シニア人生

第2の人生:ゆっくり あわてず 素直に 生きよう~!

創作童話「とこちゃんの秘密」

2014-03-03 09:49:39 | Weblog
とこちゃんと蜂(はち)のひみつ
  ほそや よういち
     
小学校二年のトコちゃんとみつお君は、なかよし友達です。
学校の帰り道には、トコちゃんのお気に入りの原っぱがありました。
二人は、その日もいっしょに帰りました。
もう春も終わろうとしている野原は、たんぽぽも黄色い花から、白い綿ぼうしにかわり、ほそい糸のようにつらなって、ふわりふわりと空にむかって、とんでいきます・・・。
そしてクローバーの葉についたまーるいぼんぼりは
たくさん顔を出して、まるで首をふりふりお話ししているようです。
もんしろちょうも,れんげの花のみつを吸いに、やってきました。
「みっちゃん、クローバーの、お花たくさんつんで
来てくれる~。」
 白いクローバの花は、丸い輪になると、まるでダイアモンドが、光ってかがやくように見えてきます。
「わたし、みっちゃんに王子様のかんむり作ってあげるわ~♪」


 「とこちゃん、来て 来て・・!」
みつおくんがおおきな声でトコちゃんをよんでいます。
トコちゃんは、不思議そうな顔をしながら、みつお君の所へかけよりました。
そこは流れのゆるやかになっている、小川のすみっこのほうでした。
「そこ、そこ見て・・・・。そこだよ~~~! 」    指の方向をたしかめるようにして見たトコちゃんは、いっぴきのはちが、小川のはしのほうで、おぼれるようにして、羽をパタパタさせているのをみつけました。
「かわいそう~~・助けてあげましょうね~~。」
トコちゃんは、まわりを見わたして、ようやく見つけた棒きれで小さな身体をながーく伸ばしながら、蜂を助けてあげたのでした。
すると、みつお君が「いいよ~。そんな事しなくても・・。」
 トコちゃん「かわいそうじゃない~・このままにしていたら、流されていって死んじゃうよ・・・」
 するとみつお君は
「蜂はさー!さすだろう・・。助けたら、羽をわかしてから、ぼくたちをおそってくるかもしれないよ!」
と、いってみつお君は、助けようとしませんでした。
しばらくしてから・・・。
「よかったわね~・」
 トコちゃんは、そう言って棒のはしから、そ~っと蜂を野原に戻してあげました。

蜂は喜んではいあがると「ブルルン」と羽を、2度3度ふるわせて草むらの方に、飛んでいきました。

それから数日後のことでした。

今日は楽しい学校の遠足です~~♪

お弁当も、お母さんが作ってくれた、おいしい卵焼きが入ったったお弁当です。

お日様も、みんなの元気な姿にうれしくなり
暖かい日差しを送って見守っています。
カッコウ鳥が「カッコウ♪ カッコウ♪」と鳴きながら、ようこそ森へとむかえてくれました。             
「ラン・ララララ~~ン♪」
みんなの足音が、リズムになって軽快に野原に、ひびきわたりました。
 
 と、その時でした!!

「蜂だあ!蜂が・・・!」 
 元気よく一番前を歩いていたみつお君が、顔を青くして頭をかかえてにげてきました。
「こわいよ~~!」
みつお君は、半分泣きべそをかきながら、地面にしゃがみこんでしまいした。
先生は「頭を低くしていなさい!」と言いました。 
みんなは先生の言うとおりしばらくじい~っとして動きませんでした。
 頭のうえでは、蜂の集団がブ~ン・ブ~ンと音を立ててまわっています!  
トコちゃんは、列のまんなかあたりにいました。
でも、みんなが少しずつうしろにさがってきたので、いつしか列の先頭になっていました。
蜂が近づいてきます。
トコちゃんもにげようとしました。
そして先頭の蜂を チラッとみました。
大きな目を見開いて、向かってこようとしました。

 「あ~~っ・・。もう駄目!」

 その時です。 先頭の蜂もトコちゃんをみました。
ほんの数秒間、わずかの時間でしたが、トコちゃんと蜂の目が合ったのです!

「アッ!あの蜂!見覚えある!」
  そして先頭の蜂も、見覚えのある女の子の顔をすぐ思い出しました。
あの時に助けてもらった、かわいい女の子だとすぐわかりました。

 おそってきた先頭の蜂は、集団のリーダーだったのです。

リーダーのかけ声で、蜂の攻撃は止まりました。
そして、トコちゃんたちの列から、蜂は一匹もいなくました。
 
「あれ~~?蜂がいなくなったよ・・。」
みんなが頭をあげたころは、また小鳥の鳴く静かな森に戻っていました。                        
みつお君も、まわりに蜂がいなくなったのを確かめると、ようやく立ち上がりました。

みんな不思議がりましたが、誰もけがをしなかったので、先生も大喜びです。
「ここは蜂の巣あるらしいから、静かに歩きながら少しまわり道して行こう」

先生と一緒に遠回りにはなりましたが、目的の場所に着いて、おいしい弁当を食べて、たくさん遊び、楽しい、楽しい遠足を終えて帰ってきました。


 その日の夜・・・。
トコちゃんは、いつも書いている日記帳に「蜂さん。あ、り、が、と、う」と、だけ書いて寝ました。
  
 夢の中では・・・・。
きっとトコちゃんと、あのリーダーの蜂が野原いっぱいにかけまわって遊んでいるのでしょうね♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

創作童話

2014-03-03 09:41:13 | Weblog

童話の会 合評会や 雪解けも

国立市の、皆さんも参加して熱く語りました


http://blogs.yahoo.co.jp/kuromamezzz/33330526.html








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする