もふもふチャンネル/信州からの風ooブログはじめました!

信州の素晴らしい景色や、日本の謎スポットや謎現象、謎事件をお送りします。時事問題も少し。

もふペディア、北硫黄島行方不明事件

2023-06-13 21:08:19 | 日記
久しぶりにネットのWikipediaから気になった情報を拾うもふペディアシリーズです。
今回は、国内の無人島での怪事件です。

小笠原諸島北硫黄島行方不明事件。
東京の1000キロ南、小笠原諸島の戦前は100人住民が居て第二次世界大戦を機に無人島になった北硫黄島。
その石野集落裏手にある先史時代の遺跡は戦争を挟むなどの理由で昭和の後期まで、詳しく調査は行われませんでしたが、大陸からは遠く離れたこの島で、貴重な磨製石器や土器が発見されるなど、先史時代の日本の人類史の常識を覆すような痕跡が多数ある事から、平成になって本格的に調査が始まった。
平成5年7月、調査隊のうち2人がお昼休みに謎の行方不明になり、水死体で発見されました。
この事件をきっかけに調査は中止になり、現在まで北硫黄島は調査されていません。
日本の考古学界のどこかの勢力への忖度と、闇を何故か感じてしまう事件です。


もふ小説シリーズ、西陽の帰り道完全リメイク版、最終章

2023-05-29 17:49:54 | 日記
ふとした事から知り合った横浜の高校生、シゲとヒロミ、バンドを一緒にやり始めて半年以上経ち、3年生の高校生活最後の夏休みに入った。
ウザかった高校生活だけどあともう少しだな悔い残さないように遊ぼうぜ
そうだね、まさか友達と遊ぶなんて想像もしなかったみ!

夏休み中は校内カギがかかるが、警備員がいる訳じゃない、話が通る先生が当番の日なら、部活動とかじゃなくても忍び込めた。
一学期最後の日に、軽音部部室に1番近い非常階段の扉を外から開けられるように針金で細工をしておいた。

夏休みに入りしばらくして、シゲとヒロミは、話の分かる室内楽部メリーゴーランドの顧問の当番の日に、軽音部部室に忍び込めた。

上手く入れたな!アンプもシンセも使い放題だな!
シゲ!アイスとコーラも買って来たよ!

夏休み中数日忍び込み、演奏の練習と作詞作曲を10曲ほどやった。

シゲは、窓から夕焼けを眺めた。
俺さ、この白山高校のこの横浜なのに山やら森が見える景色すげぇ好きだった。初めは学校なんて嫌いだったのによ。
ヒロミも隣に寄って来た。
私も高卒って肩書きが欲しいだけで好きでもなんでもない学校だったけど、この眺め好きになったみ。

ヒロミ初めて会った時窓の外ただずっと見てたよな。一日中。
それしか登校しても思いつかなかった。私何してるんだろう?ってさ。
俺もさ、よく分からない学校生活送っていてさ、でもヒロミと知り合って良かった、変われた。

ところでなんで私直子なのに、ヒロミか教えるみ。なんか話したい気持ちになった。

俺になんか話していいのか?深い事情だろ?
逆にシゲにしか話したくないみ。

私は1歳の時に本当のお母さんと離れて今の親に引き取られたの。お父さんは本当のお父さん。お母さんは血の繋がり無くて嫌われてる。
本当のお母さんは、お父さんの会社の人でお父さんと不倫だった。産まれたのが私。本当のお母さんが付けた名前が裕美。
直子って言うのは今のお母さんが裕美は嫌だからって後から付けた名前。ヒロミって誰にも実際には呼ばれてないの。
今のお母さんはお父さんやお母さんを責めない代わりに私に憎しみをぶつけて、私のご飯作らないとか学費もお小遣いも出さないとかされるの、、、

ヒロミ、、、お前、、、

ヒロミの目から涙が流れた

誰もお前をヒロミって呼ばなくても俺が呼んでやるよ!もうこれ以上苦しむなよ!

シゲ、、、シゲ、好き、、、

シゲは、ヒロミに唇を重ねた。

俺だってヒロミがすげぇ好きだ!

