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余桃之罪、もしくは電光朝露

関西フィル、日本センチュリー、京都市交響楽団、大阪フィルの定期会員です。アイドルやら声優やら。妄想8割、信憑性皆無。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第402回定期演奏会

2006年10月11日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.10.10(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
06.10.11(水)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第402回定期演奏会
指揮/大植英次
ヴァイオリン/長原幸太
チェロ/秋津智承
曲目:ブラームス/ヴァイオリン、チェロと管弦楽のための協奏曲イ短調op.102
   :チャイコフスキー/交響曲 第5番ホ短調op.64

大フィル06~07シーズン後期定期演奏会はこれから。「大阪クラシック-御堂筋にあふれる音楽-」でさらなる人気を獲得した大植/大フィルとあって、ほぼ満員の客席の熱気がすごい。
ブラームス。
ブラームスの協奏曲中、人気知名度ともに最低ながらも滋味あふれる名作、二重協奏曲。なんせ生で聴いた覚えがほとんどない。録音ではカンポーリ、ナヴァラ、バルビローリの歌いすぎて暑苦しい演奏がお気に入り。ここでは首席コンマスと首席チェロがソリスト。監督共々オケを引っ張る才能のすごさを聞いていただこうという趣旨ですかね。
重量感とメリハリのある伴奏、若々しいヴァイオリンとビターなチェロが噛み合ったいい演奏でした。

前日は朝日放送の収録があったとか聞きました。来年初頭に放送とか。はてさて。
休憩を挟んでチャイコ。
おとといのヴァンスカ(大植英次の次のミネソタの音楽監督になっている)もそうですが、実によくオーケストラを手中に収めて動かしてくる。冒頭の陰鬱な表情の作り方といい、テンポの緩急といい大したものです。対向配置を採っていて、バスが最後方に一列に並んでいたのですが、これが良い効果を上げていました。個人的にはもう一つ前に出る部分があるとロシア風の野卑な感じが出るような気がして残念でしたが、この指揮者は存外そういうケレン味のあることはやらないんですね。
第2楽章はホルンソロの難しいところがあるのですが、無難にこなすどころか大変美麗な流れを持って吹いていて感激。傍の若い子が音も立てずに拍手してたぐらい(笑)。得てして通俗に陥りやすい第3楽章も節度のある歌いこみで切り抜けてゆき、恐ろしく開放的で快速な終楽章。
朝比奈先生の十八番だったこの曲ですから、ある程度は出来て当たり前の大阪フィルです。それをさらに一段上に昇る名演奏でした。が。

怒号のようなブラボー(これだけは嫌い)の最中、拍手しながらもあっさり我に返る。がんがん鳴ってぐんぐん歌ってとてもとても楽しかった。この上なく清清しい爽快感だけが残って何を聞いたかはよく覚えていない・・・。
あらこの感覚は。連れはすごくすごく感激してるけども。これは。
お客様の大きな反響の中、感極まったような表情の大植さんが去り、オケの皆さんも舞台を後にする。鳴り終わる拍手。

右3列前に見知った顔が2人ほど。大フィル一筋30年なじいさん連が。
Rさんを見つけて「あんさんどないだ」。
ここで「いい演奏でしたねー」とさらっと言えたらRさんも大人になったと思ったんだけども言葉が出ない。「うーん・・・」
「でっしゃろ」「いや」「出まひょか」「ああはい」
「ばんばん鳴っとるだけでっせ」「鳴らなんだもんが鳴るようになったんは有難いこってすわ、せやけど中身はおまへんで」「そうかなー」「ぜーんぶ聞いてるけど上手に音出させる他なーんもあらしまへん」「僕は全部ではないんであれですけど」「なに聞きはった?」「幻想だとかタコ7だとか」「そなもん出る音だしたらどないかなる曲ばっかりや、ブルックナー、ベートーヴェンはきれいごとでぼんくらなもんばっかり」「マーラーとか・・・」「こせこせしてまっせー、あきまへん、今日かてきれいなばっかりやスポーツだんがな」「ああー」「でっしゃろ」
耳には美しいけど一層深いところが足りない、というご意見にやや押されつつ帰途へつきました。
12月のヴェルレク楽しみ。

