高校時代は、文学好きの友人と、気に入った詩や歌を見つけては、暗唱したものです。
この季節になると、思い出すのは室生犀星の杏の詩。
杏よ花咲け
地よ早に輝け
杏よ花着け
杏よ燃えよ
以前金沢に旅した時、犀川のほとりを一人歩き、犀星の詩碑の前にしばらく佇んでいました。
詩のイメージから、杏の花は真っ白なのかと思っていましたが、桃の花のような少し濃いピンクなんですね。
ふるさとは遠きにありて想うもの
そして悲しく歌うもの
犀星はふるさと金沢をこう歌いました。
父もなく、母に捨てられた犀星にとって、ふるさとは母親そのものでした。
憎みつつ求め、求めつつまた憎む、それが犀星にとってのふるさとでした。
「杏の花」は、そんな犀星が純粋に愛した数少ないふるさとの思い出だったのでしょう。犀星には『杏っ子』という小説もあります。
高校の時の国語の先生は犀星をこよなく愛し、『杏っ子』にちなんで、娘さんを杏子と名付けたかったそうです。でも当時「杏」という字は名前には使えない字だったので、諦めたそうです。「カッパちゃん」というあだ名の厳しくも優しい先生でした。
杏の花
この季節になると、思い出すのは室生犀星の杏の詩。
杏よ花咲け
地よ早に輝け
杏よ花着け
杏よ燃えよ
以前金沢に旅した時、犀川のほとりを一人歩き、犀星の詩碑の前にしばらく佇んでいました。
詩のイメージから、杏の花は真っ白なのかと思っていましたが、桃の花のような少し濃いピンクなんですね。
ふるさとは遠きにありて想うもの
そして悲しく歌うもの
犀星はふるさと金沢をこう歌いました。
父もなく、母に捨てられた犀星にとって、ふるさとは母親そのものでした。
憎みつつ求め、求めつつまた憎む、それが犀星にとってのふるさとでした。
「杏の花」は、そんな犀星が純粋に愛した数少ないふるさとの思い出だったのでしょう。犀星には『杏っ子』という小説もあります。
高校の時の国語の先生は犀星をこよなく愛し、『杏っ子』にちなんで、娘さんを杏子と名付けたかったそうです。でも当時「杏」という字は名前には使えない字だったので、諦めたそうです。「カッパちゃん」というあだ名の厳しくも優しい先生でした。

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