夏休みも終わりに近づき、シゲ達のバンドは横浜市内の高校を廻るハイスクールツアーに入った。

ライブを体育館でやらせてくれる学校を探して交渉するのは、女子メンバーのヒロミと由美だった。
不良っぽいシゲが行くより相手から信用された。

念願のフェリス女学院は厳しく出来なかったが、鎌倉女子や隼人高校、横須賀緑ヶ丘などの私立高校も交渉成功した。
1番難関は自分の白山高校でのライブだった。シゲやヒロミのイメージが良くなく、公式な部活動でもない為に難航して、実現したのは卒業4ヶ月前のクリスマスだった。ライブハウスは敷居の高い学生バンドには、学校か野外のライブが全てだった。

やったな!白山でライブ出来るな!
新曲を変わった環境で作りてえなあ、、、

変わった環境?、、、

次の週末の朝、シゲは愛車ゼファー400を暖気していた。
そこへヒロミも愛車CB125で現れた。

シゲ!1人でどこ行こうとしてるみ?

ヒロミ!よく分かったな!
長野の軽井沢でも行って曲作ろうと思ってさ。

バンドパートナーをまさか置いて行かないよね!

一人旅のつもりだったけどまあいいか、、、
2人は、山梨から清里経由で、11月の冷たい風を切った。
まだ、雪は無いが、初冬の風が吹く旧軽井沢の見晴らし台に着いた。群馬県側の山の景色が雄大だった。
ヒロミが冷たい風で前髪が乱れてしまってさかんに気にして手で直している。
そんな風景を眺めながら、シゲは、メロディが浮かび口ずさんだ。
口ずさんでいるシゲにヒロミが寄りかかった。
軽井沢、、来ちゃったね、、2人で、、、
そうだな、、急に連れてきて、わりぃ、、

旧軽井沢は、旧中山道沿いの土産物や小さな店が集まる観光地。夏はごった返すが、この時期はキャンドルが灯る軽井沢教会以外は人も少ない。
旧軽井沢通りをゆっくり歩き、シゲがツーリングで使うペンションに向かった。

ヒロミ俺と泊まりなんてやばいだろ。部屋別に取ってやるよ。
1人で帰るの嫌だから、ワクワクするみ。

この時期なので2部屋確保は出来た。ただそれでも女の子連れて2人で軽井沢来ちまった事実は同じ。

夕食後、ギターを1人で弾きながら新曲を考えていた。
シゲー!お風呂広くて気持ち良かったみ!
ヒロミがパジャマ姿で部屋に入って来た。
なんだ!ヒロミの部屋は向こうだぞ!
1人寂しいもん!せっかくの軽井沢み!

ベッドに座っているシゲの横にヒロミも座った。
シゲ、、私親からも誰からも愛された事ないから、シゲに愛されたいみ、、、
そんな色っぺー事2人切りで言われると俺少し酒も入ってるし抑えられなくなるぞ?
何にも抑えなくていいよ、、、シゲみたいにベテランじゃないから優しくお願いしたいみ、、、

俺が遊んでる奴だと思ってるのかよ?俺だって、、、初心、、。
ヒロミ、、、!シゲ、、、!

長い夜が明けて、気が付くと2人同じベッドで寝ていた。
ヒロミ、、、!そうだ昨夜俺達ついに、、、
女の子軽井沢まで連れてきて、俺やべぇ奴だな。
高校のうちに体験しちまった。

シゲは、9曲新曲を作り、ヒロミも初めて作詞作曲を1曲して作った。
軽井沢教会のキャンドルを友達のラインを超えた2人は、寄りかかって眺めた。

横浜へ帰り3年生の12月23日、白山高校体育館で初めて自分の学校でライブをした。軽井沢で作った新曲を中心に演奏した。メンバーみんな上手くなった。
終わったあと拍手が続き、俺のこの子を自力でイジメから抜け出させるという目標の達成を実感した。
単なる不良といじめられっ子が、みんなの気持ちをほんの少し力も暴力も権力も使わずに動かした。そんな瞬間だったが、卒業まで3ヶ月が迫った。

父親の事業の失敗で貧困家庭のシゲの家。家を売却一家離散が近づいていた。
ヒロミも新しい勇気を持ち親からの独立を考え初めた。

ヒロミ、卒業後の事なんだけどさ。一緒にまだまだやって行かねえか?嫌じゃなかったらさ。
シゲ、同じ事考えてたよ!偶然だね!偶然じゃないか!この2人だもん!