次は明日12日です。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第399回定期演奏会

2006年06月16日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.6.15(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
06.6.16(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第399回定期演奏会
指揮/広上淳一
フルート/シャロン・ベザリー
曲目:武満 徹/弦楽のためのレクイエム
   :グヴァイドゥーリナ/フルート協奏曲(日本初演)
   :シューマン/交響曲 第3番 変ホ長調 op.97「ライン」

大植が振らない定期の客入りがいまいちだと聞いていたけども、ここまでとは思わなかった。7割強?。
仕方ないといえば仕方ない。前半2曲が現代音楽なのだ。
10年ほど前岩城宏之/大フィルで似たようなプログラムのときに客入りが6割強だったことがある。座った列に私と連れの2人と少ししかいなくて、かつ我々の前から舞台まで8列ほど無人だった。あまりの空席に慄いていつもの5倍くらい拍手して何とか空間を埋めようとしたのが懐かしい。大震災で中止になったプログラム(大震災当日が定期だった!)の再演(というか復活か)だったはず。
で、その岩城宏之が亡くなってしまった。20年近く手術と闘病を繰り返しながら、邦人作曲家(昭和一桁から50年代生まれまで。例外あり)を中心とした新作初演などを手がけてきた面白い指揮者だった。演奏活動よりもすこぶる楽しいエッセイストとしてむしろ楽しんでいたもんだ。
彼を悼むという意味を込めて(プログラムに急遽挟み込まれた紙にそうあった)1曲目の武満が演奏される。岩城は武満作品のオーソリティでもあったわけで、これは良い追悼になるだろう。作品はもはや日本現代作品の古典ともいうべき地位を確立していてそれこそ数多くの演奏がされているんだけれども、今宵の演奏はベルクか何かの美しい歌の一頁のようになっていた。オケもあまり乗り気でもない様子。客席もうるさいし・・・。

グヴァイドゥーリナ。
ベザリーさんの持ってきた3つのフルート(通常のものとバス、アルト)と多すぎる打楽器群に眼を奪われたのもつかの間。2部に分けられる音楽の前半が終わるとあまりに陰鬱な曲にやられた。連日のサッカーTV観戦も祟って熟睡。申し訳ない。
それでもウインド・チャイムがひっそりと鳴る終曲部で豪快に鳴った着メロは覚えている。電波妨害装置を備えているはずのシンフォニーでは珍しいことだが、タイミングが絶好に最悪だった(笑)
アンコールはドビュッシーのパンの笛(シリンクス)。ようやくこの人の上手さが分かった。グヴァイドゥーリナはもういいのでイベールとかやってくれないかなぁ。

ライン。
何度聴いてもこの冒頭の溌剌とした曲想と中間部のホルンはたまらん。
広上の指揮は音楽が見えるようで何度見ても興味深い。第1楽章は音楽自体の魅力と広上/大フィルの作るエネルギーがうまく合わさった好演だったと思う。第1楽章終わりで拍手が起きた。気持ちは分からなくもない。第2楽章は第3楽章と共にのどかな田園風景を形作るはずなのだけれども、似た雰囲気を繰り返すのを嫌ったのかテンポが速い。第2楽章をスケルツォ的な舞曲として演奏していて良かった。こういう行き方もあるのだ。感心。ところがここから後は大フィルの地である鈍重さが出てひどかった。明らかに指揮についていかない。終楽章でコンマスが鞭をくれたのかなんとか動いたものの今度は荒っぽすぎる。そういう捉え方なのかもしれないけども、コーダの加速も個々がしっかりついてきていればともかく、指揮者もオケも強引に進んだので音がダンゴになっていた。
もっとやれるはずなんだがなぁ。センチュリーのチクルスに期待しますか。

次は22日。京響のグレの歌に行けない模様。残念・・・
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いい演奏だったので

2006年05月16日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
聴きに行きました昨年十一月の大フィル定期がCD化されるんですね。
あれで0番への興味をさらに強くしたところなのでうれしい限り・・・
HMV→こちら 
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第48回大阪国際フェスティバル2006 大阪フィルハーモニー交響楽団演奏会

