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秋田の社会保険労務士・組織開発コンサルタント

組織開発、ファシリテーション
エグゼクティブコーチングを行っている
組織開発コンサルタントのブログです。

裸の王様13

2024年02月22日 | 
裸の王様12のつづき

フィードバックで明らかになった事実を本音で話し合うことができれば
どうしていくのかという話しができますが
本音で話し合えていないと表面上は良い場に感じても
実際はそのあとの行動につながりません。

結局、明らかになった事実を自分事化できなければ
コミット、やるという決意ができないということになってしまいます。

コミットによりやる気を引き出せれば行動計画を作成し
行動計画に沿った行動を実践していきます。

期限を決めて、結果を振り返って評価し、改善が必要であれば改善をしていく。
その繰り返しにより現状をよりよくしていくという一連の流れが
組織開発の一般的な流れといえます。

裸の王様の話しもそろそろ終わりにしようと思います。

裸の王様の話しは、どこの組織でも起こっていて
組織だけではなく、家庭、友達関係などでもあるのではないでしょうか。
裸の王様の話しを出しながら組織開発の一連の流れを書きましたが
全てなんでも事実をテーブルの上に広げて本音で話し合えば
みんなが幸せになるのかというと、そんなことはありません。
フレームワークや課題解決の方法などもありますが、万能ではありません。

人がより良くなりたい
よりよい環境にいたい
組織をよりよくしたい
という気持ちを持ちながらも
自分の性格、感情、置かれた状況、人間関係など
複雑なものが入り組んでいるのが人間社会で
その中で足搔きながらみんな生きています。

そんな現状を受け入れながらも変わることを諦めず
行動する勇気があれば、何か別の世界が見えてくるのではないか
と感じています。

参考図書
「入門組織開発」光文社新書/中村和彦
「組織開発の探求」ダイヤモンド社/中原淳・中村和彦
「人材開発・組織開発コンサルティング」ダイヤモンド社/中原淳

裸の王様12

2024年01月21日 | 
裸の王様11のつづき

フィードバックにおいては、本音で話し合えることが必要と言っても
実際のところそうそう本音で話し合えるものではありません。

また、本音で話し合うために心理的安全性が必要といっても
そのような場を作ることは簡単ではありません。

そうなるとまさに裸の王様の話しのままです。
裸の王様の話しのように、街の人も、王様の取り巻きも本当のことが言えない。

このままではダメだと分かっている
言ったほうが良いというのも分かっている
でも怖い。
言ったらどうなるのか。

言う方も怖いですが、実は言われる方も恐れています。

データの分析の結果はどうなのか
自分に対する非難や批判はあるのか
自分には能力がないと思われないだろうかなど。

当事者も大変ですがファシリテーターも大変です。
ファシリテーターもあの手この手でフィードバックがうまくいくよう
最善を尽くすことになりますが、ファシリテーターの力量が試される場面と言えます。

裸の王様11

2023年12月13日 | 
裸の王様10のつづき

エントリーと契約の次は、データ収集と分析になりますが
アンケート調査やインタビュー調査などが一般的です。

データ収集において、どのような情報を収集するのかは重要です。

ハラスメントの解決や組織変革などに関係のない情報を集めても意味はありません。
また、問題ばかりに焦点を当てるのではなく
現状はどうなっていて、どうしたい、どうなりたいのか
ということも考えたインタビュー内容などになっていないと
使えないデータばかりが手元にあって何の解決にもつながらない
ということになってしまう恐れがあります。

データ収集・分析する際は、データを集める人の自己満足にならないよう
データを受け取る人にインパクトを与えるものでなければ意味がありません。

そして、次のフィードバックにおいて
集めたデータに関係する人々がデータを見て真剣に話し合えるように
するためのお膳立てをする必要があります。

フィードバックにおいては、聞きたくないこと、言いたくないことを
率直に言える場でなければならないため、心理的安全性が必要となります。
フィードバックの場でどのくらい本気で話し合えるのか。

この場が組織開発、ハラスメント問題の解決や組織変革における
ヤマ場と言えるかもしれません。

裸の王様10

2023年11月10日 | 
裸の王様9のつづき

裸の王様の国で考えるよりも職場(例えばハラスメント)
で考える方がわかりやすいかもしれません。

OD Mapに沿ってみると、まずはエントリーと契約になります。
エントリーは、会社と社員の幸せを実現できる職場をつくりたい
ハラスメントがあるならその事実と向き合いハラスメントをなくしたい
などの思いを持った人たちが、それの思いを実現するために
関係者と出会う必要があります。