卒業式の前に見て回らねーか?

えーと、横須賀、横浜、2人で新しい事したい町の候補たくさんあるね!
あんまり不便な場所だとヒロミ嫌だろ?
シゲと一緒が大事だから、便利かどうかは関係ないよ!

という訳で、ひょんなことから、可愛い大切なパートナーが出来ちまった物語は、これで終わり。
何独り言言ってるみ?ご飯出来たよ!

おう!
ねえ、裕美を正式に本名にしたいから、戸籍変えたいから大切なお願いがあるみ。
おう!なんだ?
シゲから言われたいみ。

~完~




#もふ小説シリーズ、西陽の帰り道完全リメイク版、続編

2023-05-15 19:19:26 | 日記
前編の続きです。
お互いに幸せとは言えない生い立ちを持って同じ街の中出会う事無かった横浜の端っこ生まれの子供同士、シゲこと茂之とヒロミこと直子、同じく通う白山高校の中のひょんなことから知り合ってバンド活動をやることになり、友人などいないお互いが、高三にして初めての友人となり、ろくに食べていないことからも、意気投合した。

京浜急行能見台駅近く小さな居酒屋鳥ぎん、今で言う子供食堂の様な事をしている店で、貧困の子供が200円で食事をしていた。

こんなお店紹介してくれてありがとう、シゲ!
食わないと死んじまうからな、時々連れて来てやるよ!
ここ、私のバイト先のすぐ近くだわ
どこでバイトしてんだよ
駅前の居酒屋黒木屋だよ
高校生の女が居酒屋でバイトかよ?お前も苦労してんな!
中3の時からやってるから慣れてるみ

絶対オヤジ達に色々ジロジロ見られてるから、もっとまともなバイトに変えろよ!
そんな都合よくいかないよ

俺さ毎年バイト変えてるんだけど今コンビニやっていてさ、昨年はパン屋のレジやってたんだよ
まだ埋まってなければ話つけてやるから変えろよ!俺ん家の近くだからヒロミん家からは少し遠いけどチャリなら行けるだろ?

なんでシゲは私をそんなに助けようとするの?
仲間だし親友だからに決まってるだろ!

あと、明日から一緒にチャリ通学な!電車代も浮くだろ?
それと弁当作って貰えなくても一緒に昼メシ食おうな!

ヒロミの大きな目から涙が流れた

なに泣いてるんだよ!あんな女どもに囲まれても泣かないくらい強いんだから、ヒロミはもう泣くな!

シゲは帰宅して自宅から見える根岸湾を見ながらアコギを鳴らしてなんとなくメロディを口ずさんでいた。
世の中では、ALFEEの高見沢が作った小泉今日子の木枯らしに抱かれてが大ヒットしていた。
女言葉の歌詞か、、、書いてみるか、、、

数日後、ルーズリーフに書いた歌詞とコード進行を、昼休みの中庭でヒロミに見せた。
同級生、、、へえー、シゲが書いたんだ?めっちゃ女の子っぽい曲だね?
木枯らしに抱かれてみたいなの書こうとしたんだけど、俺が書くと子供っぽい感じになっちゃった。短編小説書くの好きで、はじめは、西陽の帰り道って題名で歌詞書いたんだけどさ、ヒロミが歌ってくれるって考えたら、同級生って違うキーワードが浮かんできて、こういう曲になった。

ベースのリズム難しそうだけど弾きながら歌えるように頑張ってみるね。
ボーカルとギターとベースだけのテイクでデモテープ出来たらそれ持ってドラムとキーボードやってくれる奴探すよ。

いるかなあ?