2006年04月26日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.4.26(水)19:00 フェスティバルホール 地図
大阪フィルハーモニー交響楽団in大阪国際フェスティバル2006
指揮/大植英次
ピアノ/中野翔太
曲目:シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
   :マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調

3年ぶりくらいのフェスであります。すっかり格落ちした大阪国際フェスティバルのトリとして大フィルが出るという。マーラーをやるという。
フェスで育った関西のクラシックファンではありますが、正直フェスは音響も悪いし、座席は狭いし(築50年です)2階席は驚異の急勾配だし・・・あまり行きたくないホールですがやむを得ず行ってきました。

シューマンは正直さっぱり。
独奏の子がどうにも楽譜をなぞるのに手一杯の感で、表情だとかリズムだとかのっぺりしていて聴くのがつらかった。
オケも木管酷くなかったですか?細かいところでミスが結構あったような。
ホールが悪いからだと思い込むのも無理がある凡演。
センチュリーが6月にやるのでこれを楽しみにしたいですねぃ。
追記:ソリストの不安定さに付けていくのがやっとだった、ということですかね。

マラ5。
良かったのは中間3楽章。
Tp首席が大健闘でした。1月の巨人ではこころゆくまで音を外した悲惨な演奏をした人とは思えない(笑)
もう少し線の太さがあると良いと思うのですが、他のパートも細いのでバランスを考えると仕方ないか。
第2楽章は大植さんの指揮の赴くまま、随所にマーラーならではの泣きの入った入魂の出来。
第3楽章はこの曲の鬼門。全体の構成が茫洋としてつかみにくく長いので、聴いてて必ずダレてしまうんですけども、弦楽器を中心にしっかりと聴かせるアンサンブルが素晴らしかった。ホルンのトゥッティが揃わなかったり濁っていたりしたのは残念でしたけど。
第4楽章。このオケのチェロとヴィオラセクションは本当に海外に出しても恥じないくらいの能力があると思う。大植さんのロマンティックな解釈も決まっていて美しかった。
終楽章は各セクションの名技的な要求をされている音楽だと思うんですが、大フィルの技術力では手に負えない部分があった。疲労もあったとは思いますが、出てくる音は限界が現れているのでしょう、硬かったりきつかったり・・・
これがマーラーですかというと、そういうレベルではないような気もする。
昔関西フィルがコバケンとやったマーラーは、とんでもなくオケは酷かったけれども有無を言わせずマーラー以外の何者でもない雰囲気があった。それに比べると、良く出来ているしオケもまだ上手なんだけれども、何か無名の作曲家による難しいオケ曲に精一杯挑戦したというだけに終わっているような、どうもしっくりこない後味でした。このコンビで聴いた2番とか良かったのに。

久々にフェスを埋める怒号のようなブラボー(というよりもオーという雄叫び)を聞いた(笑)
なんか朝比奈御大の時代を思い出してしまった。
アンコールには「蛍の光」。大植さんが客席に向かって指揮を始めて、歌うように促す。なんとなーく歌っておきました。。

これが第48回大阪国際フェスティバル最終日だということで、TVでもお馴染みとなった淀工吹奏楽部による團 伊玖磨作曲の大阪国際フェスティバルのためのファンファーレが奏されて幕を閉じました。

にしてもこのフェスティバルの意義だとかネットで調べたけど、いまや良く分からないわ。
フェスの老朽化もあることだし、第50回ぐらいにはなくなるんじゃないかしら。

次は27日。英雄の生涯の3つ目です(涙)。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第397回定期演奏会

2006年04月21日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.4.20(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
06.4.21(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第397回定期演奏会
指揮/大植英次 
オーボエ/フランソワ・ルルー 
曲目:ベートーヴェン/「コリオラン」序曲 op.62
    R. シュトラウス/オーボエ協奏曲 二長調
    R. シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」op.40 

