日本のサッカー界も移籍市場動向がほぼ決着しつつあります。
というのも、日本のプロ契約は大半が天皇杯決勝がある1月1日のことを考えてか1月末までとしていることが多く、一方で欧州も途中移籍の最終締切りが1月31日となっているからです。
昨年はその1月31日に長友佑都がインテルに電撃移籍して話題になったのも、記憶に新しい出来事です。
今年も日本人の欧州移籍が少なからず話題になりました。
日本代表クラスで言うと、まず甲府のハーフナー・マイクが監督との不和から海外に新天地を求めオランダのフィテッセへ。そして1年前のアジアカップ決勝で劇的なボレーを決めた広島の李忠成もイングランドのサウサンプトンへと、得点王争いでも上位だった2人がまず海外への移籍を決めました。
そして、ザッケローニで体制で最も信頼を得ている磐田のFW前田遼一はウェストハムの練習に参加するなど移籍濃厚かと思われましたが、労働ビザや条件面から合意に至らなかった模様です。同じく、磐田の駒野もベルギーのシントトルイデン移籍が濃厚と伝えられていましたが、やはり条件面で合意に至らなかった模様で残留となりました。
一方で、ブンデスリーガに所属していたケルンの槙野は、広島から浦和の監督へと転進したペトロヴィッチに請われて浦和へ、イングランド2部のレスター所属の阿部勇樹は今朝のニュースで浦和へ3年契約で復帰することが報じられています。
残留争いをする屈辱を味わった浦和が代表クラス2名の補強に成功し、代表クラスを手放す危険にさらされていた磐田は残留といういい結果になった、ということになります。
では、いくつかのチームの移籍動向を見てみることとしましょう。
なお、本情報は「サッカーダイジェスト」1月31日号の記載内容を素にしています。
まずは昨年J2→J1の連続優勝を成し遂げた柏レイソル。ACLが入り過密日程となるわけで、補強に注目が集まります。
躍進したチームからは引抜きが多いのがこの世界の常ですが、連覇やACLのモチベーションと代表選手が少ないことも功を奏し、主力は残留となっています。一方で、補強は磐田から守備のユーティリティプレーヤーのMF那須を獲得。また、J2から横浜FCの藤田、北九州の福井、栃木の渡部といずれも24~5歳のレギューラークラスのDFを補強。そしてやや層が薄いFWに、やはりJ2栃木で最多出場時間と12得点を記録したリカルド・ロボを獲得。新人はユースからの昇格1名のみと、派手さはないものの1年を通して活躍してくれそうな現実的な補強を行っています。
昨年優勝しただけでなく、最も1位に長く居続けたチームですから、ベースを崩さずやっていくという意思の現れですね。今年は柏包囲網が厳しいでしょうが、選手のレベルアップはもちろん、監督の采配も面白いチームなので期待したいと思います。
その柏とゼロックスチャンピオンズカップを争う天皇杯王者でJ2王者のFC東京は、日本代表DF今野がG大阪へ移籍することが決定しました。その補強は磐田のDF加賀、明大卒のルーキー丸山、韓国からチャン・ヒョンスという面々になり、徳永や森重は残るものの、ややスケールダウンは否めません。一方で中盤に長谷川アーリアジャスール、FW渡辺千真という即戦力級の補強に成功。
中盤は昨年のレギュラークラス梶山・羽生・谷澤・石川らがおり、FWは復帰したベテランのルーカスに怪我から復帰してくる平山と、一応駒は揃うように見えます。しかし、ACLを戦うには層の薄さが気になる陣容ではあります。
どっちつかずで厳しい内容になる可能性がありますね。
一昨年優勝で昨年2位の名古屋もレギュラークラスは完全な形で残留となり、DFのバックアッパーの千代反田が磐田に移籍したぐらい。闘莉王のブラジル移籍の噂の結論はわかりませんが、そのカバーや怪我がちなのも意識してか、甲府から外国人DFのダニエルを補強。湘南からFW巻を復帰させ、ユースから2名昇格を含む高卒年齢の新人3名と、現有戦力で戦いながら若手も伸ばす方針のようです。
一昨年2位、昨年3位と一歩後退のG大阪は、先に書いたDF今野の補強を始めとして、C大阪で10得点をマークしたMF倉田、同じく10得点した甲府のFWパウリーニョを補強しました。
一方で、今野と入れ替わりにDF山口が古巣の千葉へ復帰、下平が大宮へ、MFでは出番の減った元日本代表MF橋本を神戸に放出、FWでは平井将生が外国人押し出されるようにレンタルで新潟へ、得点減のイ・グノが韓国復帰と出入りの激しい内容になっています。
今野を獲得してスケールアップしたDF陣に、中盤は30代の遠藤・二川・明神に倉田を入れてやや若返り、FWは相変わらず外国人頼りという陣容になりそうです。
なお、ルーキーはユースから3名、大卒1名。
戦力的には昨年並を保って一定以上はキープしています。
