surumu

関西の大学に通っています。

バター/開放感/孤独感

2015-12-18 04:33:42 | 2015年11月札幌紀行
駆け込むように入ったすすきのの一軒のラーメン屋は(当然のように)あったかい。
僕はカウンターに座りメニューを眺める。右端の辛そうなラーメンで目が止まる。サイドメニューにバターがついている。
「このラーメンにバターは合いますか?」と聞いてみた。悪くはないとかえってきた。僕は100円プラスしてバターを付けた。なんといってもここは札幌なのだ。
出てきたラーメンは想像したよりは幾分辛かったが美味しかった。

勘定をして店を出た。そして第一の悲劇が僕を襲う。外があまりにも寒いのだ。しかもさっきよりひどくなっているではあるまいか⁉︎これはちょっと耐えられるレベルではない。僕は小走りで地下鉄の駅を探すのだが、あまりに寒すぎて頭がうまく回らない。外は暴力的に寒く、そして周りには誰も知っている人はいない。これは表裏一体なんだ。つまり周りに知っている人は誰もいないということで得られる「開放感」は、コインを返せば何かがあっても誰も助けてくれる人はいませんよという絶望的「孤独感」のことなんだ。そして一人で旅行するということはーー好む好まないに関わらずーーそのコインの両側を知らされることになる。一人で生きていくことも同じようなことなのかもしれない。死にそうになりながらも南北線のすすきの駅は確かに存在してくれた。
南北線に乗り、大通で東西線に乗り換えホテルにつく。暴力的な寒さは解決したが、絶望的な「孤独感」はホテルに入ったあとも僕の中に留まり続けた。これからこのような気持ちをどのくらい感じることになるのだろうなんて思っていると眠くなってきた。とにかく今日は疲れた。その後泥のように僕は眠りに入った。

(1日目終わり)


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