社長や役員、幹部社員、外部に委託するのであればODコンサルタントなど。
それぞれに立場や役割などがありますが、思いを実現するために必要な人とは
接触しておく必要があります。

事前の接触などを通して、それぞれの思いなどを把握し
かつ信頼関係を構築しておくことも大切になります。

そして契約となりますが
契約というと何か金銭が発生するイメージですが
ここではお互いの合意というイメージです。

何のためにやるのか、何をするのか、どのように進めるのか
それぞれの役割、責任の範囲などについても合意していくことになります。

このエントリーと契約の部分が最も重要な部分と考えられます。
ここで合意が形成できなければ、あとからちゃぶ台返しが起こったりします。

そうはいっても、合意形成はそう簡単にできることではありません。
ハラスメント問題の解決であれば合意形成はある程度できそうですが
社長がハラスメントをしている場合や
組織変革などでは結構大変かもしれません。

裸の王様9

2023年10月09日 | 
裸の王様8のつづき

裸の王様4のところで
本当にハラスメントをなくしたければ
ハラスメントのある職場である事実と向き合い
どのような組織にしていきたいのか
どのような人間関係が生産性の向上にとって良いのか
どのような職場で働きたいのか
会社と社員の幸せを実現できる職場とはどのような職場なのか
などを本気で話し合う場を設けることが大切と書きましたが
「暗黙のルール」について話し合う場合も同じことが言えます。

まさに組織開発の実践です。

組織開発とは

「組織の健全さ(health)、効果性(effectiveness)、
 自己革新力(self-renewing capabilities)を高めるために
 組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な過程である」

                             ウォリック
『引用:入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる 
                     中村和彦著 光文社新書』

組織開発の実践に関して、ここでは手法の話しは書きませんが
組織開発の進め方のモデルとしてOD Map があります。

①エントリーと契約
②データ収集
③データ分析
④フィードバック
⑤アクション計画
⑥アクション実施
⑦評価
⑧終結

『引用:組織開発の探求 理論に学び、実践に活かす
           中原淳 中村和彦 著 ダイヤモンド社』

組織開発は必ずこのモデルを基本にしなければならないわけではなく
組織の課題を解決する取り組み、研修、ワークショップ
その他組織の健全性、効果性、自己革新力を高めるための取り組みなどは
広義の組織開発と言えるためやり方は様々です。

ただ、狭義の組織開発では外すことができないフェーズや考えもあります。
それは、対話であったり、人と人との関係性へのアプローチであったり
人間尊重の価値観、民主的な価値観、当事者中心の価値観などです。

裸の王様の国で組織開発を行うとなるとどうなるのでしょうか?

裸の王様8

2023年09月17日 | 
裸の王様7のつづき

王様に言えない何かとは?

王様に罰を与える権限があれば
それを恐れて言えないというのは当然あり得ます。

会社でいえば、解雇、人事異動、不利益取扱い、パワハラなど。
「社長が怖い」
「あとでどんな仕返しをされるのか・・・」
「給料をもらっているから・・・」
「首になってしまうと・・・」
などといった内容の社員の方の声が私の耳に届くことがあります。

街の人だけでなく家来の方も同じですね。

けれども、勘違いしている社長は別として
解雇や給料を下げるなんてことは簡単にはできず
人事異動も不当な動機や目的があれば許されず
パワハラなんてもってのほかなので
何をそんなに恐れることがあるのでしょうか?

これは、私たちが社会で生きていくうえで身につけてきた
社会性、倫理観、世間でいうところの当たり前などが
影響しているからといえます。

赤ちゃんとして生まれたときにはそんなものなかったので
王様であろうと、社長であろうとバシバシ叩くということも
自然にできていたはずなのですが。

裸の王様の話しを読んで私たちが考えなければならないのは
この話しを自分の現実に置き換えたときに自分の中で何が起こっているのか。
現実社会を構成している価値観、構造、繰り返されるパターンは
どのようなものなのかを一度俯瞰的に観ることかもしれません。

