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徒然自己完結

適当な思いつきや感想を、これまた適当に断片的に残しておくだけの日記です。

ルーガルー2

2011-10-16 16:14:46 | 読書
京極夏彦先生のルー・ガルー2

1巻はまだ高校1年のころ。もう内容はおぼろげで余り良く覚えていませんでしたが、読後感の良さはなんとなく覚えていたので購入。
主人公の名前すら、こんな名前だったかな?くらいで、女の子5人出て来るのに4人だと思い込んでいたぐらい、1についての記憶はおぼろげでしたが、とにかく、一日で一気読みしてしまった。

1巻については後日読み返したい。
忘れていても読めるけれど、やはり覚えていれば、と思う部分も多い。

大分、世界観に現実が近づいたのか、こちらの知識が増えたのか、世界観は非常にしっくりきた。とにかく引き込まれてしまった。
各作品に一貫する京極さんの殺人や不条理に対する考え方は、おなじみな感じ。キャラクターもあっちへ突き抜けたり、こっちへ突き抜けたりで、書いていてさぞや楽しかったのではないかと思ってしまう。作家先生の書くという作業がどういう物かは想像するしかないですが、書きながらニヤっとしたのではないか、と思ってしまうような作品だった。この辺りが、読み終わって一息いれて、感想何ぞを書いてみようと思ってひねり出した感想。

ここまでを読み返せば、自分の書いた感想文ながら、この高揚感の伝わらなさがすごい。まぁ、伝わらなくても面白かったです。
何がどうか、と言うよりは、読み終わって、なんだか興奮している自分がいる、そういう楽しさでした。
あ、でもキャラクターみんな好きですよ。私は橡さん非常にすきです。

ちょちょら

2011-08-24 16:09:24 | 読書
畑中 恵さんの作品。この方の作品は気になっていたんですが、初めて読みました。
これは、面白い。

お話もですが、言い回しの妙と言いますか、個人的には主人公が江戸留守居組に任命された時の上司からいただいた言葉が面白すぎて、ぷっと笑ってしまいました。
平々凡々では足りなかったと見える。
素敵です。

江戸留守居組という役職も初めて知りました。
こんな職業があったとは。
情報と人脈。
つて、コネ、日頃のおつきあい。
こういう物を駆使して、藩を守って行くこの職。
お座敷のおつきあい、なんていうと、今は忌避されることですが、何か大事な物があるような気がします。
なぁなぁなの賄賂や付随する腐敗などとは別に、世の中を渡って行くのもそうですが、なにか大きな事、一人の力ではどうにもならないような事をまわしていこうと思うとき大事なのは、早い情報収集と決断、そのための頼れる人脈、結局何よりも大事にするべきはこういう事なのかな、と思います。そのためにお金を使う、時間を使う。そう言う事だって時には大事。
この情報収集と、人脈の駆使はお座敷で行われるべき物で、密室のもの。
こういうものってなんでもかんでも否定する物じゃない。うまく使う事。表と裏の使い分け。そう言うのが大事なんだと思います。
何をしたいのか、何が出来るのか。
平々凡々なんてとんでもない。主人公は運にも助けられてすばらしい情報網と人脈を築いて立派にやってのけます。
わくわくしながら一気に読める、素敵な本でした。
シリーズ化した暁には是非次作も読みたいです。

RDG (red data girl)

2011-08-24 15:55:56 | 読書
実家に帰っての休暇の間に母の蔵書から。

荻原規子さんの作品で、実家には1~3までしか無かったのでまだ4巻は読んでいません。

このかたの空色勾玉(および勾玉三部作)は小学生、中学生、高校生と何度も読み返した大好きな本。今回は暇つぶしに読んでみたんですが、コレが面白かったです。

主人公の女の子が、世間知らず・・・・・・と言うよりは、特殊環境に閉じこもっているのを言い訳に周りが全く見えていなかったのが、周りに対して視界が開けると同時に、自分の事が見えて行くそういった丁寧な中学生から高校生への心理的な成長の描写も丁寧だと思うし、あぁ、そうそうこういうの、突然気づいたりするんだよね、とか個人的には思ったりしました。

ストーリーは熊野だの戸隠だの、修験道だ、忍者だ、陰陽師だ、そんな物が入り交じるファンタジー。でも定番のテーマのなかにも、そうだったんだと勉強になったり、これはおもしろいなっていう設定とか満載で。

3冊を一日で一気読みしました。
面白かった。

ストーリーの持って生き方とか、人の引き込み方とか。流石です。

熊野。すごく行ってみたくなりました。戸隠も、一番下の鳥居までしか行った事が無いんですが、今度上ってみようかな。
陰陽師、とか出てくるとなんかムズムズ、というか、お?とか思ってしまうのですが、天狗だとか神霊だとか、出てきますがそういうファンタジックな派手さはかすむくらい、個人的には、主人公が新しい環境、友人からの影響を受けて変わって行くそういうのを追って行くところにわくわく感を感じました。
はやく、4巻が読みたいです。

光媒の蝶

2011-01-16 14:58:12 | 読書
道尾秀介さんの連作短編集。
AMAZONの策略(笑)にまんまとのって買った本です。
『叫びと祈り』という、梓崎 優の連作短編を買ったら勧められてしまった本。本当に、あのあなたへのお勧めにはやられてしまう。

