surumu

関西の大学に通っています。

エアポート/目配せ/現実

2016-01-19 04:18:54 | 2015年11月札幌紀行
先にも述べたように今回の旅行の目的は頭をすっきりさせるということ。だから観光名所にも行ってないし(あまり行きたいと思う場所も特にないのもあるが)ただ札幌という街をぶらぶらして脳の整理をすることがミッションだった。
ジャパンカップを観て(馬券は外れる)、さっき紀伊国屋で買った村上春樹の新作を読んでいるといよいよ「現実」に帰る時間になった。多少以前よりすっきりした頭を抱えて快速エアポートに乗り込む。風邪も薬が効いたのか自然に治ったのか知らないがだいぶ楽になった。
とにかく今後に向けて踏ん切りがついたと思う。終わったことは終わったこと。もうそれはどうでもいい。この街と別れた時には僕は新しい人間になるんだと。
札幌駅に着き、おなじみの快速エアポートに乗りこむ。エアポートは行きのよりだいぶ豪華だった。座席の向きが反対だったので周りの人と目配せして進行方向の向きにする。久しぶりに人と心を通じあわせてほっとする。この人たちにもそれぞれ帰る「現実」があるんだよなと思いながら、窓に目をやる。空はもう暗かった。それぞれの「現実」を乗せた電車は氷に覆われた大地を真っ二つに切り裂いて永遠にどこまでも走っていくようだった。
<完>


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