俺達さ、部活やってねえから、全部の生徒の中、他の高校の奴でもいいさ、似たような奴世の中居るだろ?

ある日の夕方、視聴覚室を通るとピアノでビートルズのレットイットビーを弾く音をシゲは聴いた。中に入ると室内楽部メリーゴーランドが部活動の最中だった。白山メリーゴーランドは、1年2年の女子しかいない少人数の部活。
ほとんどが弦楽器でクラッシックやヒーリング音楽をやっている。今ピアノ弾いていたのは、1人だけピアノメンバーの2年生由美。

ごめん遮っちゃって、聴いてるからもっとビートルズ弾いてみてくれねえかな?

すげぇポールのクセまでコピー出来てるじゃん、

あの?3年生の方ですか?そんな事までわかるんですね?
弾きながら話聞いてくれ、部活やりながらで構わねえから、俺のバンドでピアノ弾いて欲しい、他にベース弾きながら歌える女の子のメンバーが居る。ドラムは探し中。

いいですよ。このメリーゴーランドは、実はサザンオールスターズのコピーバンドもやっていて、ロックやポップスも多少は弾けます。オルガンでハードなやつも、、、。
由美はオルガンでディープパープルのハイウェイスターも弾いてみせてくれた。

3人目のバンドメンバー、2年生の由美が加入した

ゴールデンウィークが過ぎ、5月の林間学校が来た。横浜の公立の学校がよく使う、三浦半島相模湾の和田長浜の林間学校。
1泊2日で来ていた。

早く目が覚めちまった。
海岸綺麗だろうから朝メシまで行ってくるか。

おお!海水浴シーズンじゃないから、水も砂浜も綺麗だな!

夜明け後の早朝なのに、波打ち際に女の子が居た。
あれ?こんな早くに?ヒロミか?

おい!
わぁ!びっくりした!心臓止まると思ったよ!

考える事似てるな、俺達は
ヒロミはスカートを裾を縛ると、水をシゲに掛けた。何すんだ!まて!

サンダルを両手に持ってヒロミは波打ち際を裸足で逃げた。
いたずら娘め!捕まえてやる!

捕まんないよーだ!

少し大きめの波にヒロミは足を取られ、砂浜に転んだ。

シゲは倒れたヒロミの腕を掴んだ。
ほら!捕まえたぜ!

、、、、
ヒロミはシゲの顔をじっと見た。
シゲは急に照れくさくなった。
やべこの雰囲気?俺何してんだ?

以上で続編になります。ありがとうございました。
次回最終章。

〜続く〜

もふ小説シリーズ、西陽の帰り道完全リメイク版

2023-02-27 23:48:05 | 日記
ここは、横浜の一番南、横須賀市の少し手前の地域。横浜と言っても、里山や畑が多い、ずっと東京湾側には、砂浜もある。
この学区では、下から3番目くらいのレベルの、創立3年目の県立高校。白山(しらやま)高校。
こんなクラスの高校だから、真面目に大学進学目指す人も少ないそもそも団塊世代の子供の俺たちは、子供の人数が多くて、私立の最低ランクの大学でも、倍率10倍で難関だったり、短大目指す女の子も落ちて浪人なんかする時代。
だから、ほとんどの生徒は、高卒という肩書きが欲しいだけ、それが普通の環境。
それでもリタイアする不良生徒も年に数人は居る。
一番多いのは専門学校進学か、就職、または卒業後フリーター。

時は1986年。
俺は、この白山高校2年の茂之。ギター担いで髪茶色くして、勝手に不良生徒だと思われて、誰も近寄らなかった。
うちは、親父の会社が潰れて収入が無い。
だから誰が何と言おうとバイトしないとメシ食えないどころか、学校なんか来れない。

中学生の時にビートルズが好きになってギター手に入れた。
そんなに器用じゃなくて、難しい曲だと、弾けるようになるのに2年とか掛かった。
コードの理論覚えて、元々小説も好きだったりして、自作で作詞作曲していた。
思春期だから、女の子にも一応興味あったけど、とにかく恥ずかしいという気持ちが強かった。親父は女好きなのに、息子には女に男ならうつつをぬかすなみたいな事をずっと言われた。それと同時に、こいつと決めたら絶対守れよとも教えられた。
そんな事はどうでも良く、周りには俺はお嬢様学校のフェリスの女にしか興味ねえ!とか、突っ張っていた。