寒い。寒の戻りだっつーことでね。
JRの脱線事故からそろそろ一年なんだけども、あの日はもうずいぶん暖かかったことを思うと、今日は平年よりも冷え込んだんじゃないかい。
大フィルの06/07シーズンのオープニングとあって満員だったので中は結構熱い雰囲気。

コリオラン。もう少し厳しめの音の方が好みだった。
低弦が特にいい音。ヴィオラがさらにいい。

オーボエ協奏曲。
RCAから出てるプーランクの室内楽集で明るく良く通る音色を愛していた。
いや、すげぇ。始まるなり連れが「うめぇー」と呟く有様。
あまりのうまさにオケ聴くの忘れてた(笑)
1945年秋、ナチスの帝国音楽院総裁としての終戦を経たりなんかしながら書かれた老境の一曲なんだけれども、そういう背景とは無関係と言っていい清澄な作品。
ル・ルーの音色がまた曲想に合ってたね。最高。
アンコールはなんだ、「昨日来た人はいるか、昨日のアンコールとは別のをやる、それはリクエストされた・・・」とか英語とフランス語交じりで言ったような。
シルヴェストリーニ 無伴奏オーボエのための6つの絵からモネの・・・何かです(写メ取ったのに良く見えん)。
もう気持ち悪いぐらいの技巧。CD買うわ。

英雄の生涯。3連発の最初にこの演奏を聞きたくなかったなぁ。
明日の京響、27日のセンチュリー+仙台フィル、悪い演奏にはならないとは思うけども、おそらく今宵の完成度には太刀打ちできないんじゃないかなぁ。
トラも豪華。Tpはシンフォニカーの首席と副首席(つっても2人しかおらんけど)、ホルンも新日の人だったんじゃないですか。
大植さんの指揮は大きな強弱を付けつつ(御大時代は弱の部分が時折消滅してたことを思い出しましたよ)も、テンポはあまり動かさず。4月から首席コンマスになった長原さんのソロも一気呵成で素晴らしい(センチュリーの川崎洋介さんを楽しみにしています)。1週ほど前から3回ぐらいスコア通して読んだけども、このソロ難しいっすね(笑)
それにしても一つ一つの楽想をあれだけ丁寧に表情豊かに作り上げてゆく大植英次の技に感動ですよ。Rさんのレファレンスはオーマンディの新旧両盤なんで特にそういう思いを持ちました・・・。

顔見知りの皆様の終演後の御感想も「すごいすごい」の連発でした。
初日のほうが緊張感があって良かったというご意見もありましたが。
次の定期はパス・・・ペレメリはあんまし・・・(笑)

次は明日。22日です。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第395回定期演奏会

2006年02月16日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.2.16(木)19:00 ザ・シンフォニーホール
06.2.17(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第395回定期演奏会
指揮/大植英次 
ヴァイオリン/長原幸太 
曲目:武満 徹/ノスタルジア(1987)
   :ブルックナー/交響曲第7番ホ長調

目下好調、大植&大阪フィルの定期演奏会。先だって14日に東京定期演奏会が行われた、それと同じプログラムの初日。

ノスタルジア。ベルクのエコーが聴こえる悲しみの層のような楽曲。私の席ではソロの線が細いようにも思いましたが、全体としては鬱屈したたゆたいが仄見えて良かったのではないでしょうか。出来れば小さめのホールであの響きに包まれたら良い時間が過ごせそう。大フィルの弦楽は艶もあるし粒も揃ってるし素晴らしい。ただ現代音楽なのでぐっすり睡眠をとっている人が周囲に多数。

ブルックナー。
大阪フィルのブルックナーというとどうしても前音楽総監督朝比奈隆御大のイメージがあるので、なかなか難しいところ。2004年には大曲第8番に挑戦して大成功だった(Rさん的には大植さんはブルックナーに向いてない気もしたけども)ので期待するや切だったのですが。

ブルックナーの残した作品の中ではもっとも優美な内容、旋律美に溢れた作品です。雄大な開始の第1楽章、悲しみと追憶の(ワーグナーの追想でもある)第2楽章。勇壮な舞曲の第3楽章。軽やかさと力強さが交互に現れながら全曲を締めくくる第4楽章。第4楽章の出来がうんぬんされますが、演奏次第ではなんとかなりますし他の曲との比較をしなければさほど気にもなりません。

