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‥公園の中で音楽を集おう!‥

今まで聴いてきたロックのアルバムの中で、気になっている作品をいろんな角度から検証してみませんか?

(検証23)The Pogues / If I Should Fall From Grace With God        メリベル

2015-02-23 14:24:26 | 検証

神に愛想を尽かされたから
神なんかに頼らないんだね




死ぬまで音楽なんだね
知っているよ知っている
本当はボロボロなんだって
身も心も


親も居ないワイフも子供も
だけど家族はいる
それがバンドなんだねきっと


滅茶苦茶騒いで
酔いつぶれよう
陽気になろう

だって生きていたいから
どうせ生きているのなら
とびきり賑やかに


■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■  ■


1.タイトルについて
1988年当時のバンドの心境でしょう。
貧困‥それは18世紀のアイルランドの貧困のことなのだ。
人間間(国家間)には経済格差が絶えない。どん底の貧困を経験しているからこそのタイトル。

2.アートワーク
『俺たちアイリッシュ・オーケストラなんだぜ』



3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)
何処かうらぶれた場末のバーで生で演奏しているかのような構成。
この本気度は尋常じゃない。
もはや自分たちの既成概念を超えて作られたかのような超人的パワーと一発取りのような潔さ。
もはや恐れるものなど何もないといった堂々たる演奏力。
命賭けてたんだね。



4.P.Vや当時のライブ映像
全くこのアルバムは聴いてこなかった。凄くセールスを記録したことも知らなかったし、バンド名とVoのシェインの風貌をよく音楽雑誌で見かけていただけ。
私の食指が動かなかったのはバンド名と、稚拙な誤解で申し訳ないのだけれど、何処かこのバンドはPunk好きな男の人向けなのでは、という観念があったから。




5.関連商品
アルバム5枚組BoxSet:Poguemahone!! The Poguesの歴史を網羅した素晴らしいボックスセットなのだと思う。
幾多のメンバーチェンジを繰り返してもバンドは残った。
それはすなわち、ポーグスの楽曲の根底がちゃんとしているからではないだろうか。
今まで聴いたことのない、全くのオリジナリティ溢れる歌の数々。
それはアイルランド(実際にはロンドンで結成されたが)の土地柄が必然的に生み出すものなのかもしれない。




(検証23) The Pogues / If I Should Fall From Grace With God   ‥‥Sukekyo

2015-02-23 11:41:13 | 検証


◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

1.タイトルについて

「If I Should Fall From Grace With God 」=神に見捨てられたら。悲しいタイトルでございます。
邦題は「堕ちた天使」。
当初の日本盤にはピーター・バラカン氏による「Fairytale Of New York」、邦題は「ニューヨークの夢」。この対訳だけ、そして、この曲だけの詳細な解説が載っていました。絶賛しておられます。

それを買った年から、毎年、クリスマスには必ず聞いてます。ときおり外でも流れてますし、イギリスでは山下達郎さんの「クリスマスイブ」ばりに毎年のようにシングルが発売されているようです。




2.アートワーク

3rdアルバム。メンバー全員にあまり見慣れぬ楽器類のポートレート。直球勝負の潔さを感じます。





3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)

アイリッシュ・トラッド風味の音なのにロック。パンクロックのように弾けたのから、しっとりとした泣かせるバラードまで盛りだくさん。





4.P.Vや当時のライブ映像について

The Pogues Featuring Kirsty MacColl - Fairytale Of New York (Official Video) - YouTube


【和訳】The Pogues - Fairytale Of New York | (What's the Story)ヨーガク? - 洋楽歌詞和訳サイト

訳を読みながらみられると味わいが深いです。





5.関連商品について

5枚組のボックスセットがオススメっすよ。2000円強で全アルバムが手に入ります。




検証23 THE POGUES If I Should Fall From Grace With God (Bプログラム)

2015-02-22 09:09:09 | 検証


・・・アイリッシュ、アイリッシュ・・・




P.バラカン曰く、アイリッシュってのは変なとこに律儀で
世渡りは決して上手くなく
酒を飲んではどんちゃん騒ぎ
金が少しでもあると大穴につぎ込んでしまう。

頑固でお人好しで金には縁が無い。

ギャンブルとアルコールにまみれた無様で切ない奴ら。

けれど何度、奴等に救われたことか。
大騒ぎでわけわかんないうちにどやどや入って来て、
呑んだ暮れには呑んだ暮れのやり方があるってもんさ、
てな感じで勝手に奏ってるんだけど元気が出た。


ポーグスの3rdと言えば、
どうしても「Fairytale of New York」抜きには語れない


この曲に関しては前に相当時間をかけて掘り下げた

「ケイト・オーリアダンの勇姿と笑顔」
http://ontheblog.blog44.fc2.com/blog-entry-1036.html


THE POGUES「Fairytale of New York」12インチシングル
http://ontheblog.blog44.fc2.com/blog-entry-1038.html