ある時、女子4人に取り囲まれて、理不尽な事を一方的に言われている女子が1人いた。
中学生の時からいじめの現場は見慣れていて、関係ねえやって聞き流していた。
でも聞いてると、言ってる内容がもうこの子にも関係ねえじゃん。
言われてる子も反論全然しない。

なんでこんな事言うのか?って事と、言われて反論しない事が不思議で興味湧いて助けようと気持ちは無いけど、聞いてみようと何故か思った。

このいじめられてる子、えっと、名前なんだっけ?普段視野に入ってないからか思い出せない。
小さくて、中学生みたいな子。

名前分かんねえけどとりあえず聞くか!
おい!お前!脈絡無い事言われてるぞ!いいのかよ!

泣きそうにもなってなくて、死んだ人間みたいな顔してる。
お前聞かないなら、この女どもに俺が理由聞くから一緒に聞いてろ!どうせ大した事言わねーから。聞いて、どうするかはお前が自分で判断しろ。

教室の壁際に4人集めて。
どうして、こんな事言うんだよ!

こんな子どうなってもいいじゃん
この子がどうなっても先生もどうせ興味持たないよ
あんたも不良のくせに真面目振らないでよ
こんな子が好みなの?趣味悪いね!

聞いただろ?理由なんかねーんだよ!
死んだような顔してねーで、自分も考えろよ!

かわいそう、、、
え?
そんな言葉しか選べない子なんて、かわいそうだよ、、、
そっかー、世界一変わった奴だな、お前は、ところでお前名前って聞いていいか?

いじめ女子が言った。
なんだ、あんた名前分からないで庇ったのかい?
同じクラスで、直子って言うんだよ。なおちゃんとかって呼ばれてるだろ?

俺学校来ても誰とも話さねえから、分からなかった。

1週間後、そういえば、直子は窓際の席で、1日外を見て流行ってるウォークマンで、何か音楽を聴いていた。

なんか助けてから、俺の視界に入るようになっちまった。
俺も登校してもずっとウォークマン聴いているから、同じ人種だな。

よっ!いつも、何聴いてるんだよ?
こちらを振り向いて、尾崎、街路樹、、、
それだけ答えた。
こちらの顔じっと見て、まだもう少し何か言いたそうな感じだったけど、その一言だけだった。

お前さ、もし暇なら、俺部員じゃねーけど、軽音部で毎放課後ギター弾いてるから聴きに来いよ。

数日後、茂之は、軽音部でホテルカリフォルニアを弾いていた。
ギターソロの途中、視線と気配を感じた。
ふと見ると、ギターアンプに座って直子が見ていた。

ふーん、単なる不良かと思ったら、ギター上手くてこんな哀愁のある曲弾くんだね?
こないだはありがとうね。

別に助けてねえよ。気になって聞いてみただけで、お前がそれ聞いて自力でなんとか出来たらそれが一番いいからさ。

俺、学校でお友達作りましょうなんて柄じゃねーけどさ、俺のギター褒めてくれる奴とは、色々話してみてーから、もし音楽友達になってくれるなら、明日から15時に毎日居るから来いよ。ホームルームサボる事になるけどな。

次の日から、2人は毎日ギター弾いては、音楽話をするのが、日課になった。

ところでさ。もし興味あるなら、俺曲作るから、一緒に音楽グループやってみようぜ!女言葉で作るから、何かギターとか弾きながら歌ってくれ。

私がボーカル?何で?

いじめられてた奴が、みんなが気持ちが動く歌歌って、みんなが幸せな気分になったら、それはもういじめられっ子じゃないだろ?力を一切使わずにあんな女子にも勝った事になるんだよ。

ギターか、ベースやってくれ。どっちが出来そうだ?

家にガットギターあって基礎は知ってるから、どっちも頑張れば出来ると思うよ。

ジャンケンして、お前が勝ったらギターな!負けたらベースにしよう!