第1楽章。冒頭の枠主題のふくよかで美しいこと!これは期待できそう・・・。
第2楽章。奇麗。たまらなく弦楽器が歌う歌う。ブルックナーに必須な重厚で広がりのある管弦楽に感激。シンバルとトライアングルの追加は好みではないのでそこは残念でしたが・・・。
第3楽章は金管が疲れてきたのかややミスも目立ち始め、大植の表現も音は派手だけれどもどうも腰が軽い気がしていまいち。
第4楽章になると各主題の表情付け・テンポの落差が激しく(ノヴァーク版なんでしょね)、管楽器の疲れも激しくなって響きが大きい割りに空疎な感じがしないでもない。

帰り際に何人かの知り合いに「どうだった?」と訊いてみたけども皆一様にびみょーな表情・・・(笑)「ブルックナーに向いてないのかも知れない」という意見でした。
うーん・・・時とともに良くなっていくこともあるので(それまで大フィル振ってるかどうかはともかく)結論は急ぎたくないですが。「マーラー向きだよね」というご意見もあり、4月にこのコンビでマーラーの5番を聴くのを楽しみにしています。

次は明日。今週も二日連続だ。
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おおさか・元気・クラシック~大阪フィルハーモニー交響楽団編~

2006年01月12日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
06.1.12(木)19:00 NHK大阪ホール
「おおさか・元気・クラシック」大阪フィルハーモニー交響楽団
指揮/山下一史
バリトン/田中勉 
曲目:マーラー/歌曲集「さすらう若人の歌
   :マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」

今日はおおさか・元気・クラシック~大阪フィルハーモニー交響楽団編~でした。
このおおさか・元気・クラシックは大阪府と大阪府文化振興基金が大阪で活躍しているアーティストを府民に安い値段で提供して、その活動を広く知ってもらおうという趣旨でここ何年か行われています。
他にも「文楽」「能・狂言」で同様の公演があるそうです。

まず安い。大人一回券2000円。連続四回券7000円。学生団体だと四回券2500円。
そんなわけで、学生と老人が盛り沢山。
このNHK大阪ホールはNHK大阪放送局が2001年に新局舎「大阪放送会館」に移った際にできたもの。
今まで入ったことがなかったけども、クラシックにはやや狭い気がする。でも客席の配置が面白くてキレイなホールでした。

さすらう若人の歌。
歌詞対訳がパンフに付いてない・・・Rさん良く知ってる曲だから大丈夫だけど、周りの人は皆ぽかーんとした空気・・・。
田中さんは朗々としていて(見た目も)良かったのですが、高音の裏声っぽさが出過ぎて妙に若作りな雰囲気。若き日のマーラーの歌なんだから、これでもええんでしょうけども、Rさんとしてはしっかり地で歌って、若さはバックの管弦楽にお願いしてもらえばよかったような気がしました。そのバックが好調とは言いがたいのも悲しい。ホールのせいだと思いたい(笑)
総じて管楽器が不調の様子。不安。とはいえ山下が伴奏上手でもあるのでツボは押えて上手く鳴らしておりました。

休憩かと思いきや、NHKの女性(アナではない)が現れて歌手・指揮者交えてトーク。
さまよう若人の歌についても話される。先にそれをやらんかい!と内心罵声を・・・。
田中さんが関西のええ感じのおっさんのテイストで笑いがこぼれる会場。
山下もそれなりに話して終了、休憩。

巨人。
実演・録音、何回聞いたか分からないこの曲。それだけに期待する水準が高くなりすぎるのか、冒頭の緊張感の無さだとか第2楽章の荒れたアンサンブルだとかがすごく気になる。第3楽章はうらぶれたコントラバス独奏からして良い雰囲気。歌謡的な音楽なので、山下の解釈や棒が適しているというところでしょうか。終楽章はここぞというところを金管が外してゆくのが圧巻。中間部分の低弦など、はっとするほど美しい瞬間もあっただけに残念・・・。
新年だし、まだまだ本調子じゃなかったのかしら。

