以前、平安時代の和泉式部を書いた漫画があって、かなりよく調べられていたんですが、その中に藤原の道長が紫式部に手を出そうとして、嫌がる紫式部を自室へ連れて行こうとしたのですが、その時に色恋に長けていた和泉式部が救ったという話があります
もちろんこれは創作ですが、そういう事があってもおかしくありませんね
紫式部は実は同性愛者なんじゃないかという声もあります
これはまあむしろ納得するというか、そうなんだという感じです
日本でも西洋でも作家が同性愛者というのは結構あるし、むしろそういう人のほうが恋愛小説が得意だったりします
おそらく、男女の恋愛を客観的に見れるからでしょう
紫式部は宮仕えをしていましたが、彼女は宮仕えしている間、誰とも恋愛をしていません
これは非常に珍しい事で宮仕えというのは男性と顔を合わせる機会が多い職業ですから(この時代女性は基本的に顔を男性とは合わせない)そういった男性からの秋波というか、そういった欲望を何とかかわしたり、あるいは受け止めたりしなければいけない職業で、そういった中で泳いでいかなければならない
その中で誰とも恋仲にならないというのはかなり強固な意志がないとできない
ある青年貴族が「こちらに若紫はいらっしゃるか」と言って紫式部のいる部屋に入ってきたらしい
その時紫式部は「光源氏でもないのにそんなこと言わないでください」と突っぱねている
これは当時非常に珍しい事でそもそも断るにしてもこんなにはっきりと拒絶するのは風情がないし、反発の的になる(男女ともに)
彼女はなぜここまで男性を拒否したのだろうか?
もちろん彼女が男嫌いで実は同性愛者の毛があるのも一因だが、それだけではない気がする
つまり彼女は男性と恋愛することによって、他の女房達の嫉妬やうわさ話の的になることを恐れていたのではないだろうか
つまりその辺が歌人として有名だった父を持った清少納言と違い、後ろ盾がない彼女がねたまれずにやっていく処世術だったと思う
つまり宮中における力のなさ加減が清少納言と紫式部の性格の違いとして現れた気がする