ワールドカップまであと50日です
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先週の中日スポーツの日曜版で珍しく
ラグビーワールドカップが特集されてました
その中で小林さんのコラムが興味深かった
ので長文ですが引用します
選手、観客に息づく「ノーサイド」の精神:小林 深緑郎
15人ずつの敵・味方の激しいぶつかり合い。前に進みたいのに、パスする
楕円球のボールは後ろにしか放れない。まるで自然の法則に逆らうかのよう
なルールのせいで、前進するのは容易ではない。時に、キックを使う攻防を
交えて、勝利のために得点を競うスポーツがラグビーだ。この複雑なスポーツ
を一言で語るのは難しいが、ラグビーの要素と本質を鋭く切りとった言葉なら
いくつも思い浮かぶ。
たとえば、「オール・フォー・ワン、ワン・フォー・オール」あるいは「みんなは
一人のために、一人はみんなのために」。これは、フランスの文豪アレクサン
ドル・デュマの「三銃士」の英語訳文のなかの三銃士のモットーを指す言葉で
ある。この一文と「ラグビーの精神」を結びつけたのは日本人の発明なのだが
実にこのスポーツの本質を言い表している。つまり、自分が目立たずとも黙々
とプレーをすれば、チームの力になれる。互いの信頼と、助け合いの気持ちの
大切さを訴えてくれる言葉である。
ラグビーが大切にしているものに「ノーサイドの精神」がある。試合終了
(フルタイム)のことをラグビーでは、ノーサイドとも表現する。「サイド」とは
敵側・味方側の「側(がわ)」の意味。レフリーの試合終了の笛は、それまで
の敵味方の垣根を取り去り、ラグビーをプレーした者同士が、一つの仲間
になったことを意味する。そして試合後にはラグビーの伝統的な習慣である
アフター・ファンクションマッチが開かれる。それは、いわば和平の儀式で
あり、両チームは一緒に飲食し、試合中の痛い思いを忘れ、歓談し、友情を
深めるのである。
実は、観客席にもノーサイドの精神が息づいている。ラグビー競技場の
観客席には。異なるチームを応援する者同士を隔てる金網も仕切りもない。
隣の席同士が別々のチームを応援するのは当たり前の光景であり、相手
チームの好プレーにも拍手を送る。「世の中捨てたものじゃないな」、
ラグビー場には、温かなぬくもりがまだまだ残っている。
(ラグビー・ジャーナリスト)
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