気まぐれ徒然なるままに

気まぐれ創作ストーリー、日記、イラスト

たしかなこと 2 (6)

2020-05-08 17:45:34 | ストーリー
たしかなこと 2 (6)







私のインスタの別アカウント“香織”
これが初めてインスタを始めたら時の古いアカウント

こちらのアカウントではプライベートな事を投稿してきた

そのアカウントの方のフォロワーに毎回必ずコメントをくれる印象的な男性がいる

そのフォロワー男性は “グレン”さんというハンドルネーム

カメラが好きなのか一眼レフで撮影した素敵な写真をアップしている方で、記事が更新されるのをいつも楽しみにしている

花の接写や綺麗な色の鳥の写真の中で列車や列車から見える景色の写真が多くて鉄道写真マニアさんなのかも?と思っていた

そのグレンさんが個展を開くとインスタに書いてあった

“へぇ! 行ってみようかな♪”


グレンさんの個展に行ってみるとインスタで見たことのある写真もチラホラあった

スパニッシュ系の男性が女性と歓談していた


あの人がグレンさん??
あ~、やっぱり日本人じゃなかったんだね

日本人とは骨格の作りが違う堀の深いイケメン外国人男性

日本の鉄道好きなスパニッシュ系の男性かぁ(笑)

グレンさんは私の事を知ってる訳じゃない
ただ、インスタでコメントをくれるだけ

声はかけずに帰ろうと思っていた


「この写真の撮影場所は北海道ですよ。」

後ろからグレンさんが声をかけてきてドキッとした


渋い声!(笑)

「そう、なんですね。素敵な写真ばかりですね。」

「来てくれてありがとう。香織(笑)」

ん??
「インスタの香織だよね?(笑)」

えっ!!
「どうしてわかったんですか??」

「どうしてって前に記事にあなたの顔を載せていただろう?僕は女性の顔は忘れないからね(笑)」

「はははっ(苦笑) そうなんですか。」

イタリア(?)男性って私のイメージ通りなの!?

イメージ:イタリアの男性は女性は口説かないと失礼にあたるという考えを持っている
(※私、笹山 香の勝手なイメージ)

「香織、これ」名刺とチラシを渡してくれた

「僕、こういう店もやってるんだ。良かったこちらも来てみてね(笑)」


昼間はイタリアンレストランで夜はバーにもなるお店のチラシ

「グレンさんはオーナーさん?写真家さん?」

「どれも僕さ(笑)」小首を傾け笑った

「香織、待ってるからね!」

イケメンで陽気なノリのスパニッシュ系男性に頭と目がクラクラしながら個展の会場を出た


流暢な日本語だったなぁ
日本に来て長いのかしら

イケメンだった(笑)
鉄道写真マニア? なんだか不思議ね(笑)


それからグレンさんからインスタのメールが送られてきた

来てくれてありがとう、今度は店にも来て欲しい!

この日は女性にはデザートサービスするからね


という内容だった

営業上手〜!私も見習わなきゃ(笑)


女性客限定かぁ…
だったら宣隆さんじゃなく女友達を誘って行ってみようかな!

高校、大学が一緒でずっと友達の美南を誘うことにした




ーーー




美南と会うのは久しぶり

もう結婚もして独身のように気軽に出かけることが容易ではなくなってしまったから久しぶりに友達と食事に行けることを満喫したいようでワインが飲みたいと注文をした


「おぉ!香織♪お友達と来てくれたんだね(笑)」
グレンさんから声をかけられた

美南がワクワクした表情をしてグレンさんを見つめていた

グレンさんを紹介したけど、会ったの2回目だよ?と言うと美南は外国人は距離詰めるの早いよねぇと楽しそうに笑った


美南には宣隆さんのことを話していた
画像はないの?と聞かれ見せると


「50代半ばだっけ?10ぐらい若く見える。美容師みたい。」

あぁ!なるほどね!
「とても優しいんだよ♡」とノロケると

「…なんかコワモテ(強面)だね(笑) ふぅん、優しいんだ(笑)」


「コワモテ… かなぁ…?? 全然恐くないよ? ガーデニングとか天体観測とか趣味だし!」

「ギャップあるね(笑) ギャップに惚れたとか?」

「あ、そうかも(笑) 酔うと可愛いんだぁ♡」


可愛いの言葉に美南はニヤニヤした
「まさにギャップね!(笑)」

「あははは♡」

「…あれ? あの人カレシに似てない?」


美南の視線の先にいた男性は背中を向けていた
向かい側には40代ぐらいの綺麗な女性でメニューを見ながら男性に話しかけている


「顔が、、見えないなぁ、、」

その男性の横顔が少し見えた

ん?

「すみません。」店員を呼んだ


えっ…

この低いトーンの声…



「え?なに!? ホントにカレシ??」


平日なのに仕事のスーツじゃない
女性のためにわざわざ着替えたの?


美南が声を潜めて話しかけてきた
「…ちょっと… ヤバくない?」

「… 仕事の服じゃないの。」

「(気になるのそこじゃないでしょ!)」

「ちゃんと顔が見えない… 声は彼に似てるけど… 」

私と美南の視線を感じたのか男性がゆっくり振り返って目が合った



ーー 宣隆さん







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