裸の王様7

2023年08月30日 | 
裸の王様6のつづき

次に街の人について考えると
王様が裸であるにもかかわらず誰も何も言わない。

組織であれば、会長や社長などには、誰も何も言わない状態です。

もしかすると、上司にだったら
「部長、裸でどうしたんですか?」
と言うかもしれません。
あるいは、関係性ができていると言うかもしれません。

街の人が「言わない」ことに関して考えてみると
まず王様という立場の人に対して
何か発言するということがそもそもできない
というのは理由として普通に考えられます。

「言わない」のではなく「言えない」。

現代ではSNSなどによる発信は可能ですが
リアルでは王室などだけでなく
政府関係者の方や著名人の方などは
話をすることが難しいだけでなく
近づくことすら困難といえます。
そのような状態では何か言ってあげたくても
声が届かないこともあります。
仮に何か声が届いたとして、誹謗中傷などは別として
言ったことによって罰がありそうな感じはしません。

でも街の人は王様に「王様!裸でどうしたんですか?」
と言ってあげればよかったのに言わなかった。

そこに何があるのか。

王様が笑いものになれば良いと思っていたのか。

恐らく違います。

王様に注意できない何かがあったのか。

普通はそう考えるのではないでしょうか。

裸の王様6

2023年08月11日 | 
裸の王様5のつづき

次に子供について考えると
子供は無邪気に「王様は裸だ」と言っていますが
これは街の人、家来など大人が言えないことを
何の躊躇もなく言ってしまっています。

子供は素直だから見たものをそのまま口にしただけかもしれませんし
子供には大人の世界にある「暗黙のルール」
というものがわからないというのもあります。

私たちはいつから「暗黙のルール」というものを身につける(理解する)のか。
裸の王様に出てくるこの子供も大きくなるにつれて
「暗黙のルール」を覚えていきます。
そして、街の人や家来などと同じような大人になっていく。

「暗黙のルール」を身につけた大人たち(町の人、家来)は
王様が裸の状態でいるときに、感情はどのような状態で
何を思考しているのでしょうか?

そもそも「暗黙のルール」とは何でしょうか?

いつのために、誰のために、何のために
「暗黙のルール」は存在するのか?

人は平等なはずではないのか?
あなたたちはいつから「暗黙のルール」を覚えたのか?
他の人が恥ずかしい思いをしていることにあなたは気づいているのに
気づいていない人に対してどうして指摘してあげられないのか?

裸の王様の話しのもう一人の主役である子供は
この話しの中でどのような立ち位置(意味)なのでしょうか?

裸の王様5

2023年07月27日 | 
裸の王様4のつづき

次に2人の男について考えると
2人の男は王様に「馬鹿には見えない布」
を売りつけて儲かったわけですが
儲かることが本当の目的だったのでしょうか?
この話しの結末である「王様に恥をかかせる」
というのが目的だったのか?あるいは他の目的が・・・?

2人の男は危険を承知で王様の前に現れています。
王様の前で見えない布を差し出したときに王様が
「はぁ、何言ってんの?布なんてないよ。なぁ、ないよなぁ。」
と家来に確認し家来が「ありません」と言えば
2人は相当な罰を与えられていたかもしれません。

王様の反応次第で運命が決まってしまうような状況で
危険を冒してまで2人の男がウソをつく理由とは何だったのでしょうか?

謎ですね。
どうして2人の男なのかもわかりません。

この物語は王様と2人の男から始まっていますが
2人の男は本当は王様に何を伝えたかったのか?

王様に今の街の現状に気づいて欲しくて
勇気を出してやった行動と捉えると
遠回しではありますが誠意ある行動と
考えることができます。

今の王様の体制が本当におかしくなる前に何とかしたい
王様に街の人がどう思って過ごしているのか気づいて欲しい
などという思いからの勇気ある行動。

それとも
「あなたは街の人の気持ちや考え、感情が全く理解できていない。
 は(ハラスメントをしているから)
 だ(誰にも尊敬や信頼されていない)
 か(哀しい)
 の王様なんですよ」
とただ王様を笑いものにしたかったのか。
あるいは何か王様に恨みがあったのか?