「ニューヨークの夢」の夢それぞれ
http://ontheblog.blog44.fc2.com/blog-entry-1144.html

THE POGUES featuring KIRSTY MacCOLL「Fairytale of New York」DVDシングル
http://ontheblog.blog44.fc2.com/blog-entry-1777.html


そして、
ジェム・ファイナーが手掛ける1999年12月31日真夜中から
1,000年間演奏する途方もないプロジェクト。
勿論、今も2999年12月31日に向けて演奏中だ。
http://ontheblog.blog44.fc2.com/blog-entry-1076.html

これ聴くと何だか周りのあれこれがとってもちっぽけに思える。


で、
次作「Peace and Love」も本作の延長線上で捨て難い
特にジャケットに関しては物申すことがあるんで

「違いのわかるポーグス」
http://blogs.yahoo.co.jp/borogramborogram/54690136.html

洗練されてない分、シェイン臭がキツい本作を選んでしまう。


ほんと申し訳ない引用ばかりで


よし。ようやく本題だ




1.タイトルについて

Jガイルズバンドかよっ

そのどちらとも原題の本質は捉えてない


2.アートワーク
直球のジャケット。これ以外は考えられない


3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)について。
1曲目から、あ、もうポーグス節全開

血が騒ぐっての?

無粋な邦題が付けられたタイトルナンバーは、
呑んだ暮れの戯言に載せられた
アイリッシュパンクである。
もちろん政治的な。


スパイ映画なのか
アラビアンナイトなのか
もうわけがわからないこの曲ってば

結局、行きつく先は決まってるんで

「Thousands are Sailing」も好きなナンバーだ。
イントロとサビのリフが鳥膚モン
おそらくこいつも希望と夢絶たれた移民の切ない唄


PVにも登場するコステロが揶揄されてる「Fiesta」、
たまらんこの「ハイそれまでヨ」的な展開

ラスト「Worms」は、ドリフのようなナンバー
悪趣味なグログロソング。


本作の凄い所は、
「Fairytale of New York」抜きにしても
佳曲揃いだということだ

高揚するナンバーも切ない曲も弛緩したと思うと暴発したり
もう頂点極めちゃってる

一方、アイルランドの根深い問題についての曲も多い。

「Streets of Sorrow」は無意味に若者が殺されていく街の描写、
続く「Birmingham Six」は実際の事件に基づく
バーミンガムのパブで爆発した爆弾で21人が死亡、
たまたま居合わせた北アイルランドの教徒6人が逮捕、実刑判決を受けた。


ポーグスというとはちゃめちゃで手が付けられない
アイリッシュパンクの雄
過激な政治や宗教曲
様々な面があるけど
アイリッシュ、に尽きるんだよね何もかも


4.P.Vや当時のライブ映像について。
「Fairytale of New York」は言うまでもなく
「Fiesta」が秀逸。
この突き抜けた色彩は、躁状態もしくは精神分裂の症状に通じる

そう、つまり
「ある日突然周りの物すべてが色鮮やかに見えるようになった」
ってやつ。
そもそも祭事はハイになって何ものかと交信するってのが目的だったんだから
時に酒の力、時に薬の力、時に脳内麻薬物質の力を借り
まいっか


この2曲は季節構わずカラオケで唄う
「If I Should Fall From Grace With God 」は昨日唄ったばかり


当時ライヴ映像は見てなかった。


5.関連商品について。

ピーターバラカンの思い入れたっぷりのライナーと
訳詞が掲載されてる故、再発盤を入手しても
この作品だけは手放せないでいる


BBC1制作のドキュメンタリー「The Story Of...Fairytale of New York - The Pogues」
を見ると、実はご当地NYではPバラカンが熱く語るほどにはこの曲、
盛り上がってない。
P.バラカンがライナーで嬉々として書いてる
「NY警察の合唱隊は“ゴールウェイ湾”を歌っていた」
も、実際にそんなことはないらしい。
おまけに傑作だとされてるPVも合成で、かなり「盛って」たという事実も


5枚組のアンソロジーに関連ナンバーが収録されている。
まだまだ未完成の「Fairytale of New York」デモテイク3っつ。

「Fiesta」の(7インチremix 、「If I Should Fall From Grace With God 」の
12インチremixは必聴ではなかろうか。
更に濃縮されてヤバいことになってる
カウベルが滅茶苦茶きいてる「Fiesta」なんて卒倒しそうだ。

元々「Fairytale...」を唄うはずだったけど脱退しちゃったCait O'Riordanの、
映画「シド&ナンシー」の主題歌「Haunted」が白眉。
直接本作とは関係ないんだけど聴いて損はしない。


今、2000円切っちゃったから買いですよダンナ


「Fairytale of New York」は
12インチとDVDシングルを持ってる。

再発の方ね

Kiteも写ってる

見開きなんだよ


PVと、1987年のTopOfThePopsでのパフォーマンス



来月はもうSt.パトリックDAYだぜ!!


