Stay With Me
ー Forever & Always (5) ー
現時点でわかっている休日を彼女にLINEで送った
送った直後に既読になった
撮影再開の呼び出しでスタジオに入った
仕事が終わってLINEを確認したけど
彼女からの返事は来ていなかった
前も返事が来なかったな
まぁ 焦らず待つことにしよう
そういや 寺崎にも飲みに行かないかと誘っていた返事も無いままだったな
寺崎に電話をかけてみた
『 すまん、返信してなかったか? 』
『 頭ん中は彼女のことばっかりだったのか?(笑) 』
『 そういう訳じゃない(笑) 』
嬉しそうな声
また寺崎と彼女の関係が戻って
仲良くやってる様子が伝わる
結局 寺崎とは昼間にメシでも、という話になった
今契約している会社と契約解除してフリーになろうかと考えていた
それを誰よりも信頼している寺崎に一言話しておこうと思っていた
いつかは
また俺のカメラの原点のアメリカに行こうと思っていることも
ーーーー
三日経ったけど
彼女からの返事が来ない
返事、くれないつもりなのか?
俺もずっと夜も仕事が入っていたから
あの小料理屋には行けてない
今夜も行けそうもない
次の休みまで あと一週間 …
俺に警戒したのだろうか
そうだとしても
それは仕方がない
彼女は俺と違って純粋で真っ直ぐな子だしね
そうは思いつつも
スマホが鳴る度
彼女からではないかと思っては落胆するようになっていた
ーーーーー
とうとう休みの前日
こんなに女から連絡が来ないことを気にしたことは無かった
撮影が終わってスタッフとPCでチェックし
打ち合わせを終えて時計を見ると18時になっていた
今日は予定よりも早く終わったな
スマホを見るとメッセージが入っている
もしかして …
開いてみると彼女からだった
やっと返事をくれた …
“ 返事が遅くなってごめんなさい!
仕事を調整してて、直前の連絡になりすみません。
明日何とか休めることになりました ”
仕事の調整をしていたのか
“ 今日はお仕事 何時に終わりますか? ”
今夜?
“ 今終わった所だよ。 今日は早く終われた。 ”
直ぐに既読がついた
“ 今 電話してもいいですか? ”
俺から電話をかけたら彼女は直ぐに電話に出た
『 こんばんは! 』
明るい声が聞こえた
『 ふふっ(笑) こんばんは。 』
『 明日なんですけど、何時から大丈夫ですか? 』
『 今から会えるのかと期待したのに(笑) 』
『 今からですか!? 』
ほんとリアクションが大きいな(笑)
『 今どこですか? 』
ん? 会えるってこと?
『 今は渋谷のスタジオから出るところ。』
『 渋谷だったら近いので向かいます。 』
お、マジか (笑)
30分後 渋谷のタワレコで待ち合わせをした
Suchmosの新譜を試聴していると沙良ちゃんが現れた
「 Suchmos 好きなんですか? 」
「 結構ね(笑) 晩ご飯 何か食べたいものある? 」
「 中華は?」
彼女がたまに行くという店に入ることにした
食事をしながら彼女の話を聞いた
沙良ちゃんは男の子兄弟の中で育ったようで
子供の頃の可愛いやんちゃな武勇伝を話してくれた
女らしさが無いと小料理屋のママが嘆いていたけれど
それは子供の頃から男の兄弟や男の子とばかり遊んでいたからのようだ
それでも俺は今のこの沙良ちゃんで良いと思えるけどな
ーーー
店を出たら
一気に冷たい空気に包まれた
「 冷えてきてるね(笑) 」
彼女の肩を抱いたら 俺の顔を見上げた
「 やっぱり慣れてますねー!(笑) 」
「 やっぱりって? 」
「 こういうところ!(笑) 」
肩を抱いている俺の手を見た
「 ほんとはこっちの方が良い。」
彼女の手を握ったら
目をパチパチさせた
「 どれだけ君からの連絡に首を長ーくして待ってたか知ってる?(笑) 」
彼女が苦笑いをした
もう直ぐクリスマスが近いから街のイルミネーションが美しい
それを見上げて歩きながら
彼女の冷たい手が少しずつ温かくなっていくのを感じた
どの恋も
あの時のようにまた誰かを深く愛せるかもしれない と
“ ある女性 ” との思い出に
俺はまだ縛られている ーー
「 沙良ちゃん 。今夜も酒、飲むの? 」
「 飲む (笑) 」
やっぱり飲むのね (笑)
今夜もおあずけコースになるな
俺のこと どう思ってるのかが気になる
嫌われている訳ではないことはわかるけど
今何してる? とか
そんな何気ないことすら連絡をくれなかったのは
そこまでの距離に俺はいないってことなのだろうか
俺はそんなことを気にするような男じゃなかったはず
俺は繋がれた手を意識しながら聞いてみた
「 明日休みだろう??