最初は👊!ジャンケン!

私負けた!ベースだ!買わなきゃ!

週末、伊勢佐木町ハマ楽器。

えっと、ベース、ベース、、、

どうしたの?ベースかい?
手小さそうだね?少し音圧は下がるけどショートゲージがいいんじゃないかな?

フェンダー5万高い、、、

フェンダー大きくて重いよ。入門モデルでショートゲージなら、アリアプロ2なんか値段手頃でどうかな?

2万、、、またすごい安いわ、、、

安いから不安かい?弾いてみせるよ。

店長さんのベースの演奏はプロ並みで、素晴らしい音がした。

直子は、この赤いベースと、フェルナンデスのベースアンプを買った。

次の日、中庭、昼休み。

おー!それ買ったのか!赤くてかっこいいな!
ちょっと俺にも弾かせてくれ。

すごーい。ベースも弾けるんだね!

ところで、お前弁当食わないの?

私、お弁当作って貰ってないんだよ。いつも購買でパン買ってるよ。
家でもご飯食べないし。

何でだよ?俺んちみたいに貧乏か?

ううん、、、お母さんに嫌われているから、、、

いじめでも泣かない直子の目に涙が浮かんだ

茂之は、直子の本当の気持ちを見た気がした。

そっかー、色々あるよな、、嫌な事話させてありがとうな。いいメシ食える場所紹介するから、今日行かねーか?

金沢文庫じゃなくて能見台だから、1時間歩くけどいいか?

全然OKだよ。私んち、そっちの方。

学校の正門を出て、普通の生徒の通学路とは逆に行くと、江戸時代の旧街道、金沢道が通る緑地を短いトンネルでくぐった。

その先はニュータウンになる予定の、まだ家が無い広い丘を西陽の中進む。

丘の頂上が、スーパーマーケットと大きな公園。
ここから、能見台駅に向かって下り坂になる。

そうだ、お前も電車通学辞めてチャリで通えよ!
あんな満員電車乗ってると、痴漢されるぞ。

心配してるの?そうしようかな、本当に。
あ、そうそう、私呼ぶ時さ、お前じゃなくて、裕美って呼んでよ、呼び捨てでいいよ。

何でヒロミなんだよ。直子と全然違うじゃねーか。

それはね。もっと私に優しくしてくれて、話そうかなって気持ちになったら、話すみ。

まあ、人それぞれ色々あるからな、俺の事も、シゲって呼び捨てで呼べよ、ヒロミ。

能見台駅の100メートル手前、小さな居酒屋、鳥ぎん。

え?居酒屋じゃん、シゲ。

そうだぜ、安心しろ、怒られねーし、学校の先生に会った事もねーから。

中にガラガラと入ると、他にお客はいなかった。

おっ!シゲか!久しぶりじゃねーか!可愛い女の子連れて来たな!彼女か?

うるせーな!バンド友達だよ!

ここはな。困ってる子供に、200円でメシを食わせてくれるんだ。

家でメシ食えないなら、ヒロミも利用しろよ。一緒に来るぜ。

初めて来た子だから、美味いもの出してやってくれ。200円で収まらないなら、俺が出すよ。店長!

美味しそう、、お魚の定食、、、。

ほら、シゲ、サービスだ。
店長がビールを持って来た。

ヒロミも少し飲むか?

私飲んだ事無いし未成年だよ?

一応そんな決まりもあったなあ。でもさ、その決まりが俺たち変な生い立ちの子供を救った事あったか?結局自力で乗り越えて来ただろ?
だから、俺は自分が気持ち良くなるなら、飲む。
今更、真面目ぶっても仕方ないからな。