かなりのペースですいすい読める。
展開の読めそうな中でもどんでん返しもあり。
6この短編どれもぐっと引き込まれる良い連作でした。
群像劇の効果がうまく生きているとでも言うのでしょうか。
6つの短編がそれぞれ1つずつ、6個の事件(最後の2つは事件というほどの事件ではないですが)を扱っている。それぞれの事件に関連は無い。
だから、例えばある1つの事件の犯人や被害者が、幸せな普通の人のように別の事件で見えたりする。
それでいて、まったく完全に切れていない。
うまく作られているなぁ、と感心した。

というか、はやい話が面白かった。
最初一日一章ずつ、とか思っていたのに、二日めにして、読み終わってしまった。

この作家さん、実はこの作品が初めてなんですが、他にも読んでみたいなぁと思いました。

今読みたいほかの本はといえば、
貴志 祐介の 悪の教典
2冊分冊なので、少しためらいつつ。
貴志さんは、青の炎を中学だか高校だかの時(わぉ、もう10年前か)読んで以来好きな作家さんです。
その前に買い込んだ本を読みきらねば。


そういえば、彼の家にあったので、今更ながら『国家の品格』読みました。
言いたい事はうんうん、と思いました。
特に海外へ行って感じる事なんかは、よくわかるなぁ、とか思ったり。
個人的には、作家先生の自負心というか、高い高い自己評価のわりに、むりやり下げてみました、みたいな言い方がムッときたりとか、ちょっと強引な、たとえばカルバン派の教義の一部のみを言及して批判するところなんかに、言いようの無い気持ち悪さがありましたが、(だから少し極論に走り過ぎだなぁとはかんじました)基本的には同意だなぁ、と思っています。
現代の教育に関してもいろいろ言っていて、その辺は確かになぁ、とか思っています。
道徳や教養の問題だけでなく、初等教育の失敗感はゆとり教育をへて、いろいろに多くのひとが感じていることでしょうし、あまり言及されていませんが、大学の教育も、日本の大学は(自分は1つしかもちろん通っていませんが)ちょっとどうかなぁ、と個人的には思っています。
自分が肩までどっぷり浸って感じていることなんですが、今の日本の大学院生(特に博士課程の人間)が使えない理由って、
1.まわりも自分も”学生”扱いで、変に甘やかされている
2.研究を言い訳にする
だと思っています。
25も過ぎた人間に向かって、まぁ、学生さんだからねぇ、で笑って許すなってもんです。
海外の学生と意識の持ち方が違うのが、まず問題なんじゃないかな(これは大学のせいとは言いたくないけれど)。企業側が使いたがらないというのも、そういう”お年を召した学生さん”ばっかりだからというのもあるんだと思います。博士課程とっても重用してもらえない、とか言いますが、大して勉強しなくても、研究室でそこそこ先生の言う事をきいて、まいにち何か手を動かしていれば、なんとなく3年くらいで取れてしまう。もちろんそれなりにがんばらなければいけないのはあたりまえですが。
well-educatedで教養ある人。
私が大学入学した当初は、卒業したらこんな人になれると思っていたんですがね。
べつにつまずきもせずストレートで今に至りますが、学部卒業して、修士もとりましたが、やはり意識を持たないとどうにもならない、と今になってようやく身にしみるというていたらく。

ちょっと話がずれましたが、
教養を身につけつつ、きちんと、たたきこまれるべきことを叩き込むためには、本人にも回りにも意識が必要だよね、とか思ったりしました。国家の品格。
読み物として面白かったです。
文章は、むかっ腹が立つ瞬間が何度かありますが、そのあたりはさらさら読めばいいと思います。

イギリスの田舎町

2010-12-14 00:23:17 | 読書
『英国で一番美しい村々コッツウォルズ』
写真家さんによる、コッツウォルズの町並みの写真とちょっとしたコラム。

風景写真集的なものには、初めて手を出しました。
最近、アーサー王の伝説を読み直してみたり、イギリス熱がちょっと上がり目です。
コッツウォルズといえば、
イギリス老紳士!
若いうちはロンドン、老後はコッツウォルズが出来る英国紳士!ってなんの影響でしょうか?
なんかそういう本でもよんだんでしょうかね?落ち着いた老夫婦のすむ、お庭のきれいな街って印象だったんですが、予想以上にきれいですね。

大学都市のオックスフォードから始まって、30分ほどの間隔でいろいろな村が続くらしい。名前だけは聞いた事があるような村が多い。シャーロックホームズか、ウッドハウスの比類なきジーヴスのシリーズか?それとも他の作品かな?とにかく名前は聞いた事のある村がいっぱい。どれも小さいけれど、個性があってかわいい。庭なんかも本当にきれい。
写真は本当に素敵です。
建物、装飾、ガーデン、自然、その他なんとなく雰囲気の伝わる写真が並んでいて、あぁ、この辺散歩したいなって思います。
間に挟まっているコラムは多すぎず、という感じ。もともとイギリス贔屓な人が期待して行って、おぉ!ってなった時の感想。というかんじでしょうか?とにかく行きたい気にだけは十分にさせてくれる文章が写真にくっついています(笑)
イギリスは一度は行ってみたい国の1つなんですが、今のところ縁が無いんですよね。あとはドイツ。
でも来年か再来年にはドイツは行く機会がありそうです。
イギリスは・・・・・・・。
うーん。出張で回る、とかけちくさい事言わないで、自費で行けよということなんでしょうかね。