裸の王様の話は、王様と子供の存在が印象が残りますが
実は2人の男と街の人にも重要なメッセージが
あるのかもしれません。

裸の王様4

2023年07月14日 | 
裸の王様3のつづき

裸の王様になってしまうとハラスメントをする可能性が高まります。
実際にハラスメントをしている人の多くが
地位の高い人や立場が上だと思われている人です。
役職者、年長者、先輩、先に入社した人など。

本来人間に身分の違いはありませんが
組織において役割が地位を作っていたり
社会における価値観が人を勘違いさせるため
「自分は偉い」などと思ってしまう人が出てきてしまいます。

また、心の在り方や考え方の部分も大きく影響していると思います。

企業ではハラスメント研修を毎年行い
裸の王様になっていしまっている人に
ハラスメントをしている事実について
気づいてもらおうと頑張っています。

でも、気づかないし、ハラスメントはなくならない。
ハラスメント研修に意味がないわけではありませんし
研修を続けていくことは大切ですが
ハラスメントをしている人が変わってくれなければ
「ハラスメント研修は毎年やっている。
 それでもハラスメントがなくならないのは本人の問題。
 あとは何かしらの処分をするしかない。」
ということになってしまいます。

本当にハラスメントをなくしたければ
研修をすることも、処分をすることも必要かもしれませんが
ハラスメントのある職場である事実と向き合い
どのような組織にしていきたいのか
どのような人間関係が生産性の向上にとって良いのか
どのような職場で働きたいのか
などを本気で話し合い、職場の皆にとってより良い未来を
創り出していくことが大切なのではないでしょうか。

どはいっても、そんな簡単な話しではないので
この部分は、後でもう一度考えたいと思います。

裸の王様3

2023年06月28日 | 
裸の王様2のつづき

裸の王様の登場人物は
王様、2人の男、街の人、そして子供です。

まずこの話しの主役である王様について考えると
王様は地位も権力もお金もあり
街の人からは権威のある存在として
認識されていると考えることができます。

組織に例えると、社長、役員、管理職などが当てはまります。
それは「うちの社長は裸の王様だ」という言葉からもわかるように
誰もがそう認識しているのではないでしょうか。

実際の組織で、社長、役員、管理職などが
「裸の王様」と揶揄される状況において
その組織では何が起こっているのでしょうか?

一つは、意識・無意識にかかわらず、地位(立場)を利用した言動により
他の人(社員や部下、取引先など)をコントロールしようとする。

次に、社員や部下、取引先などがその地位又は地位のある人に対して
恐れを抱いてしまったり、意見を言ってはいけないと思ってしまう。

仮に地位のある人に対して意見を言ったりすれば
地位のある人から反撃を喰らったり、処遇が悪くなったりしてしまう。

そして、誰も何も言えなくなり、地位のある人も自分に対して
意見を言う人がいなくなっていけば
「自分は偉い」「自分が絶対の存在」などと勘違いをしてしまい
傍若無人に振る舞うという状況が生まれる。

傍若無人に振る舞うということはなくても
裸の王様の話しのように地位のある人の考え方と異なる意見や
耳の痛い話しなどは入ってこなくなり
本当の情報ではなく耳障りの良い作られた情報や
本当の状況ではなく地位のある人にとって気分の良い状況だけが
創られていくことになります。

裸の王様2

2023年06月04日 | 
裸の王様1のつづき

裸の王様の話しの教訓として
誰も意見のいえない立場や地位
誰も意見が言えない状態をつくることで
本当の情報が入らなくなるだけでなく
大切な助言などを受けられなくなる
などが考えられます。

「うちの社長は、裸の王様だ」
に近い言葉を耳にすることがありますが
それを言っている人は「面従腹背」を
裸の王様という言葉に置き換えているのではないかと
感じることがあります。

つまり、みんな社長の言うことに従っているけれど
本当はそんなことやりたいと思っていない
やれと言うからやるだけで嫌々やっている
そもそも社長のことを認めていない
怒られるのが嫌なだけ
給料をもらっているからやるだけ
仕事が無くなると困るからやるだけ
という気持ちがあるのではないか。

「うちの社長は、裸の王様だ」という言葉は
裸の王様の話しの教訓と近い部分もありますが
ちょっと違う部分もあるかもしれません。

裸の王様1

2023年05月13日 | 
ある国に服好きでおしゃれな王様がいました。
珍しい服を作ることができると街で評判の男たちの話しが
王様の耳に入ってきました。
王様は街で評判の2人の男をお城に呼びました。
王様が「どんな服を作るのか」と2人の男に尋ねたところ、男たちは
「この布は、自分に相応しくない地位にいる人や馬鹿には見えない布です」
と言いました。
男たちは布などないにもかかわらず
王様に布があるかのように差し出しました。
当然、王様には布が見えません。
馬鹿とは思われたくない王様は見えないその布を褒め
早速その布で服を作るよう2人の男に依頼し
沢山のお金を払って服を作らせました。