苦いけど、空飛んでる感じがする、、、。

あまり、無理はするなよ。1杯にしとけ。

シゲ、こんな気まで遣ってくれて、本当にありがとうね。初めの時にありがとうって言いたかったけど言葉出なくて、やっと言えたみ。

俺こそ助けたつもりは無いって言ったけど、助けてヒロミと友達になれたから、よかった。

茂之と、直子こと裕美の出会い、バンド結成の話でした。

~以上、続編に続く~


もふ小説シリーズ、十三峠

2023-02-13 17:07:13 | 日記
物語は、もう100年も前の、神奈川の横須賀。米国のペリーがやって来て、日本が開国をした明治の頃。文明開花と言っても、まだまだ田舎の横須賀は遅れていて、江戸時代の風景を残していた。

江戸から京都へ上る東海道からは外れていたが、鎌倉時代より前は、古東海道という街道が通り、日本武尊が通った伝承もあり、古代から人が住み文化があった三浦半島。
長い歴史でたくさんの悲しい出来事や幸せな出来事を見つめて来た。
横須賀市の逸見、京浜急行の逸見駅周辺は、東海道保土ヶ谷から、浦賀までの旧街道浦賀道の通る山里だった。横須賀は平地が少なく山が、東京湾へ張り出し、山と山の間の僅かな谷や山の上に人が住んでいた。これを、谷戸と呼んだ。
逸見の村も典型的な谷戸の集落で、山に囲まれて、農家は谷の底や山の斜面に住み、東京湾で漁師をする者は、海辺に住んだ。豊かではないが自然と共存した生活だった。子供は、明治以降は、東京や横浜に出る者が増えた。

この逸見の村に2人の幼なじみの子供が居た、漁師の息子雄太と、農家の娘理恵だった、逸見にひとつだけある旧制の小学校に通い、山や海で遊んだ親友であった。

村の外れに鹿島神社という古い神社があった。
おー、やっぱりここにいたのかよ。理恵が昔からなんか居ないなって思うとここに来てるからな。
何、ボーッと考えてたんだ?
、、、、
まあ、いいや、理恵だって考えたい事もあるだろうからな。
それよりあの件考えてくれた?
何だっけ、、、雄太、、、
俺、中学卒業して16になったら、横浜に出て船知識勉強して海軍に入りたいんだ、理恵にも一緒に横浜来て欲しいって話だよ!
、、、すごく行きたいけど、うち貧乏農家だから、お父さんお母さん残して、逸見を離れられないよ、それどころか、どこかへ奉公に行かないといけないくらいだから、、、
そんなの、理恵の事も、理恵の父ちゃん母ちゃんも俺が頑張って食わしてやるよ!
もうだいぶ前に商人のところに奉公に行った、逸見の俺たちの親友の清子ちゃんだって全然帰って来なくなっただろ?理恵までそうなったら嫌なんだよ!明後日、田浦との村の境目の十三峠に朝来て欲しい!
雄太、、、、

2日後、理恵は、十三峠とは逆の汐入との境目の稲荷山に居た。
ごめんね雄太、、、1人で十三峠で待っているんだろうな、、、
私が働かないと、うちはみんな死んじゃうの、、、
さよなら、、、逸見の村、、、

稲荷山を東京湾を見ながら下ると今で言う京浜急行の汐入の街。そして横須賀中央の街。
横須賀中央から、浦賀道は、海を避けて再び山を登った。ここを、うぐいす坂と呼んだ。うぐいすが鳴く、山深い道。理恵は、南に向かった。
登り切ると上町。
ここから、下り坂。今の京浜急行、県立大学駅方向へ下る。
下り切ると、まだ埋め立てられていなかった当時は走水まで続く海岸へ出た。
安浦という街だった。
逸見とは、全く違う海の景色に、理恵は立ち止まった。
まだ、第二次世界大戦前、安浦は、開国で入って来た外国人を相手にした、商人と吉原のような色町であった。
理恵は、色町の小料理屋に向かった。
本当はこんな仕事したくない、、、
私が生まれて来なければお父さんお母さんは、もっとご飯食べられた、、なのに育ててくれたから、恩返ししなきゃ、、、
本当は雄太と、、、もう忘れなきゃ、、、

数日後、、、
小料理屋の女将のお富
理恵ちゃん、また裏で泣いていたのかい?
たまたま貧乏な家に生まれたけどみんな普通の娘だもの、こんな場所でこんな仕事誰もしたくないのはすごく分かるよ。
吉原みたいな高級遊郭じゃないけど、男がやってくる事は同じだしねえ、金髪の外人さんは身体大きくて怖いし。
あ、そうだ村の北の離れには行ったらダメだよ。行っても理恵ちゃんに、何もいい事ないからね!