今夜、ずっと一緒に過ごせる?
でも、君とこうして過ごしてるだけでも良いとも思ってる。」
急に深刻な表情で考え出した
「 困ってるね(笑) じゃあ前に言ってたクラブにでも行く? 」
「 斎藤さんの部屋で朝まで飲むっていうのは? 」
「 なんで俺のとこ? 」
俺の家に来ることに君は警戒しないのね(笑)
前も思ったけど
こういうところ本当に無防備で危なげだな
「 わかった(笑) じゃあウチくる? 」
500ml のビールを6缶につまみになるものをコンビニで購入をしてタクシーに乗った
「 ね、沙良ちゃん。 これ全部飲むつもり? 」
「 あっ、ははははっ!(笑) 」
なに? そのごまかし笑い
確かに今は色気は感じないけど
こんな彼女に癒される
隣の彼女を見たら僕の口元を見てた
「 なに? 」
「 斎藤さんって唇柔らかそうですよねぇ。」
「 よく言われる(笑) 」
彼女の耳元で囁いた
「 ( これも言われる。キスが気持ち良さそうっだってね。) ふふっ(笑) 」
「 なっ!? あはっ、はははっ! そうですね!」
彼女は落ち着かない様子で手に持っているバッグを握り締め無言になった
こういう所に彼女の初々しさを感じる
いや、大胆なのか初々しいのかよくわからんな
俺はこんなに若い子と付き合ったことはないし口説いたこともない
今まで年上の女との付き合いが多かったのは
あの女性(ひと)の面影を無意識に追ってしまうからだろう
タクシーを降り 俺は家の鍵を開けた
ドアを開け 電気をつけ
彼女を部屋の中に案内をした
俺の家は古民家をリノベーションしている
「 外観と中のギャップが凄い! 」
「 中だけリノベーションしたからね(笑) 」
物珍しそうにキョロキョロ見てる(笑)
「 ほんとに彼女とかいないんですね … 」
「 なんで? 」
「 彼女がいたら堂々と(私を)入れないでしょ?」
「 もしかしてそれを確かめるため?(笑) 」
「 まさか(笑) そんなんじゃないですよ(笑) 」
部屋の暖房を点けた
「 寒いから暖かくなるまで待ってね。どこでも座って。」
ビールを飲むためのグラスを出した
「 やっぱり斎藤さんは全てがオシャレですね … 」
彼女は本棚にある写真集を手に取って開いた
「 身近にあるものは俺が気に入った物だけだよ。
それ以外は必要ない。それは人でもそうだよ。」
「 … え? 」 僕の方に向いた
買ってきたビールにつまみ
それとサーモンのマリネとチーズをソファのテーブルに置いた
サーモンのマリネを見て
「 わ、凝ってる … 」 と感動している
皿に盛っただけなのに?(笑)
「 こんなので感動してくれるとは(笑) 」
「 全てが洒落ててドキドキする! 」
「 ドキドキって(笑)
ー Forever & Always (5) ー
現時点でわかっている休日を彼女にLINEで送った
送った直後に既読になった
撮影再開の呼び出しでスタジオに入った
仕事が終わってLINEを確認したけど
彼女からの返事は来ていなかった
前も返事が来なかったな
まぁ 焦らず待つことにしよう
そういや 寺崎にも飲みに行かないかと誘っていた返事も無いままだったな
寺崎に電話をかけてみた
『 すまん、返信してなかったか? 』
『 頭ん中は彼女のことばっかりだったのか?(笑) 』
『 そういう訳じゃない(笑) 』
嬉しそうな声
また寺崎と彼女の関係が戻って
仲良くやってる様子が伝わる
結局 寺崎とは昼間にメシでも、という話になった
今契約している会社と契約解除してフリーになろうかと考えていた
それを誰よりも信頼している寺崎に一言話しておこうと思っていた
いつかは
また俺のカメラの原点のアメリカに行こうと思っていることも
ーーーー
三日経ったけど
彼女からの返事が来ない
返事、くれないつもりなのか?
俺もずっと夜も仕事が入っていたから
あの小料理屋には行けてない
今夜も行けそうもない
次の休みまで あと一週間 …
俺に警戒したのだろうか
そうだとしても
それは仕方がない
彼女は俺と違って純粋で真っ直ぐな子だしね
そうは思いつつも
スマホが鳴る度
彼女からではないかと思っては落胆するようになっていた
ーーーーー
とうとう休みの前日
こんなに女から連絡が来ないことを気にしたことは無かった
撮影が終わってスタッフとPCでチェックし
打ち合わせを終えて時計を見ると18時になっていた
今日は予定よりも早く終わったな
スマホを見るとメッセージが入っている
もしかして …
開いてみると彼女からだった
やっと返事をくれた …
“ 返事が遅くなってごめんなさい!
