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Tシャツとサンダルの候

古民家で田舎料理



キャンプ場に一番乗りをした時間から、少し遡る。


小国から万願寺へ向かう途中、丁度昼時となった。

この道は何度も通る道である。

以前から気になっていた、この看板の店に立ち寄る事にした。



農家の母屋を改装した、田舎料理の店だ。




奥には池を配した庭や、白壁の土蔵もあり、かつては、この近辺の豪農だった事が偲ばれる。




お座敷に通された。

メニューは3種類のみ。

高菜めし定食1650円・山菜うどん定食1650円・田舎料理定食2200円である。

メニュー帳には写真も料理の説明もなく、価格が書いてあるのみだ。


定食の中身って、どうなってるんだろう?

悩んでいると、


「山菜うどんがお勧めです。」(店主)


他の二品の立場はどうなるのだと、問いたい気持ちもあるが、当の作る本人がそう断じるのだ。

黙って従うしかなかろう。


「あ、じゃあ・・・それを。」(私)



「山菜うどん定食です。煮物がとても美味しいですよ。」


あれ、うどん君は?

うどん君は何で褒めてあげないの?



オジサンはうどん君の味方だよ。

うどん君から頂くね。


ズルズルズルー


ちゃんと美味しいじゃないか。

麺にはコシがあり、つゆも出汁が良く効いている。

うどん君よ、自信を持つのだ。



「地鶏です。」


ほほう。



「山菜の天ぷらです。」


ひゃー、まだあるの。

お腹いっぱいだぜ。



紅葉の天ぷらか。

苦味なんか全然ないね。


店主が言う通り、小鉢も地鶏も天ぷらも全部美味しくいただいた。



おぞましいあれを除いては。




食事が終わった後、屋内を少し見学させてもらった。


築300年だそうだ。

こういう古民家になると、


「火災保険に入れないんですよ。」(店主)


へー、そうなんですか。

こんな商売だ。

火の用心は、最大限に気を付けなくちゃね。


「でも、この前の熊本地震の時も、びくともしませんでした。」

「本当だ。漆喰のどこにもひび割れがないね。」



御主人は古物の収集癖があるようだ。



「これなんか、現役で使えますから。」

「ふーん。」



じゃあ、これは?

流石に無理か。



勘定を済ませ靴を履いていると、何故か、玄関に置かれた柿を掴み、


「一つ持って行かんですか。」

「あ、はあ。」


貰っちゃった。




そんじゃ、キャンプ場に向かうとするか。

誰か来てるかな?
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