
内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像は?注目の気鋭による清冽なミステリ。
いつものようにタイトルで選んだのですが、初めての伊坂幸太郎氏の作品です。
登場人物が重なる二年前と現在、時間軸の違う物語が「僕」と「わたし」によって交互に語られるというカットバック形式なのですが、私とあまり波長が合わない文体なのか、先が気になる割に前半はなかなか読み進まず、結構疲れました。
冒頭から潜む伏線を拾い集めていくと、途中である程度の結果が見えてくるのが残念。
まさかそうはならないだろうと思いながら読み進むけれど、その期待は裏切られる。
読み終えて得られたものは違和感だった。
日本人が外国人をどう思っているかもそうだけど、ブータンの死生観についても、だから穏やかで優しいとは思えない。
民主主義の法治国家に生まれ、順法精神を大切にするよう教えられた私としては、どんな理由があろうとも私的な報復行為は認めたくないし、自殺者が多いからこそ、日本にブータンの死生観を持ち込みたくないと思う。
つまりこの物語に、登場人物に感情移入すれども共感は覚えない、というところでしょうか。
なので、この作品は「このミス」と「週刊文春」の年間ベスト・ミステリ選出で各2位、4位という高評価ですが、それほど良い作品とは思えなかったです。
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像は?注目の気鋭による清冽なミステリ。
いつものようにタイトルで選んだのですが、初めての伊坂幸太郎氏の作品です。
登場人物が重なる二年前と現在、時間軸の違う物語が「僕」と「わたし」によって交互に語られるというカットバック形式なのですが、私とあまり波長が合わない文体なのか、先が気になる割に前半はなかなか読み進まず、結構疲れました。
冒頭から潜む伏線を拾い集めていくと、途中である程度の結果が見えてくるのが残念。
まさかそうはならないだろうと思いながら読み進むけれど、その期待は裏切られる。
読み終えて得られたものは違和感だった。
日本人が外国人をどう思っているかもそうだけど、ブータンの死生観についても、だから穏やかで優しいとは思えない。
民主主義の法治国家に生まれ、順法精神を大切にするよう教えられた私としては、どんな理由があろうとも私的な報復行為は認めたくないし、自殺者が多いからこそ、日本にブータンの死生観を持ち込みたくないと思う。
つまりこの物語に、登場人物に感情移入すれども共感は覚えない、というところでしょうか。
なので、この作品は「このミス」と「週刊文春」の年間ベスト・ミステリ選出で各2位、4位という高評価ですが、それほど良い作品とは思えなかったです。
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