理恵ちゃんも故郷には好きな人も居たんだろうから、必要な分だけ稼いだら帰る事を考えな。

1週間後、理恵は村の北の外れに来てしまった。
安浦の鎮守のお寺があって、近くには、小屋があった、隙間から覗くと、自分と同じくらいの女性が布団に横になって苦しがっていた。
苦しい、、、水、、、水飲みたい、、、!

理恵は思わず水を持って中に入って、立ちすくんだ。

苦しんで居たのは、逸見の幼なじみ清子だった。
あ、ああ、、お水ありがとう、、え?理恵ちゃん?
ついに見られちゃった、、、

清ちゃん、、?この症状、まさか?梅毒?
なんで?嘘?なんで清ちゃんが、、、、
商人の家に奉公行ってたんじゃなかったの?

商人の家に行ったんだけど、商人の旦那さんに、男を知らない生娘は価値があって外人に高く売れるから、お客取れって言われて。

貧乏な家に生まれたけどさ、、、私だって雄太好きだったし、好きな人にって夢見てた。
名前も知らない外人の男に毎日抱かれて、気がついたら身体ボロボロだったの、、、
清ちゃん、、、理恵は大きな涙をボロボロ流した。

帰りたいよ、、、みんなで逸見の村で、また遊びたい、、、。

清ちゃん、私お客これから、毎日2人取るよ!そのお金でお医者さん呼ぶから一緒に帰ろう!

そんな事したらダメ。私は、もう間に合わないもの、、、もうすぐ、理恵ちゃんとも、雄太とも会えなくなる。
理恵ちゃんは、まだ、間に合うから、こんな場所に居ないで、雄太のところに戻って、幸せになって欲しい、、、。私みたいな事したらダメ。

ここの、遊女は、お寺のお墓にも入れないから、特に私みたいに病気になっちゃった子は、お店の評判を落とせないから、安浦の海からそのまま流されるの、、、逸見の海も同じ東京湾だから、、、私の死体、逸見の海岸に流れついて欲しいな。そうしたら、やっと帰れるね。なんか最近はずっと逸見に居るような幻見るから、脳に病気が行ってるんだね、、、。
私の穢れた身体の死体見たら、雄太には嫌われるだろうな、、、こんな事やってた、女の子だからね。
雄太分かってくれるよ!泣いてくれるよ!

泣いてくれる人が居るなんて、、私幸せだった、、

清ちゃん!死んじゃやだよ!死なないで!
清子は、静かに眠った。17年の命だった。

ううっ!嫌だよお!

次の日清子は、安浦の浜から流された。
理恵は泣きながら砂浜を叩いた。

なんで、、、どうして、、、嫌だよお!

次の日、理恵は、約束の2倍の金額を渡されて、帰るように言われた。給料の他に口止め料の意味もあった。

うぐいす坂の上から、安浦の海を見ると、青くキラキラと光っていた。
まだ春には早い2月の三浦半島の風は暖かく、理恵の大粒の涙を飛ばして行った。
さよなら清ちゃん、お疲れ様、辛かったね。
ごめんね、私逸見に帰る。
清ちゃんも一生掛けて言えなかった事を私は、雄太に言う。

稲荷山を超えて、逸見に戻って、実家の母親にお金を渡し、鹿島神社に向かった。

あ、、雄太、、、
鹿島神社に雄太が来ていた

お前あの時十三峠に来なかったけど、神社来たらなんか会えるような気がしてさ、たまに来てた

雄太!雄太!
なんだよ!なんで泣いてるんだよ!

春、3月、今度は2人で十三峠を超えて、横浜に向かった。
横浜の教会で晴れて2人は夫婦になった。
その後、理恵は遊郭で働く女性の健康を守る研究を医師仲間とする人生を送った。

~完~
この物語はフィクションです