科診療としては、

手遅れの状態

で、仕方なしの処置なのです。

 

また、もう一つ問題があります。

それは、歯がとても重症であることに

飼い主様が気付いていないケースが多い

のです。

歯科診療の場合、精密検査は全身麻酔が必要なため、

外見やちょっとした診察では、

正確に歯の状態を確認することができず、

それがかえって飼い主様に

「まだ大丈夫!!」と思わせることになっているのかもしれません。

(すみません・・・)

 

ただ現実的に、

森のいぬねこ病院を始めてからは

手遅れの歯科処置が多い

という厳然たる事実が存在しているのです。

 

今後はこれらを踏まえて、

少しでも抜歯処置が減らせるよう、

様々なアプローチを行って、

ワンちゃんの歯の健康に寄与できるようにしたいと思っています。

またこのブログやFBページからも情報を発信させていただきますね。

今後ともよろしくお願いいたします。


油断大敵・・・

2014-08-04 12:01:36 | お知らせ

こんにちは!!

お昼時、夕食時にFBのグルメ投稿を見ると切なくなる方の西原です(笑)

 

さて、ここ仙台もすっかり夏本番ですね。

 

私もこんなときはサクッと仕事を切り上げて、

願わくばビアガーデンでプハーッといきたいところです

ところが、ここ最近、夜間に緊急携帯がよく鳴っているため、

思うように・・・(涙)

 

さて、その緊急携帯の用件ですが、ほとんどが

「お散歩した後にしんどそうにしている」

というものです。

つまり、

熱中症

の症状ですね。

 

みなさん、この時期なので当然

日中のお散歩は厳禁

なのは十分ご承知いただいていると思いますが、

この時期は、

夕方や夜のお散歩も要注意

なのです。

場所によっては、まだまだ地面の照り返しがあり、

地面すれすれを歩くワンちゃんにとっては

サウナ状態

になります。

くれぐれもご注意ください。

 

今までは、この時期は

真夜中のお散歩

をお勧めしていましたが、

昨今の変な事件など考えるとそれも・・・

やっぱりお散歩は

早朝!!

ですね。

みなさん、ワンちゃんのためにも

早寝早起き

がんばりましょう!!(笑)


振り返れば奴がいる(笑)

2014-08-03 10:45:13 | 椎間板ヘルニア

こんにちは!!

青い日本酒に舞い上がってる西原です

(しばらくは我慢ですがw)

 

さて、ふっちょさんのブログでもご登場、

リハビリ絶賛がんばり中の椎間板ヘルニアのごん汰くんですが、

リハビリの合間、医局にフリーでいると・・・

常に私の周りに・・・

基本的にごはんなどのお世話は看護師さんで、

私はごん汰君にはリハビリ漬けの鬼教官のはずですが、

それでも懲りずに付きまとっているあたり、

まちがいなく・・・いやいや(笑)

 

そのごん汰君、実は森のいぬねこ病院に来院される前に、

他院で治療を受けていました。

ただ、病状が進行しているとのことで、

より積極的な治療を希望で、

森のいぬねこ病院にいらっしゃいました。

来院時は片方が深部痛覚が消失している状態。

時間がたっていることと、麻痺が進行していることから、

少し時間がかかりそうです。

手術から約2週間、深部痛覚は戻っているようですが、

そこからはまだまだ。

でも深部痛覚が戻っているだけでも大きな希望。

引き続きリハビリをがんばりましょう!!

ってあれ!?(笑)

しかもボギーさんまで。。。


JASA被災犬タブリンさんの歯肉腫瘤

2014-08-01 12:33:19 | 被災動物

こんにちは!!

腰痛回復の兆しが見えてきた西原です!!

(まあ、原因ははっきりしているんですけどね。。。)

 

今回は、JASAさんでお預かりしている被災犬のタブリンさん。

歯肉にできものがあるということで報告を受けました。

上の奥歯のところにプクッとしたものが・・・

腫瘍やちょっと面倒なものの可能性も否定できなかったため、

全身麻酔下にてできものの切除と歯石除去を実施させていただきました。

飼主さまはすぐにご了承くださり、本当に助かります。

そして処置は非常にスムースに終了。

その後も本人は特に問題なく、すぐ元気になっております。

 

さてその切除したものですが、

歯肉炎が増殖したもの

でした。

ですので、タブリンさんは今回はこれで完治!!

歯石もすっかりきれいに除去できたので、

あとは快適に過ごしてくれると思います。

 

歯肉のできものに関して、

いわゆる「できもの」は、

切除の前にも、針を刺して、

その針で取れた細胞をチェックする方法もあるのですが、

歯肉のできものの場合、

それでは診断がつかないことが多く、

切除が必要になります。

タブリンさんは、腫瘍ではなかったのですが、

場合によっては悪性腫瘍や、

悪性腫瘍に近い形のもので、

場合によっては顎を削る手術が必要になる場合があります。

 

また、今回のような炎症性のできものは、

歯石などのから生じる歯周炎が原因の一つと言われています。

普段からのデンタルケアで、ある程度は防げるかもしれません。

デンタルケア、本当に大事なんです!!