仕事を調整してて、直前の連絡になりすみません。
明日何とか休めることになりました ”
仕事の調整をしていたのか
“ 今日はお仕事 何時に終わりますか? ”
今夜?
“ 今終わった所だよ。 今日は早く終われた。 ”
直ぐに既読がついた
“ 今 電話してもいいですか? ”
俺から電話をかけたら彼女は直ぐに電話に出た
『 こんばんは! 』
明るい声が聞こえた
『 ふふっ(笑) こんばんは。 』
『 明日なんですけど、何時から大丈夫ですか? 』
『 今から会えるのかと期待したのに(笑) 』
『 今からですか!? 』
ほんとリアクションが大きいな(笑)
『 今どこですか? 』
ん? 会えるってこと?
『 今は渋谷のスタジオから出るところ。』
『 渋谷だったら近いので向かいます。 』
お、マジか (笑)
30分後 渋谷のタワレコで待ち合わせをした
Suchmosの新譜を試聴していると沙良ちゃんが現れた
「 Suchmos 好きなんですか? 」
「 結構ね(笑) 晩ご飯 何か食べたいものある? 」
「 中華は?」
彼女がたまに行くという店に入ることにした
食事をしながら彼女の話を聞いた
沙良ちゃんは男の子兄弟の中で育ったようで
子供の頃の可愛いやんちゃな武勇伝を話してくれた
女らしさが無いと小料理屋のママが嘆いていたけれど
それは子供の頃から男の兄弟や男の子とばかり遊んでいたからのようだ
それでも俺は今のこの沙良ちゃんで良いと思えるけどな
ーーー
店を出たら
一気に冷たい空気に包まれた
「 冷えてきてるね(笑) 」
彼女の肩を抱いたら 俺の顔を見上げた
「 やっぱり慣れてますねー!(笑) 」
「 やっぱりって? 」
「 こういうところ!(笑) 」
肩を抱いている俺の手を見た
「 ほんとはこっちの方が良い。」
彼女の手を握ったら
目をパチパチさせた
「 どれだけ君からの連絡に首を長ーくして待ってたか知ってる?(笑) 」
彼女が苦笑いをした
もう直ぐクリスマスが近いから街のイルミネーションが美しい
それを見上げて歩きながら
彼女の冷たい手が少しずつ温かくなっていくのを感じた
どの恋も
あの時のようにまた誰かを深く愛せるかもしれない と
“ ある女性 ” との思い出に
俺はまだ縛られている ーー
「 沙良ちゃん 。今夜も酒、飲むの? 」
「 飲む (笑) 」
やっぱり飲むのね (笑)
今夜もおあずけコースになるな
俺のこと どう思ってるのかが気になる
嫌われている訳ではないことはわかるけど
今何してる? とか
そんな何気ないことすら連絡をくれなかったのは
そこまでの距離に俺はいないってことなのだろうか
俺はそんなことを気にするような男じゃなかったはず
俺は繋がれた手を意識しながら聞いてみた
「 明日休みだろう??
今夜、ずっと一緒に過ごせる?
でも、君とこうして過ごしてるだけでも良いとも思ってる。」
急に深刻な表情で考え出した
「 困ってるね(笑) じゃあ前に言ってたクラブにでも行く? 」
「 斎藤さんの部屋で朝まで飲むっていうのは? 」
「 なんで俺のとこ? 」
俺の家に来ることに君は警戒しないのね(笑)
前も思ったけど
こういうところ本当に無防備で危なげだな
「 わかった(笑) じゃあウチくる? 」
500ml のビールを6缶につまみになるものをコンビニで購入をしてタクシーに乗った
「 ね、沙良ちゃん。 これ全部飲むつもり? 」
「 あっ、ははははっ!(笑) 」
なに? そのごまかし笑い
確かに今は色気は感じないけど
こんな彼女に癒される
隣の彼女を見たら僕の口元を見てた
「 なに? 」
「 斎藤さんって唇柔らかそうですよねぇ。」
「 よく言われる(笑) 」
彼女の耳元で囁いた
「 ( これも言われる。キスが気持ち良さそうっだってね。) ふふっ(笑) 」
「 なっ!? あはっ、はははっ! そうですね!」
彼女は落ち着かない様子で手に持っているバッグを握り締め無言になった
こういう所に彼女の初々しさを感じる
いや、大胆なのか初々しいのかよくわからんな
俺はこんなに若い子と付き合ったことはないし口説いたこともない
今まで年上の女との付き合いが多かったのは
あの女性(ひと)の面影を無意識に追ってしまうからだろう
タクシーを降り 俺は家の鍵を開けた