次は20日。京都遠征でございます。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第393回定期演奏会

2005年11月18日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
05.11.18(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
大阪フィルハーモニー交響楽団 第393回定期演奏会
指揮/下野竜也
ピアノ/清水和音
曲目:ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第2番 作品72a
   :モーツァルト/ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466 (独奏:清水和音)
   :ブルックナー/交響曲 第0番「nullte」ニ短調

今日は大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会のためにザ・シンフォニーホールまでおでかけ。
指揮は下野竜也くんです。
今回はプログラムが面白いし、下野くんは聞くべき指揮者だし楽しみでありました。
客の入りは8割ぐらい・・・。
序曲「レオノーレ」第2番。ベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」は諸事情あって都合4つの序曲が存在します。草稿らしき第1番、「レオノーレ」という名での初演時の序曲だった第2番、改訂再演時に作り直した第3番、作品名も変えるほどの改訂後の「フィデリオ」序曲。
今回の第2番は楽想が練り切れていない感じ、よく言えば荒削りな若さのある曲なんですが、これが若い指揮者(36歳・・・ですかね)の棒と合って、メリハリのある快演。
ピアノ協奏曲 第20番。清水和音を聞くのは6年ぶりぐらい。技巧が目立っていまいち音楽が伝わってこなかったことだけが記憶に残っている。
今回はピアノは美しく粒立ちも綺麗で良かったのですが(それだけに流れすぎた感がありました)、オケが・・・。
モーツァルトに必要な華やぎとか柔らかさとかが全く無いのはねぇ。乾いた音色に終始して退屈だったですね。ああいうやり方ならもっとテンポを速めて即物的に進めてくれれば殺気立って面白みが出たのに。

ブルックナーの交響曲第0番。冗談ではなく本当に0番なんですね。
第1番以前にあらかた完成した作品ながら、第1番初演後に改訂して第2番にしようと人に見せたら酷評されたために引っ込めて公表しないでおいた(2番と書いた表紙を消した後まで自筆譜にあるそうで)という、いわくつきの作品。晩成の人なので39歳で書いて45歳で改訂してるんですねぇ。
0番「nullte」のヌルテ、とは「価値がない、取るに足らない」の意味。1番の前に置かれる作品という数字的な意味合いではないようです。
作曲者の死後に発見され初演されました。

第1楽章。あまりにものっそりした開始。魅力の薄い主題。酷評も已む無しだなぁと思いきや、弦に現れる旋律は紛れも無くブルックナーならではの賛美に満ちたもの。ただそれが続かないし、途切れ途切れだし・・・。39歳時の着想を45歳の腕前で作り直したがために音楽がバラバラなんでしょね。これは。
第2楽章。感涙。これは美しい。弦が風のようにそよぐ中を木管がキラキラと歌ってゆく。主の作り給う世界への畏敬が素朴な音楽として音化されていて素晴らしい。演奏も楚々として良かった。
第3楽章。これはブルックナーの前期に良くある、純化されてはいない土俗的な舞曲そのもの。やや展開が以後の作品に比べて単調ですが。中間部のトリオは第2楽章にも通じる祈りの音楽。金管が大いに健闘していました。
第4楽章。木管のリズムの中からいかにもエンディングっぽく弦が現れるのが感動的。後期の作品からすれば安っぽい感は否めませんけども。トランペットの信号風の経過句を経てフーガへ。なんだろう、アイデアが不足しているのか、教科書どおりの展開でやや退屈さが感じられます。オケのせいではなく、音楽自体の魅力のなさが大きい。型どおりの盛り上がりでフィナーレ。オススメ盤はコチラ

下野くんは健闘したんではないでしょうか、故朝比奈先生のオケでブルックナーというと比較しちゃうジジも多いでしょうし。0番は比較しにくいのでプログラミングでかわした感じはありますけど。

次は20日。
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大阪フィルハーモニー交響楽団 第391回定期演奏会

2005年09月09日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
今日は色々と話題の大植英次の指揮する大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に出かけました。

