清少納言(せいしょうなごん)は平安時代中期の女流文学者・歌人
康保3年(966)頃~万寿2年(1025)頃
文久3年(1863)出版 歌川豊国(国貞)絵
清少納言は肥後守清原元輔(きよはらのもとすけ)の娘にて
一条天皇の皇后に宮仕えし、時の博士にも口開かせぬ才女であった
和歌をよく読み文章もっとも自在の筆へとなる或年の冬
雪が高く降り積もった朝 皇后定子(ていし)がおっしゃられ
少納言よ香炉峯(こうろほう)の雪はどうだろか と問われると
さっと立って御格子を上げさせ翠簾(みす)を高く巻上げれば
頷き笑われその当意即妙を感じ会うそれは
白楽天の詩に香爐峰の雪は簾を撥げて観るとある意えで
禅家の問答のように 才機満ちたる者ならではなし難く
この婦人の作枕冊子(枕草子)の一書は当時の世の態を尽くして
紫文(源氏物語)の絶妙に準じている
柳亭種彦記
崑山集に 『雪の花も今朝は匂うや香炉峯』