月の照る夜に

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「木の上の軍隊」

2019-05-28 23:45:28 | 舞台・芸能

5月はいろいろ舞台を観ていまして・・(^^;)
もう公演が終わってしまったものもありますが、感想を少し~


こまつ座「木の上の軍隊」
ー「父と暮せば」「母と暮せば」と並ぶこまつ座戦後命の3部作第二弾ー
紀伊國屋サザンシアター 5/11~19日
脚本:蓬莱竜太
演出:栗山民也(この作品で2013年度菊田一夫演劇賞、 『母と暮せば』で読売演劇大賞 大賞・最優秀演出家賞を 同時受賞) 
出演:山西 惇(2013年の初演から本土出身の上官役)
松下洸平(2016年の再演から島出身の新兵役~「母と暮せば」の演技で 読売演劇大賞 優秀男優賞・杉村春子賞、 文化庁芸術祭演劇部門新人賞のトリプル受賞)
普天間かおり(ガジュマルに棲みつく精霊・語る女役)

 昨年見た「母と暮らせば」が素晴らしかったので、次はこれを見てみようと思いました。 再再演で、再演とキャストは同じ(初演時の新兵は藤原くん)。 どうしても戦争ものは身構えてしまうけれど、見てよかったです!
井上ひさしさんの残した資料とメモを元に蓬莱さんが書き下ろした作品。 ある南の島で、終戦を知らずに2年間、ガジュマルの大木に身を隠した2人の兵士。本土出身の上官と、島出身の新兵。 実話をもとにしたものだそうです。
のんびりとした新兵と生真面目な上官とのやりとりなど、笑わされる場面も多かったけれど、胸にチクチクくる台詞の数々に考えさせられることも多かったです。
次第に価値観が変わっていく上官。恥という言葉。
目の前に広がり、日に日に大きくなっていく敵陣営の姿が日常になっていく怖さ。 上官は敵陣営ができる前の風景を知らない。
守られているものに怯え、怯えながらすがり、すがりながら憎み、憎みながら信じることしかできないという新兵の言葉。 2年間一緒にいても交わることのない2人。わかりあえないが、知りたいと思っている。 現実の問題として捉えることも、戦争に対しての普遍的な思いとして捉えることもできるのではないか。
ラストの暗闇の中で鳴り響く爆音。私はディアハンターのへリを思い出してしまったが、オスプレイの音らしい。恐ろしかったです。
上官役の山西さんはほんと素晴らしいし、松下くんがまた、とてもよかった。朴訥とした新兵の人の好さと、うちに秘めた哀しみ。普天間さんの歌声がしみました。
休憩なしの2時間弱。舞台写真はゲネプロかな?お借りしました。




観た日はキャスト3人によるアフタートークもあって。
この木の上で出ずっぱりのお二人、体力的にもキツいでしょうし、大変。この木の上でずっとやるって、誰が考えたんだ~とか言ってましたが(笑)本当に大きくてすごい木のセットです。
水を飲むタイミングも、木の中に入る一瞬しかないとか・・。裏方さんたちの支えも大きいもののようです。
山西さん、再演の時、体力的にも最後かな~と思っていたそうですが、再再演の今回やってみて、まだいけるんじゃないかと思ったとか。
お二人も言っていたし、栗山さんも言われているそうですが、 これは、何かを主張する作品ではなく、見た人がそれぞれ持ち帰ってほしいとのこと。
この後、念願の沖縄公演もあるそうです。松下くん、この時かこの後かどうもケガをしたようですが・・。見ている人にはわからなかったそうだけど・・。この木(舞台中はもう少し斜めに寝ていますが)の上で芝居をし、降りたり登ったりするんだもの・・。

芝居の最初の方で、新兵は島出身の牛飼いで、呑気で、その無垢さ故上官をいらだたせるというようなところがあって、ふと、剛男さんも戦地ではこんな感じだったのかも~なんて思ってしまいました(笑)


ゲネプロには、みやさんや丸山さんなどキューブの方々勢揃いでいらしたみたいで・・(笑)
仲いいなあ~
(皆様のSNSから写真お借りしました)


この後、6月に沖縄、7月に九州で公演(こちら
沖縄公演への支援のクラウドファンディングを開始しているそうです。 

『木の上の軍隊』

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