今月は三部構成になっていてワタシの夏休みってことで
三部通して観てきました。
◆第一部
「慶安太平記」
最後の立ち廻りが凄かった。
縄をネットのように四方八方に通して屋根から飛び降りたり
戸板を梯子のようにして駆け上がったり
怒濤の立ち廻りは迫力満点。
気合いとともに次々と魅せてくれる橋之助さん。カッコヨカッタ~~
「近江のお兼」
福助さん扮する力自慢の田舎娘が荒馬を手なずけ(初めて歌舞伎の馬を観た!)
二人の若者を簡単に倒してしまう娘を舞踊で魅せる。
長~い晒しを新体操のリボンのように振りながら舞うのは綺麗だったな。
けど、長さも幅もある布を振るのは大変だろうなぁ
「たのきゅう」
民話を元にした新作舞踊劇。役者さんがみんな楽しそう。小ネタも出てきたり。
やけに小さい楽屋セットや、やけに大きな鬘とか(最後はミニチュア歌舞伎座まで)デフォルメされたセットとかが面白かった。
◆第二部
「吉原狐」
まるでホームコメディを観てるよう(笑)
そそっかしい芸者おきち役の福助さん、ハマリ役だと思った。
三津五郎さんとの親子関係も良い感じだったし。
お座敷で同業の芸者(橋之助さん)とのバトル(?)は
まるで兄妹げんかのようで面白かった。
我が儘な殿の染五郎さんもハマってた。
後半は追われる身となり落ち延びさせてもらおうと、おきちの家に入り
刀で脅すもおきち親子の事で相手にされずに、
すっかり無視され憮然としてる姿が可笑しかった。
そんな落ちぶれちゃった殿を諭すおきちの父、三五郎のシーンは良いシーンでした。
「団子売/玉屋/駕屋」
舞踊三本。それぞれ踊りの上手い人達なので
じっくり観させていただきました。
◆第三部
「南総里見八犬伝」
見せ場が満載で面白かった!
この芝居で唯一笑わせてくれた亀蔵さん。
浜路との婚儀の為に訪れるんだけど、席につくと
青いハンカチで汗を拭いていた。ハンカチ王子(笑)
誰かがやるだろうとは思ってたけど、ここで使いましたか。
そんな前半の見せ場、献上するはずの刀は、すり替えられていて間者と疑われた
信乃が大屋根での立ち廻りの場面は、見応えありました。
そのあと現八と争い屋根から落ちてしまうって話だけど、どうなるのかと思ったら
なんと大屋根が二人を乗せたまま後ろへ倒れていくじゃないですかっ。
「がんどう返し」と言うのだそうで。かなり垂直になってきても二人は立ってました。
思わず「すげ~」と声にだしてしまった(笑)
後半は毛野(福助さん)が仇の屋敷に女田楽として入り込み
女だと思って近づいてきた敵を討ち果たす。福助さん凛々しかったなぁ。
今月は普段やらないような役所を演じていたり
ケレンみたっぷりで面白かったなぁ。