しばらくして2人の男が「服ができました」
と王様のところに服を持ってきました。
けれども、王様には服が見えません。
王様は馬鹿には見えない布で作った服を着て
早速街中の人に見せて回ろうと思いパレードを行いました。

街の人は王様が裸で街を歩いているので驚きました。
王様に「裸です」という勇気がない人
自分が馬鹿だと思われたくない人
裸であることを指摘して罰を受けたくない人
たちは裸で歩いている王様に何も言えませんでした。
街の人たちはこの素晴らしい服に驚いているのだろうと
上機嫌で王様が歩いていると、ある子供が
「王様が裸で歩いている」
と本当のことを叫びました。
それをきっかけにして街の人たちも本当のことを言って
王様は恥ずかしい思いをしました。

かなりざっくりですが、こういう感じの話しです。

裸の王様の話しを法律論ではない人事労務の視点から考えてみたいと思います。

アリとキリギリス10

2023年04月23日 | 
アリとキリギリス9のつづき

世の中に「やりがいのない仕事」というのはどのくらいあるのでしょうか。
本当にその仕事は「やりがい」がないのでしょうか。

最近は「やりがいのある仕事」という言葉をよく聞きますが
「やりがいのある仕事」は与えられるものではなく自分が感じるものであり
自分自身の仕事に対する考え方を変えれば仕事が
「苦(楽しくないこと)」ではなく楽しいこと
やりがいのあることに変わるのではないでしょうか。

そうはいっても、職場において最低限整えないといけない環境はあり
良い環境にすればするほど働く人にとって働きやすくなるのは間違いありません。
最低限整えないといけない環境や良い環境とはどのようなものかは
ここでは触れずにおきます。

さて、そろそろ締めに入っていきたいと思います。

アリとキリギリスのどちらの生き方が正しいのか
どちらの生き方が幸せなのかは誰にも分かりません。
本人がどう判断し、どう感じるのかということになります。

けれども、自分が親の立場であったり、上司の立場だったりすると
やっぱりキリギリスの生き方は危なっかしくてお勧めできず
アリのような生き方をするように望み、注意・指導をしたくなります。

自分自身が本当の正しさや幸せなんて
分かっているわけではないかもしれないのに。

周りにできることはアリの生き方にもキリギリスの生き方にも
良いところや問題・課題があること、そして、働くことの意義や魅力、
この仕事がどのように社会の役に立っているのか
何に繋がっているのかということをしっかり伝える
ことしかできないのかもしれません。

周りの人の言葉が相手にちゃんと伝わるためには
日頃から信頼関係を構築しておくことが大切になります。

番外編と言いながら10回シリーズにしてしまいました。
次回は、「裸の王様」の話しをテーマにします。

<引用>
レファレンス協同データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000029946
「アンナ・カレーニア上 改版」(トルストイ 岩波文庫 1989)

アリとキリギリス9

2023年04月11日 | 
アリとキリギリス8のつづき

石積職人の話しを簡単に説明すると
ある旅人が砂漠で何か作業をしている人に出会い
「あなたは何をしているんですか?」と声を掛けたところ
「見りゃわかるだろう、石を積んでいるんだ」と言われ
少し歩いて同じようなことをしている人に出会ったので
「あなたは何をしているんですか?」と声を掛けたところ
「壁を作っているんだよ」と言われ
また少し歩いて同じようなことをしている人に出会ったので
「あなたは何をしているんですか?」と声を掛けたところ
「みんなの心の拠り所となる場所を作っているんだよ」
と答えたという話しです。

やっていることは3人とも同じ石を積むという仕事。
けれども、同じ仕事でも人の気持ちによって
やりがいを感じる・感じないということが起こります。

ということは、仕事のやりがいというのは
変な仕事ではない限り、自分の気持ち次第で変わるのではないか。
目的意識を持つことで自律的に働くことにも繋がるのではないか。

そうすると、人材紹介会社の社長の言葉に
「いや、私は会社の仕事に魅力ややりがいを感じて働いてきました。
 そのような私の会社にあなたがどのような仕事でも
 やりがいを感じる人、目の前の仕事に目的意識を持てる人を
 紹介するのがあなたの仕事ではないのですか?」
と言えればこの社長に何か気づき起こったかもしれません。