曲目はマーラー交響曲第3番です。

マーラーの生きた19世紀末から20世紀初頭というのは管弦楽の肥大化、大編成のオーケストラによる音響の洪水ともいうべき流れにありました。
この交響曲もアルト独唱と児童合唱を伴う、全2時間を超える大作。
要は演奏会始まったら休憩も何も無く最後までぶっとおしです。

演奏は・・・正直なところ善戦むなしく、といったところですかね。
難しいんですよ。マーラーは。金管に負担が大きいんですが、日本のオケだとまず上出来な演奏には出会わないです。
海外のオケでも実演は難しいですけどね。
まぁそれでも終楽章の冒頭3分は客席にも緊張感と浄福感が満ちた瞬間で、これだけでも聴いた価値はあったかな。

曲が終わった瞬間に2階席から女性の声で「わーすごいー」という非音楽的な叫びがあがってしまって、パラパラと散漫な拍手を呼び込んだのは残念でした。
ブラボーを言いにくるだけのおじさんよりはマシですけども。

話は変わりますが、京都市交響楽団の客層は全国一のひどさです。長らく通ってたので断言できます。
曲が終わったら拍手も無しにわぁーーーと立ち上がる客の多さに愕然とします。
チケット代以上の消費はしない性分なのでしょうけど、あれではオケは育ちません・・・

次は14日、多分京都に、京都市交響楽団に行きます(笑)
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円熟への道のり・・・

2005年05月21日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団
というわけで20日は仕事を早めに切り上げて大阪フィルハーモニーの定期演奏会へ。
Rさんは大フィルが苦手なもので朝比奈先生のものと今回の指揮者井上道義さんのもの以外はあまり出かけません。

朝比奈先生が亡くなられてからはとりわけ疎遠。
でも今回はRさんのコテハンの元ネタであるラヴェル作品集とあっては足を運ばないわけにも行かない。
また井上さんは京都市交響楽団時代に聴いて以来、なるべく多くの実演を聴きたいと考えている人なのですね。

スペイン狂詩曲。
夜の前奏曲からホールいっぱいに濃密な香気が漂う。長らくコンサートに通っていると、良い演奏会は最初の瞬間に客席が電気を受けたように静まり返るんですね。ああ、これは心して耳を傾けなければならないぞ、と通じる何かが音にあるんですね。
終わったときに、後ろの客席の男の子が友人らしき人に「すげぇ」と漏らしていたのが印象的でした。
左手のためのピアノ協奏曲。
前日のプロでは結構な事故が発生したとウワサの(笑)。そのこともあってか一抹の緊張感漂う快演でした。
休憩を挟んで後半。
組曲「クープランの墓」。
Rさんがラヴェルを愛するようになったきっかけの曲です^^
擬似バロック様式の、軽やかな宮廷舞曲集の趣の音楽。
これはレコードによってはオーボエソロがクレジットされるほど、オーボエ(とその他木管)が音楽の芯になる曲。この日聴けた人はいいものを聴けたのではないでしょうか、そう思うほど素晴らしいソロでしたね。
亡き王女のためのパヴァーヌ。
これは時折TVCFや映画でも使われたり、ジャズにアレンジされたりする佳曲。
冒頭のホルンソロが予想通り荒れて(難しいのですけども)やや残念でしたが、後半マエストロの要求に合わせてむせ返るようなヴィヴラートが掛かったあたりは絶品でした。

最後はバレエ音楽「ダフニスとクロエ」第二組曲。
何度楽譜を読んでも、ため息が出るばかりのラヴェル一流のオーケストレーション。精密機械と言われた精緻な管弦楽法が堪能できる名作です。
ここまで来ると演奏が良いのか曲が良いのかという判別はつきません。壮大華麗な夜明けと鳥のざわめき、陽光の輝きと水の煌きに耳が魅せられます。
終曲・全員の踊りは振るほうも奏るほうも至難の曲。指揮者とオケが渾然一体、音楽と同化したような熱狂ぶりで大団円でした。

大フィルのフランスものはダメ、という定評を覆す素晴らしい名演のひと時でした。
次は31日の予定です。
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