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Tシャツとサンダルの候

最強の低山を行く。英山~前黒髪~黒髪山



何気なく、山雑誌をパラパラとめくっていた。

ふとそこに、『最強の低山黒髪山』という字句が見えた。


なるほど、黒髪山ね。

黒髪山に登ったのは、奇跡的に幻のクロカミランを発見した時以来だから、かれこれ半年程経つ。

日曜は雨のようだし、土曜日の内に、黒髪山に登っとくか。

朝ドラを横目に、山準備をすたこらと済ませ、


「黒髪山に行って来る。」(私)

「ほえ?」(家内)


車に道具を積み込み、佐賀有田に出発である。



有田ダム下側の登山口からの出発。

この日登るのは、英山(はなぶさやま)、前黒髪を経由し、黒髪山まで行く初めてのルートである。



高度を上げるにつれ、有田ダムが眼下に見えてきた。




分岐に出た。

左が本ルートの英山~黒髪山方向。

右方向は岩尾根とだけ書いてある。



ふーん、どうなってるんだろう。

ちょっと、寄り道していくか。



なるほど岩尾根だ。

もう少し進むかな。



左右は切り立った崖だ。

足でも滑らせたら、タンコブぐらいじゃ済まないのは確かだ。

細々とした岩尾根をへっぴり腰で渡る。


行きはまだ良い。

問題は帰りである。



ヒョエーーー!!


こんな所を登って来たのかよ。

戻るの、怖いよ~~~



文字通り、

『行きはよいよい、帰りは怖い』である。



本ルートになんとか無事に戻るも、こちらはこちらで急登が続く。

たちまち、息が上がってきた。



やっと尾根に出たぜ。

ゼヒー、ゼヒー



暫く緩やかな尾根道を行くと、




巨大な岩場が目の前に伸し掛かってきた。


ほほう。

これを登れとな。



足場用に岩が抉られてはいるが、何しろこの傾斜である。

心して掛からないとね。

しっかりロープを掴み、

では、登ろうか。



登って、トラバースして、また登る。




やっと岩場が終わった。

ここが英山の、いや、このコースの核心部と見た。



岩場が終わり暫く登って行くと、頂上へと続く稜線が見えてきた。

頂上へ向かう前に、2度目の寄り道をしよう。

頂上手前の分岐を右に折れる。



英岩だ。

この山の特徴である、凝灰角礫岩の巨岩である。



ヒョエーーー!


と、ここで、

この日2回目の慄きを発する事になる。



ま、それでも一応ね。




英山山頂。

あれ? たった350mなの?

あんだけ登ったのに?


ジーッ・・・


標識を、よく見たら、



『450mが本当です』


オイ!

しかしそれでも、たった450mの標高なのだ。

それで、あれだけの登山道のバリエーション。

『最強の低山』の名に恥じない山系である。



尾根道を前黒髪へ向かう。




前黒髪山頂は、路傍と言うしかない場所に突然現れた。




山頂からは、目的地黒髪山が見える。

天童岩が、ニョキっと突き出ている。



黒髪山との鞍部までずんずん降りていき、




やがて、黒髪山への登り返しに差し掛かる。

急斜面をつづらに登って行くと、



黒髪神社上宮到着だ。

背後に天童岩が見える。



山頂直下の鎖場を登り、




岩尾根を渡ると、




黒髪山頂上だ。




先ずは天童岩の天辺へ。


ヒョエーーー!!


と、3度目の慄きは、小声で発してみる。

何故なら、山頂にはかなりの登山者が居たからである。

そして、



パシャリ


え?

2回目じゃないか。くどいって?

全く同感である。

その上、私ばかり画像を占めていて、高度感がまったく表現出来てない。

実際は、かなりビビっていた事を、白状しておく。



先程まで歩いてきた前黒髪と英山。

こうして眺めて見ると、なんて事無さそうな山なんだけどなぁ。



何はともあれ昼飯だ。

今回も蓋裏メッセージは無しである。


ズルズルズルーー




先程も書いたが、土曜日と言う事もあり、山頂は登山者で引きも切らない。

あんまりゆっくりもしていられないようだ。

そろそろ降りるかな。



黒髪山の固有種、クロカミカネコシダの群生地を降りていく。

どれがそうなのかはサッパリ解らん。

帰りは、白川キャンプ場を経由して有田ダムへと降りるルートを取った。





有田ダムまで降りてきた。



湖底まで延びる階段。

何の施設だろうか。




黒髪山のメインルートの、龍門峡から見返り峠を経由して山頂を目指すルートより、今回のルートの方が断然面白かった。

次回もきっとこのルートを登り、ヒョエーを連発しているに違いない。


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