デトロイトが『素直シュール』はまった。そこにニワトリの暗躍があったのは言うまでもないが、この研究まがいのきっかけになったのは間違いない。せっかくだから、最初に考えていくのは性格的特徴だ。
『素直シュール』とは、萌え要素のうちの性格的特徴である。性格的特徴とは、その人物の行動や言葉に表れるものである。その中でも一般的に萌え要素とされている特徴を挙げる。また、簡単に説明も加える。(いくつかについてはWikipediaから一部引用した。)
- 勝気・・・きかない、とも表現できる。気性の激しい様子。
- 弱気・・・気が弱い様子。
- ドジ・・・注意力が足りなかったり、技術が足りないことで失敗をしてしまう状態。
- ツンデレ・・・一般的に言われているのは、「人前ではツンツン(相手を拒絶したり、強気で対するなど冷たくする行動の傾向)しているが、二人きりになるとデレデレし、いちゃつく」という状態であるが、「恋人関係になる前はツンツン、恋人同士になるとデレデレ」であるとか、「表面的にはツンツン、内心はデレデレ」という状態を指す向きもある。ただ、個人の嗜好性によって意味合いがかなり変わってくることもしばしばあるため、大まかな定義だと思って良いだろう。詳しく書くと長くなるので省略。
- 天然ボケ・・・本人に自覚がほぼ無い状態で、常識を超えた知識を持っていたり、行動をしたりするような人間を指す。認知症などの病気や障害とは明確に区別され、性格といえるものの範囲で定義される。
- クール・・・冷静であったり落ち着いている様子。
- 素直クール・・・自分の気持ちや意見などを、冷静かつ率直に表現する様子。言葉や行動に飾り気が無いケースが多い。「ツンデレ」の対称として提唱された。
- 素直シュール・・・「素直クール」の派生。シュールなことをあからさまに言う様子。「米」がキー。
- サド・・・サディスト。サディズム(相手に身体的苦痛を与えることで性的快感を覚える性向)を持つ者。
- マゾ・・・マゾヒスト。マゾヒズム(肉体的、精神的苦痛や、羞恥心、屈辱感などに性的な快感を覚える性向)を持つ者。
- 呑気・・・のんびりとした性格。
これらはあくまでも主だったものであり、細かく見ていくと分類できないほどであるのは言うまでもないだろう。また、『ツンデレ』や『素直シュール』などについては、知らなかった人もいるだろう。これらの性格は、いわゆるギャルゲーと呼ばれる美少女モノの恋愛シミュレーションの登場とともに定番化され、数年前からインターネットの掲示板上で体系化されたものだ。特に『ツンデレ』に至っては、昨年からインターネット上で盛んに露出し始め、一般に深く浸透するのも時間の問題と言えるが、詳しく書くと非常に長くなるので省略する。
さて、萌えの性格的要素は以上のような感じだが、ただ挙げていっただけでは意味が無い。これらが萌え要素として挙げられるのは何故か。それを考えていこう。
先に言ったとおり、性格と言うのはその人の行動に出るものである。その人の行動から受けた印象を観測者がピックアップしてまとめたものが性格だ。そして人間は多面性を持っており、観測者によっては性格に対する見解が違ってくるものだ。したがって一概にこうだとは言えないが、上記の性格は「かわいらしい」と受け取られることが多いように思う。もちろん、信じられないようなグロテスクさを伴っていたり、圧倒的なワザとらしさがあれば話にならないが。
逆に「萌え要素」に絶対に当てはまらないものを考えてみる。「くそ真面目」「ものすごい変人」「とてもいい加減」「理解できないほどの天才」とか。何でも良いが、いずれにせよ度を越せば「萌え要素」にはならないということだ。つまりなんであれ適度であれば「萌え要素」に成り得るのである。
しかし、『ツンデレ』などはかなり特殊である。これまで一般的な性格として認知されていない。「萌え」なる概念が出来てから急速に表れたものである。このようなものは『特殊萌え要素』として別格の扱いをしようと思う。定義は「萌えの概念が成立した後に萌え要素として提唱された新しい特徴」にでもなるだろうか。対する『一般萌え要素』はこれまで言われていた特徴で「萌え要素」として挙げられるものだ。この特殊萌え要素こそ「萌え」のなんたるかを探るキーと成り得るのではないか。
まとめ。性格における萌え要素はどれも一般に「かわいらしい」。そしてあらゆる性格において適度であれば「萌え要素」、ひいては「かわいらしい」に成り得る。ツンデレは特殊萌え要素として定義されるべきで、ちょっと性質が違うのではないか。とにかくこれらが萌え要素として挙げられるのは、「かわいらしい」と感じられやすい主だったものであるから、というところだろうか。
先ほど『ツンデレ』などの詳しくは省略すると書いたが、そうもいかないらしい。が、長くなってきたので今日はここまで。次回は性格的要素ではなく、別な面から見ていこうと思う。
最後に、便宜上先のように萌え要素を定義しているが、これらの言葉を差別的だと思う人もいるかもしれない。しかし筆者にそのような意図は全く無い。人間は多様性を持っており、それを体系化し、明文化することは時に危険性を伴う。一歩間違えばその人間のくくり方で人格の尊厳を傷つける恐れがあることは重々承知の上である。しかしまた、言葉狩りをする気もまったく無い。無論、「君ってツンデレだよね。」とか言われることに抵抗感や嫌悪感を抱く人もいるだろうが、重ねて筆者にそのような意図は無いと言っておく。誰だって嫌だよね。「お前は何とかだ。」ってむやみに分類されるのは。
お前は鶏だ。
鶏さんの分類するちょっと違う性格ってさ、現実にないような気がする。
萌えが生まれてから作られた…って感じ。