貴志祐介 先生
大分前からきになっていて、ようやく新書一冊にまとまったし、ということで購入。
この作家さんは、中学生の時に読んだ『青の炎』からのファンです。
青の炎も衝撃的でした。犯人の視点で、追いつめられて行くのを冷静に見て、捕まらないように、最後には自殺に見えないように自殺する。
そのプロットに引き込まれました。
また、新世界より、も一気に読みました。奇妙な生き物達、奇妙な世界、奇妙な力。そんな奇妙な世界を生きて行く、意図的に集められたほんの少し異分子な子供たちが生きて行く間に起こして行く、たくさんの事。
というわけで、こんかいも楽しみに買って、一晩で読み切りました。
読んで本を閉じて、何とも言えない気分にさせられました。
第1章の最後から、なんとなく変だ、とは思うのですが、中盤で、この人はヤバい、となり、ヤバいっていうか、もうおかしい、おかしいっていうかこれは駄目だ、となります。
犯人の視点にたって、殺人が起こっていくのを見ている訳ですが、どの殺人も、たいした動機もなく、んー、この人じゃまだな、って言う感じで進んで行きます。
だから殺人鬼の出て来るミステリーというよりは、なにか得体の知れない者が人を殺して行くホラーのような。こういうのはサスペンスというのでしょうか?分類は良くわかりませんが、そんな感じです。
貴志先生の本は、ぐいぐいとテンポよく読めるのですが、後半は、それに合わせて”テンポよく”人が死んで行きます。
私は本を読む時には、視点になっている人に共感して読んで行くのを気持ちいいと感じるのですが、共感能力がないという犯人を追いかけて、視点を失って放り出されるような。最後にはどこへ行けばいいのか良くわからないような気になりました。完全な第三者として、理解できない怪物を見るような思いで犯人を見ていたというわけです。そして、これは、他の多数の登場人物が最後にこの犯人を見る時と同じ視点です。つまり、登場人物達も、私もみんな、犯人が理解できない怪物に見える。200ページくらい読んだところではそんなことをするようには全く見えない人が、です。これが本を閉じてのこった、なにか信じがたい人に共感しようとしてしまったような、そういう何とも言えない気分です。
すごい勢いで走り抜けるように読みましたが、正直結構怖かったです。
ホラーじゃないはずなのに、ホラーを読んだ後のような、背筋が寒いような怖さがありました。
しかし、どうしてこんなに読みやすいのか。
また長編を楽しみにしたいです。
大分前からきになっていて、ようやく新書一冊にまとまったし、ということで購入。
この作家さんは、中学生の時に読んだ『青の炎』からのファンです。
青の炎も衝撃的でした。犯人の視点で、追いつめられて行くのを冷静に見て、捕まらないように、最後には自殺に見えないように自殺する。
そのプロットに引き込まれました。
また、新世界より、も一気に読みました。奇妙な生き物達、奇妙な世界、奇妙な力。そんな奇妙な世界を生きて行く、意図的に集められたほんの少し異分子な子供たちが生きて行く間に起こして行く、たくさんの事。
というわけで、こんかいも楽しみに買って、一晩で読み切りました。
読んで本を閉じて、何とも言えない気分にさせられました。
第1章の最後から、なんとなく変だ、とは思うのですが、中盤で、この人はヤバい、となり、ヤバいっていうか、もうおかしい、おかしいっていうかこれは駄目だ、となります。
犯人の視点にたって、殺人が起こっていくのを見ている訳ですが、どの殺人も、たいした動機もなく、んー、この人じゃまだな、って言う感じで進んで行きます。
だから殺人鬼の出て来るミステリーというよりは、なにか得体の知れない者が人を殺して行くホラーのような。こういうのはサスペンスというのでしょうか?分類は良くわかりませんが、そんな感じです。
貴志先生の本は、ぐいぐいとテンポよく読めるのですが、後半は、それに合わせて”テンポよく”人が死んで行きます。
私は本を読む時には、視点になっている人に共感して読んで行くのを気持ちいいと感じるのですが、共感能力がないという犯人を追いかけて、視点を失って放り出されるような。最後にはどこへ行けばいいのか良くわからないような気になりました。完全な第三者として、理解できない怪物を見るような思いで犯人を見ていたというわけです。そして、これは、他の多数の登場人物が最後にこの犯人を見る時と同じ視点です。つまり、登場人物達も、私もみんな、犯人が理解できない怪物に見える。200ページくらい読んだところではそんなことをするようには全く見えない人が、です。これが本を閉じてのこった、なにか信じがたい人に共感しようとしてしまったような、そういう何とも言えない気分です。
すごい勢いで走り抜けるように読みましたが、正直結構怖かったです。
ホラーじゃないはずなのに、ホラーを読んだ後のような、背筋が寒いような怖さがありました。
しかし、どうしてこんなに読みやすいのか。
また長編を楽しみにしたいです。