バニーメン・フォロワーは数あれど
ここまで「音のかたち」にだけ特化したフォロワーもそうそういない。
そこまでなら大した話題にもならずアルバム一枚で消えていく運命だったのだろうけど、良くも悪くも中途半端に生き残ってしまったのだね・・。
1.タイトルについて。
永遠に・・とかそういう意味らしいです。
2ndですでにそんなタイトルを付けてしまうところに、将来への不安が。
2.アートワークについて。
黒の縦帯に白でバンド名、タイトル、そして赤のアクセントを効かせる感じは
インディーバンドがメジャー化する過程で磨かれたセンスの良さが垣間見られます。
3.アルバム全体の雰囲気(曲順も含む)について
1stはそれなりに聴いてはいたけど、2ndになるとリリースされても買う気にもならなかったので、友達に録音してもらったのでした。
それも数回聴いてラックの奥底においやられる有様で今回も27年ぶりの再会です。
不思議なのは聴けばどの曲もちゃんと覚えているのですよ、不思議です。
でも、これは彼らの楽曲が素晴らしいとかではなく、若い頃の記憶力スゴイ!という方向の感嘆であるのが悲しい。
しかし、今聴くと耳に心地よくラストまで気分良く聴ける。
全作よりお金も時間もかけたので、音自体に深みがあるし、曲もネオサイケのお手本のようなのばかりではあるけど、さびの部分などにはちょっぴりキラッと光るものもあり、カレッジチャートで売れたというのもよく理解出来る。
7曲目はJoy DivisionのAtmosphereにそっくりですが、原曲にある陰影が全くないのでその名の通り空気のようです。
4.P.Vや当時のライブ映像について。
The Mighty Lemon Drops ~ Inside Out
VIDEO
理由はなくただひたすら気持ち悪いです、このビデオ。
このバンドの一番よくわからないところは、ソングライターがギターとベースであるにもかかわらずボーカルがこのように地味であるということ。
普通なら俺たちが作った曲をカッコイイ奴に歌わせたいと思うはず。
なのに、なんなのこのにやけた感じの華のないフツメンは。
声質も歌い方も君でなくてもそこの誰かでも全然OKだろう?という個性のなさ。それでも田舎の学校ではクラスで四番目あたりでモテてた感じの自信が見え隠れするのもどうかと思う。
何か弱みでも握られていたのであろうか。
5.関連商品について。
The Mighty Lemon Drops/ My Biggest Thrill(12’)
まだデビューアルバムがリリースされる前にバニーメンフォロワーの真打ち登場のような紹介のされ方をしていて、もうこれは買うしかないでしょうと急いで買ったこの12インチ。
何かが足りないではなく、なにもかも足りなくて、ほぼ漂白されたネオサイケ節に、でもまあこの真っ青なジャケットはかっこいいよね?と己に言い聞かすしかなかったのでした。
予想に反して、その後なんと3作、合計5枚もアルバムをリリースしてしまった彼ら。
才能にあふれていても世にすら出られない
出たとしてもアルバム一枚で終わりなどどいうバンドが幾千もいることを考えれば
彼らがそれなりに活躍できたのはほとんど運だけだったような気もする。
ただし、90年代初頭の時勢には乗ることのできない、淡い運ではあったのだろうけど。