月の照る夜に

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海辺のカフカ

2019-06-16 06:34:19 | 舞台・芸能

5月の観劇
「海辺のカフカ」 TBS赤坂ACTシアター 5月21日(火)~年6月9日(日)
原作:村上春樹  脚本:フランク・ギャラティ
演出:蜷川幸雄  演出補:井上尊晶
出演:寺島しのぶ  岡本健一  古畑新之  柿澤勇人  木南晴夏  鳥山昌克  高橋努  木場勝己 新川將人  妹尾正文  マメ山田  塚本幸男  堀文明  羽子田洋子  多岐川装子  土井ケイト  周本絵梨香  手打隆盛  玲央バルトナー

上演時間:3時間20分(休憩込)

「海辺のカフカ」2012、2014、2015年と上演されて、今回は再再演。
蜷川さんがお亡くなりになったので、演出補の井上さん始め蜷川組の方々が作り上げた舞台。
佐伯、大島、さくら、少佐以外は2014、15年と同じキャスト。
蜷川さん演出と銘打ってカフカを上演するのはこれが最後らしい。
たぶん、他のキャストは蜷川さん演出経験者から選べても、カフカ役が、蜷川さんがいらっしゃらない今となっては新たに選べないというのもあるだろうし。

蜷川さんは上演しながら演出を変えていって、2014年のさい芸では上演時間は休憩込みで3時間45分。
それが各地を回った後の東京公演では20分短くなり、2015年のロンドン、ニューヨークなどのワールドツアーからの凱旋公演ではさらに短くなって3時間10分になっていました。
今回は3時間20分。 どこの場面が復活したのか?

再演の時に短くなっていき、猫の残酷な場面を短く、照明落として見えにくくしていたのは海外向けにそうしたのかと思っていましたが、今回はその猫の場面が復活してました。今回はパリでの上演があったそうだけど、フランスは大丈夫なのかな?
さくらさんとの性を感じさせる場面はないままでした。

今回ホリプロの先行で取ったら、最前(D列)でした。
前すぎる・・いろんな意味で(笑)もっと後ろで見たかった。 その方がアクリルケースが奥から迫ってくる迫力とか、対比とか、床に映る照明の美しさとかがわかるし。
ACTシアターの舞台は狭くて、ケースのすれ違いがギリギリ(^^;) この舞台はさい芸サイズだわ。
まあ、いろいろよく見えましたが・・カッキーはカフカのケース押してたり・・キャストの方々と目が合った錯覚も何度も・・(笑)

2012年の初演が26公演(柳楽・田中・長谷川) 2014~15年の再演が74公演(古畑・宮沢・藤木) 2019年の再再演が31公演(古畑・寺島・岡本)の計131公演だとか・・。
でも、感想を拾うと、今回初めて見たという人が多かった~ 蜷川さん最後の・・というのに引かれて・・なのか? だからあの美しさに感動する声も多かったですね。初演とか再演を観てる方は、ラストステージに感慨深いものがあるようだし。
そうそう、蜷川さん最後の演出作品なんて言ってる方々も見かけたけど、カフカ以降も何作も作ってますから、それはちょっと違う。ただ、蜷川さんの舞台は最後かもしれない。

4年前に観た再演と演出的には同じだったと思います。キャストの方々の演技も、懐かしく思えて・・そうそう、これ、この安定感と・・(笑)
だから、より、今回キャストが変わったところは、変わって見えました。動きも・・
寺島さんの佐伯さんは現実味が強く、少し生生しく感じ、岡本さんの大島さんは柔らかく、時おり髪を耳にかける仕草が女性的に感じられて。受付では座っているより立って演じる方が多く、アクリルケースに寄りかかったりも・・。コーヒーサーバーも復活してた(笑) 
木南さんのさくらさんは自然な感じ。
寺島さんも、岡田さんも、木南さんも上手いので、後は演じ方の好みかな~。それぞれのカフカの世界があって、それぞれ素敵。
私は、りえさんと直人さんの幻想的な美しさが好き。神秘的な佐伯さん。優しく硬質な感じのする大島さんが・・。

皆さんお変わりなく・・ナカタさんは木場さん以外考えられない(笑) ジョニー・ウォーカーさんとの場面でのナカタさんは、ほんと、スッと目の色が変わるようにも思えて、木場さんのすごさを感じます。 星野くんの台詞のトーンが好き!
ニイノくんは顔つきが大人になってきていて、上手くなってたけど(ロンドンで勉強しているとか)、初々しさが変わらないのがすごい。もう28歳なのね。
カラスは、よりカフカに寄り添う感じで、存在感も増した感じに思えました。
カラスはカフカの分身だけど、カフカが大島さんといる時には現れない(たぶん) そして一度だけ裸足で現れるけど、それはカフカがいなくてカラスだけがいる場面。
これは再演から変わらない。カラスとカフカの関係からくるものでしょう。
 
すこし、ん?と思ったのは、オープニングのケースが一斉に出てくる時、寺島さんはケースの中で泣きそうな顔をしていたこと。 りえさんの少女は、目は合うけど、表情はなくその目はどこを見ているのかわからず、この世のものではない感じが漂っていたので(その後は哀しい眼だったけれど)。その違いは何だろう?
最後の森のシーンで、一度青い衣装になっていたのも違うところ。

大島さんがカフカに佐伯さんの過去を話していた時に、ケースの少女が現れ、カフカはそれを目で追うけれど、大島さんも見ていた。
前は大島さんは見ていなかったから、ああ、あの少女はカフカにしか見えないんだと思っていたので。私の見間違い? カフカが何か見ていたから見ただけかもしれないけど、目で追ってるように見えたのが気になって。 あの少女は、カフカ、ナカタさん、カラスにしか見えていないと思うんだけど。

カテコでキャストに続いて、黒子の方々にも大きな拍手。そして、寺島さんが蜷川さんの写真を抱えて出てきてスタオベに。
前回に見たのはさい芸での千秋楽で、カテコは、りえさんが蜷川さんの車イスを押して出てきた姿を思い出してしまいました。

美しい舞台。あのセットを使った演出は、時間軸や異空間の転換が瞬時に納得できて、原作がスッと入ってくる感じ。それぞれの場面、世界が交わり合うことなくすれ違い動いていく。
人は様々な入れものの中で、自分とは何かを探しながら生きているのかもしれない。白い布に 風を感じ、雨がきれいで、血が印象的。残酷で美しく、哀しく難解。
シガーロスの音楽が沁みます。
映像化されていないのが残念だけど・・。

お花。入口入ってすぐに、ニナガワカンパニーから
 そして新潮社のお花があって、その隣に


つい何枚も(笑)


 


グッズもいろいろあったけれど、写真展示も。

その横に、ステージで使ったアクリルパネルを置いたフォトスペースも。
 
そう、この日、バクステツアーもあったんですよね。
バクステ付きのチケットが売り出されて、いいなと思ったけど、見たら、もうチケットを持っていた日で・・。
他にも数回あったけれど、行けない日だったし。残念・・あのセットとか美術とか間近で見たかったな~(しかも、安かった^^;)
23日 マチネ





 

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