ドアを開け 電気をつけ
彼女を部屋の中に案内をした
俺の家は古民家をリノベーションしている
「 外観と中のギャップが凄い! 」
「 中だけリノベーションしたからね(笑) 」
物珍しそうにキョロキョロ見てる(笑)
「 ほんとに彼女とかいないんですね … 」
「 なんで? 」
「 彼女がいたら堂々と(私を)入れないでしょ?」
「 もしかしてそれを確かめるため?(笑) 」
「 まさか(笑) そんなんじゃないですよ(笑) 」
部屋の暖房を点けた
「 寒いから暖かくなるまで待ってね。どこでも座って。」
ビールを飲むためのグラスを出した
「 やっぱり斎藤さんは全てがオシャレですね … 」
彼女は本棚にある写真集を手に取って開いた
「 身近にあるものは俺が気に入った物だけだよ。
それ以外は必要ない。それは人でもそうだよ。」
「 … え? 」 僕の方に向いた
買ってきたビールにつまみ
それとサーモンのマリネとチーズをソファのテーブルに置いた
サーモンのマリネを見て
「 わ、凝ってる … 」 と感動している
皿に盛っただけなのに?(笑)
「 こんなので感動してくれるとは(笑) 」
「 全てが洒落ててドキドキする! 」
「 ドキドキって(笑)
もっと他のことでドキドキしてくれないの?
じゃあ、お望みのビールお注ぎしましょうか?(笑) 」
ソファに座ってビールを注ぎ、グラスを合わせると
じゃあ、お望みのビールお注ぎしましょうか?(笑) 」
ソファに座ってビールを注ぎ、グラスを合わせると
彼女は旨そうにビールを飲んだ
ほんとにビール好きなんだな(笑)
「 (ビール) 冷たいのに身体冷えない? 女の子は身体を冷やすのは良くないよ? 」
ブランケットを彼女の膝にかけた
「 優しい!(笑) 」
「 職業柄そういうとこ気になる (笑) 」
「 そっか(笑) 」
エアコンだけだと寒いだろうとホットカーペットの電源を入れたから
彼女は温かくなったカーペットに直に座った
「 今夜は深酒やめてね(笑) 」
「 深酒? (前回は)そんなに飲んでるつもり無かったけどなぁ(笑) 」
あんなに泥酔してのに?(笑)
「 俺、酔っぱらった女の子には手を出さないんだよね(笑) 」
頬がポッと赤くなった
「 そうなんだ … なんか意外だな。」
「 意外? 俺をどんな男だと思ってる?(笑) 」
「 モテるから女には困ってないんだろうなとは思ってる … かな? 」
「 待って、もしかして君には俺が軽い男に映ってる? 」
「 軽いとかそじゃなくて(笑) 狙った女は必ず落とせるみたいな?(笑) 」
「 なんだよそれ(笑) そんなことないから(笑)
こう見えても一途で浮気もしたことないんだけど? フラれるのはいつも俺だしね(笑) 」
「 冗談でしょ? 」
「 ほんと(笑) 」
そんな簡単に誰かを好きにはなれない
同時に複数付き合うなんて
俺には面倒くさいだけだ
気持ちが入らない身体だけの関係は
一時的な欲求が満たされるだけで
その後 心が虚しくなる
それだけ歳を重ねたってことだろうな
俺は また君に会いたいと思っていた
そういう
旨そうにビールを飲む君をまた見たいと
「 私は … 」
「 うん。」
「 誠実な男となかなか巡り会えない(笑) 」
あぁ …
二股かけられたと言ってたな
「 世の中そんな男ばかりじゃない。 一途な男もいるからね。」
寺崎の顔が浮かんだ
「 俺の親友なんだけど、昔から純粋で優しい奴でね (笑)
呆れるほど彼女に惚れてて(笑)
だから不誠実な男ばかりじゃないってことね? 」
「 私の見る目がないのか、そんな人と縁がないな(笑)
そんなお友達がいるってことは斎藤さんも誠実なんだね(笑) 」
「 不誠実ではないつもり(笑) 冷めてるように見られがちだけど(笑) 」
今まで付き合ってきた彼女さえも
あなたは強いから
恋しいとか寂しいという感情が無いんだろう と ーー
そんなこと
… ないんだけどね
「 私は温かい人と思いますけど? 」
え …
「 そうか(笑) それは嬉しいな(笑) 」
「 少し寂しそうに見える時もあるから何故かなって … 」
ドキッとした
「 … そう? (笑) 」
驚いた
そんな顔してるつもりはなかったんだけど
なんだか
嬉しいのは何故だろう …
ーーーーーーーーーーー