The House Of Love /The House Of Love     Sukekyo

2015-01-28 21:51:05 | 検証


1.タイトルについて

調べたら同じタイトルで2種あるそうで。
蝶のジャケットの。
なぜかというと、アイチューンズに取り込む時
そっちのジャケットが残ったのです。




2.アートワーク

すべてがそうだけど、構図など含めてなつかしい。







3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)

音をきいて千葉県市川市に住んでいたころにタイムスリップした。
当時、桜日の丸という男が毎月発売される「ロッキンオン」のレビュー1ページ目のアルバム(他)を必ず買っては、おれのところに持ってきた。ときには貸しつけた。
それはボーダイな量であり、正直、現在は覚えていないものも多いけども、マメに耳に通していたので、あの時代の「流れ」のようなものだけは唯一、リアルタイムで刻みつけられていた。
そしてそれこそが青春の音なんだろうなと思った。

本作品は「それ」だ。

今、聞くと、後にも先にもないあの当時のみ存在した音だなあと思う。80年台から90年台前半までの音は今聞いても妙に突出している。



4.5.は割愛させていただきます。



検証22 The House Of Love/The House Of Love・・・by.miffin

2015-01-21 22:20:41 | 検証


当時あれだけ期待されていたのにもかかわらず
彼らがスミスの代わりにもなれず、そしてバニーメン的な生き残り方もできなかったのは
とにもかくにもガイ・チャドウィックのルックスと性格のせいに違いない。
こんなに美しく深みのある曲を作る人が大成しなかったなんて
それくらいしか理由が見つからないのよ。

1.タイトルについて。
セルフタイトルです。
同時期にドイツのラフトレードからリリースされたコンピも
メジャー移籍後の2ndも同タイトルです。もうややこしいのなんの。
タイトルを付けたくないほどにバンド名に愛があるのか、ただ面倒なだけなのか、とにかくファンのこともそうでない人のこともあまり考えてないようです。

2.アートワークについて。
顔の悪いひとがアップです。
あの頃、輸入盤屋へ行くと必ずこの顔が出迎えてくれたものです。
目が座っていますが、いじめられっ子の逆襲1分前のようで怖くはありません。
それよりも、後ろの人の所在なげな表情の方が不安をかき立てます。
その得も言われぬ空気に惹かれ、ジャケ買いした人もいたことでしょう。

3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)について。
デビューシングルのShine Onが今で言うところの神曲だったので、きっとあのようなサイケな世界がとぐろを巻いているのだわ!と期待したのですが、全くそうではありませんでした。実のところ彼らの持ち味はよくある酩酊サイケではなく、ガイの書くあまりにも繊細でメロウな旋律にテリーの深くリバーヴの効いたギター、その兼ね合いで創り出される造形美だったのですね。

シューゲイザーのはしりを感じさせる美曲から始まり、バニーメンやジュリアン・コープを彷彿させる曲もあり。全体的にはネオサイケの印象なのだけど、インディーバンドのデビューアルバムにしては稚拙さや若さだけで押し切るようなものは全くなく、かなり本格派。それもそのはずガイ・チャドウィックという人はHouse Of Love以前にニューロマ系のバンドでデビューしているのですが、それが良くも悪くも当時のメインストリームの音なので、はなから立ち位置がインディー仲間のSmall Circle of Friends的ではないのでしょう。

そしてなんといっても当時すでに30歳過ぎ、凡百のネオサイケバンドからは一歩も二歩も抜きんでていて当然といったところでしょうか。

4.P.Vや当時のライブ映像について。
HOUSE OF LOVE - Christine


このPVを初めて見たのは91年頃。
三人で下を向いてギターを弾いてるこのシーン。
ここにシューゲイズの原点を見た気がしました。
勿論、本人達はそんなこと思いもしなかっただろうけど。

5.関連商品について。
「クリエイション・レコーズ物語」パオロ・ヒューイット/著、伊藤英嗣/訳
当時のクリエーションを知るには最適の書。
この中にもガイ・チャドウィックについての数々の逸話が。
人前で素っ裸になるのが好きなようです、あのルックスで・・。

ちなみに彼らも解散・ソロ・再結成を経て今もThe House Of Loveとして活動中。
メジャーに移籍し失速してしまった時代が嘘のように、全盛期と比べても遜色のない作品をリリースしています。