宮城の作家希望

作品など

憧れ

2020-07-24 08:22:00 | 小説
図書室と言う空間のせいか人の出入りで多少煩くなっても直ぐに静寂が戻ってくる。
そして心さんの存在が明るさも与えてくれる、その微笑みの為に訪れる人もいた。
赴任したばかりの頃はラブレターが絶えなかったそうだがどれも『美しい』とか『可愛い』と言った言葉は並ぶが誰も交際を求める者は居なかった。『私だって・・・女ですよみ見た目はともかく』恥ずかしげな感情が流れてくる。

さり気なく忍野君はどうかとふったが、子供扱いなのだと言う。『神田さんほど胸があったら違うのかな?』と自分の胸を押さえた。
時には『化物』などと言う、噂話を聞いた事もあるそうだ。どっと辺りから冷気が、流れこむ。昔友人にそんな悩みを打ち明けると『贅沢な悩み』と罵られ悪戯されたそうだ。その状況を救ってくれたのが、ここの館長だったらしい。
『だから私も館長の様な人に成りたいと思っています』と力強く微笑んだ。

その頃エレナレナはローレルロールと対峙していた。魔王は大陸の国グランデシアの王女ローレルロールの変装だった、狙いは『女神の書』
『ナーガの誰に聞いても、在りかを知らないと言う王女の貴女なら知ってるんじない』
長い黒髪を靡かせ彼女は言った。