何気なく、山雑誌をパラパラとめくっていた。
ふとそこに、『最強の低山黒髪山』という字句が見えた。
なるほど、黒髪山ね。
黒髪山に登ったのは、奇跡的に幻のクロカミランを発見した時以来だから、かれこれ半年程経つ。
日曜は雨のようだし、土曜日の内に、黒髪山に登っとくか。
朝ドラを横目に、山準備をすたこらと済ませ、
「黒髪山に行って来る。」(私)
「ほえ?」(家内)
車に道具を積み込み、佐賀有田に出発である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/0c/4d4abdd36c3948fb8dba7d7e3c6354ed.jpg)
有田ダム下側の登山口からの出発。
この日登るのは、英山(はなぶさやま)、前黒髪を経由し、黒髪山まで行く初めてのルートである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/cf/28dc43d00b4561997dbad8ef47f61841.jpg)
高度を上げるにつれ、有田ダムが眼下に見えてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/5d/33a4c39c42e959e2f4eba86b6625b909.jpg)
分岐に出た。
左が本ルートの英山~黒髪山方向。
右方向は岩尾根とだけ書いてある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/9c/0492fc41e5ec819c5cb54c3d088ab353.jpg)
ふーん、どうなってるんだろう。
ちょっと、寄り道していくか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/ff/20228e179132440648fbe7460d167e74.jpg)
なるほど岩尾根だ。
もう少し進むかな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/d3/5d9ea232c4590b161e5ac7bc98cc364b.jpg)
左右は切り立った崖だ。
足でも滑らせたら、タンコブぐらいじゃ済まないのは確かだ。
細々とした岩尾根をへっぴり腰で渡る。
行きはまだ良い。
問題は帰りである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/9b/30207bdc1f2c34fe796fd2b97cce24fd.jpg)
ヒョエーーー!!
こんな所を登って来たのかよ。
戻るの、怖いよ~~~
文字通り、
『行きはよいよい、帰りは怖い』である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/1a/b8961f0676bfcdeab8783bfcedf24489.jpg)
本ルートになんとか無事に戻るも、こちらはこちらで急登が続く。
たちまち、息が上がってきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/83/e9d31582ec9fb8cbe2dafb7b0481967e.jpg)
やっと尾根に出たぜ。
ゼヒー、ゼヒー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/a7/8feca3f542bafd58b18bda9fa8f4c84a.jpg)
暫く緩やかな尾根道を行くと、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/b8/e41278f7f07dbfc80212a9780f6a0b47.jpg)
巨大な岩場が目の前に伸し掛かってきた。
ほほう。
これを登れとな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/6d/fd6ea97b3f140afc076b872b9fdf5a25.jpg)
足場用に岩が抉られてはいるが、何しろこの傾斜である。
心して掛からないとね。
しっかりロープを掴み、
では、登ろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/6f/904443fa5df9119c3fe69238ee33a790.jpg)
登って、トラバースして、また登る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/03/93aa418d975478107280b3cc48189891.jpg)
やっと岩場が終わった。
ここが英山の、いや、このコースの核心部と見た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/dd/11af5404ffc812dda5b745bffd6fb742.jpg)
岩場が終わり暫く登って行くと、頂上へと続く稜線が見えてきた。
頂上へ向かう前に、2度目の寄り道をしよう。
頂上手前の分岐を右に折れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/f0/f8502ba9efa502c2cabaf58871eafdb7.jpg)
英岩だ。
この山の特徴である、凝灰角礫岩の巨岩である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/ea/b442f94aec29a7ef26ff12dec420a96a.jpg)
ヒョエーーー!
と、ここで、
この日2回目の慄きを発する事になる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/93/a9132a166bdf253dc803c7d93404b6a1.jpg)
ま、それでも一応ね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/e4/3ec9639a5c6b7edd53944514f0dc48cd.jpg)
英山山頂。
あれ? たった350mなの?
あんだけ登ったのに?
ジーッ・・・
標識を、よく見たら、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/cf/e96aecb884300ae9aa5d1c9bad4544df.jpg)
『450mが本当です』
オイ!
しかしそれでも、たった450mの標高なのだ。
それで、あれだけの登山道のバリエーション。
『最強の低山』の名に恥じない山系である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/23/ffcdc29bc8caee3202500773ad0687df.jpg)
尾根道を前黒髪へ向かう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/52/f570d54b407055a63a7c55c851a4be2b.jpg)
前黒髪山頂は、路傍と言うしかない場所に突然現れた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/30/4e63e134f7b562c9f38e9dd4d158e87b.jpg)
山頂からは、目的地黒髪山が見える。
天童岩が、ニョキっと突き出ている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/c2/df60d383cbf10052dece6dfad29cb814.jpg)
黒髪山との鞍部までずんずん降りていき、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/19/aa9c31e233311e361934cf2006857b0b.jpg)
やがて、黒髪山への登り返しに差し掛かる。
急斜面をつづらに登って行くと、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6b/b5681c11dc0fa4222e7f30dbe443d6b1.jpg)
黒髪神社上宮到着だ。
背後に天童岩が見える。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/b9/667de08eb79ec3cb4277cc9396939ea4.jpg)
山頂直下の鎖場を登り、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/02/beec85fa882c442c100b66f9c41fbfb5.jpg)
岩尾根を渡ると、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/c1/ac21e191b78ac7ab17294b969b13bcc4.jpg)
黒髪山頂上だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/f0/10bc702daa069159bf7ec00ff7c0ba7a.jpg)
先ずは天童岩の天辺へ。
ヒョエーーー!!
と、3度目の慄きは、小声で発してみる。
何故なら、山頂にはかなりの登山者が居たからである。
そして、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/56/066baf6cd3305f6b4d88d53d8b0c1088.jpg)
パシャリ
え?
2回目じゃないか。くどいって?
全く同感である。
その上、私ばかり画像を占めていて、高度感がまったく表現出来てない。
実際は、かなりビビっていた事を、白状しておく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/a6/cc64f0d5466d45a544206ed390780124.jpg)
先程まで歩いてきた前黒髪と英山。
こうして眺めて見ると、なんて事無さそうな山なんだけどなぁ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/05/04d3e63455059bc91036739e5b918e98.jpg)
何はともあれ昼飯だ。
今回も蓋裏メッセージは無しである。
ズルズルズルーー
先程も書いたが、土曜日と言う事もあり、山頂は登山者で引きも切らない。
あんまりゆっくりもしていられないようだ。
そろそろ降りるかな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/1a/4ecbc4ca74914a32100c583345daa249.jpg)
黒髪山の固有種、クロカミカネコシダの群生地を降りていく。
どれがそうなのかはサッパリ解らん。
帰りは、白川キャンプ場を経由して有田ダムへと降りるルートを取った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/82/9f55f81fde07f10dad5cddc6c37ee69a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/83/a37c07e04821ea3e2ba1e30679bf417a.jpg)
有田ダムまで降りてきた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/94/298db566313820ef67b9c87e57133079.jpg)
湖底まで延びる階段。
何の施設だろうか。
黒髪山のメインルートの、龍門峡から見返り峠を経由して山頂を目指すルートより、今回のルートの方が断然面白かった。
次回もきっとこのルートを登り、ヒョエーを連発しているに違いない。