しかし、中盤は現実的な活躍が見込めるものの、代表と二足のらじを履く遠藤を始めとした高齢化、一向に日本人大黒柱が育たないFW、藤ヶ谷以外もぱっとしないGKなど、不安要素が見え隠れしています。
昨年4位で大躍進を遂げたベガルタ仙台はそれほど大きな補強はありません。
C大阪からDF上本大海、甲府からベテランDF内山を補強した他は、中国からブラジル人FWウィルソンを獲得したくらいで、あとはユース・大卒・高卒を地元東北から1名ずつ補強という内容です。
一方で放出されたのは上本と入れ替わりになる韓国代表DFチョ・ビョングク、MFでは19試合に出場した高橋、FWは20試合出場で1得点の中島あたりが主だったところで、マルキーニョスの帰国後に赤嶺の奮闘で踏ん張ったFWを補強できたのが大きいと見ます。
ただし、震災復興という精神的な後押しがあった一方で、練習場の確保などストレスがかかっていたのも事実。どこまでチーム力を維持できるか、春先の強化の手腕にも注目です。
5位の横浜FMは、先に書いたとおりMF長谷川アーリアジャスールとFW渡辺千真の若手成長株2人がFC東京に移籍しました。
しかし、補強はオリンピック代表でもあるDF比嘉祐介が加入し、さすらいのブラジル人FWマルキーニョスが復帰。計算できる戦力ですので放出分と比較しても若干の上積みは期待できそうです。気になるのはマルキーニョスの年齢くらいですね。
ルーキーは比嘉の他にはユースから2名。昨年も2種登録していたようで、今後に期待です。
昨年6位でナビスコカップ優勝、一昨年は4位で天皇杯優勝と、リーグではやや伸び悩みながらカップ戦は結果を出している鹿島は、ルーキーと現実的な即戦力という点でいい補強をしているように見えます。
まずはルーキーでは流通経済大で五輪代表のレギュラーボランチの山村。32歳の中田、29歳の青木の後継者として期待されます。FWには川崎からジュニーニョを獲得。既に34歳ですが実績は十分で、神戸に移籍した田代の穴埋めとなります。FWにはさらに福岡から30試合出場の岡本なども獲得。
曽ヶ端頼りのGKが仙台から出場なしの22歳川俣を獲得しただけなのが気がかりですが、ユースからはFW・MF・DF1名ずつ昇格させ、バランスの良い補強を行っています。
気がかりと言えばもう1点、神戸に移籍した攻撃的MF野沢の後釜です。DFアレックス、MFフェリペガブリエル、FWジュニーニョとレギュラークラスの3名の外国人がいますが、新監督ジョルジーニョがブラジルから1人連れてくるのではという噂のようです。
疲れてきたので、7位以下はポイントだけで・・・。
7位の広島は欧州移籍の李の補強がいまひとつですかね・・・。外国人の補強があるのでしょうか。
8位の磐田は先に書いたとおり、前田・駒野が残留しました。しかし、ボランチの那須、DF加賀、FWジウシーニョが抜け、一方で補強も移籍を中心に積極的に行っています。昨年の大卒ルーキートリオが成長してかみ合えば、上位進出がありそうです。
9位の神戸は昨年最高位をマークした陣容に、鹿島から実績の有る野沢と田代を補強。中盤のホジェリーニョとボッティ、FWポポの3外国人の抜けた穴を新外国人で埋めると考えると、外国人次第ですが戦力はプラスになりそうです。
10位の清水は、筑波大から八反田、山梨学院高から白崎と、大学・高校でそれぞれNo.1MFの呼び声高い選手を獲得し、FWとDFにはユースから昇格。戦力ダウンはDFボスナーの韓国への移籍くらいで、大分から獲得したカン・ソンホがアジア枠と考えると、外国人の補強もありそうで上積みが見込めます。
11位の川崎は新人・国内移籍・外国人をバランスよく各ポジションに2名ずつ補強。レギュラークラスではDF菊池が大宮へ、FWジュニーニョが鹿島へ移籍しましたが、ブラジルからDFジェシ、MFもFWもできるレナトを獲得。この移籍市場では大物クラスと見られており、こちらも戦力アップが望めます。
昨年ACLとの過密日程でリーグは息切れしてしまった12位のC大阪ですが、DF上本が仙台に移籍した穴を札幌の山下、MFは退団したマルチネスとG大阪に移籍した倉田の穴を、富山からレンタルで船津、徳島からレンタルバックで柿谷で埋めるなど、少しずつスケールダウンした印象です。しかし、最大のポイントはFWで、ブラジル全国選手権13得点の看板を引っさげたケンペスを獲得しています。守備が破綻しなければ上位の可能性はあるでしょうか。
13位以下とJ2上位組も見たいですが、ちょっと疲れました。
残りは後日にして、一通り揃ったら順位予想もしてみたいと思います。
やらないかもしれませんが・・・。
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