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産むと決めてから産むまでの記録+育児。

「仕事が楽しくて辞めたくないけれども子供も欲しい…」と2年悩んだ末思い切って妊娠!した私の妊娠~出産~育児の記録。

『えらぶお産』

2007-04-21 09:36:44 | 妊娠・出産関連書籍
『えらぶお産』
大葉ナナコ

ものすごく「今更…」な感じですが(もう妊娠9ヶ月…そして出産方法を選んでしまった後なんだもの)、近々、大葉ナナコさんの講座(マタニティ前期クラスマタニティ後期カップルクラス)を受講予定ということもあって、読んでみました。


感想を一言で言うとすると・・・「もっと早く読んでおけば良かった!」という感じ。妊娠前に、いや、もう、月経が始まった段階で読んでおくべきでした(そんな昔にはこの本なかったけど・汗)。

第1章では女性の体の仕組みについて書かれているのですが、これが実に、自分の体が愛おしくてたまらなくなるような内容なのです(小学校のときに保健体育の授業でやるような、単なる仕組みの説明ではなく…ね)。加えて、月経の血で健康状態が分かるとか、毎月の月経がちょっと楽しみになるような情報も。これを知っていれば「あーもう、また生理きたよ…」とブルーにならずに過ごせていたのに・・・と後悔。そして、これまでの何十回という月経をブルーな気持ちで迎えてしまっていたことにも後悔。楽しんで迎える、とまでは言わないけれど、もっと大事に考えていたらよかったのになあ。

第2章は妊娠の仕組みと産み場所・出産方法について。これも、保健体育の授業みたいに「精子と卵子が出会って云々・・・」ということだけじゃなくて、もっと深い内容。妊娠って、すごい奇跡なんだなあって。今、自分のお腹にいるちびたが、ものすごく奇跡のように思えてしまいました。
それから、卵子にも個性があって、また、得意な(=妊娠しやすい)季節・苦手な(=妊娠しにくい)季節なんかもあること、妊娠しやすい体を作るにはどうしたらよいか・・・など、妊娠を望んでいる人にとっても役立つ情報が書かれていました。
そして、これから出産場所を決める人に役立ちそうなのは、産み場所・出産方法についての特徴などが書かれている部分。私が読んだ本の中でもこれは、すべての場所・方法についてひいき目なくちゃんと書かれていると思いました(例えば、助産院推奨派の本だと病院の、大病院推奨派の本では助産院の悪口が、暗に書かれていたりすることも少なくないのですが・笑)。
私は特に病院の産科について書かれている部分で、はっとするところがありました。私は、病院の医師や助産師が自分の赤ちゃんに対して冷たい、というか、モノを扱うように扱っているように感じてそれを不満に思っていたのですが、それは不満に感じてはいけなかった、と反省。当たり前だけど病院というところは、必ずしも赤ちゃんを産むだけの場所ではない。医師は中絶手術も担当するし、中期中絶で取り出したまだ元気に生きている赤ちゃんを助産師が看取ったりもする…。そんな大変な労働状況にあって、おめでたいことと悲しいことにいちいち感情移入をしていたら、心が壊れちゃいますよね。そんな中で、日々妊産婦と赤ちゃんの命を救おうと頑張ってくれている病院の医師・助産師の方々がいてくださるから、私は安心して自宅出産を選ぶこともできたのだなあと、これまでの自分の考えの至らなさを恥じると共に、感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになりました。

第3章は「産む?産みたい?産みたくない?」というタイトルで、心の整理方法などが書かれていました。以前私は「できちゃえば産めるのに、積極的に妊娠する決心がつかない」と思っていたのだけど、そういう状態の時にこれを読んでいれば、もっとすんなりと心の整理ができていたかもしれない。


この本を読み終えて、大葉ナナコさんの講座はおもしろそうだ、と思えました。前期・後期の講座をカップルで受けるとかなりのお値段になるので躊躇してましたが、さらに安産仕上げクラスも受けちゃってもいいんじゃないの!?とまで思ったり(笑 さすがに前期・後期を受けてから再検討しますが。

もし我が子が女の子だったとしたら、月経になったら真っ先に(お赤飯を炊くより先に)この本を贈りたい。そんな気にさえなりました。これを読んでくれたら、月経も、自分の体のことも、妊娠・出産も、すべて愛おしくて楽しいと思って、女性であることを楽しんで生きてくれる気がします。

『ママのおなかをえらんできたよ。』

2007-01-07 20:35:57 | 妊娠・出産関連書籍
『ママのおなかをえらんできたよ。』
池川明著

母親の体に宿る前~胎内での記憶(所謂「胎児記憶」)について、子供が話した言葉をまとめた本です。
これらについては、勿論科学的な証明は出来ていないのですが、
●妊娠中に結婚式を挙げた夫婦の子供(子供はそのことを知らない)が「ママのおへそから外を見ていたら…」と結婚式の様子を話し始めた。
●亡くなってしまった子の下に出来た子が「おにいちゃんと遊んでた」と話した。
など、作り話として片づけてしまうことはできないような子供の発言が沢山あります。

ほんわか嬉しくなったのは、子供が自分で生まれる家を決めてきた、ということ。
大きく分けると、「自分で決めた」子と、「おじさんに『あの家でいい?』と聞かれて、『うん』と答えて決めた」子、2パターンいるみたいですが(笑)、いずれにしても子供は自分の意志で私のおなかにやってきたのだなあと思うと、おなかの中でも生まれてからも心地よく過ごせるようにしてあげたいと思います。

死後の世界同様、実在するかどうかはさておき、それを信じることが精神的にプラスになるのであれば、とても良いことだと思います。
私は単純なので、今、空の上で地上に降りるのを待っている二人目・三人目の子が「やっぱりあの家やーめた」って言わないように、今胎内に居る子をしっかりと産み、育てよう、なんて思っちゃってます。

『贅沢なお産』

2006-12-22 23:19:18 | 妊娠・出産関連書籍
『贅沢なお産』
桜沢エリカ著

ブランドものの買い物と夜遊びに明け暮れていた36歳(当時)の漫画家・桜沢エリカさんが選んだ出産は、格安だけどこれ以上ないほど贅沢な「自宅出産」だった-。
ということで、自宅出産を選ぶに至った経緯と自宅出産までのあれこれが書かれている本。時折マンガありだし、難しいことはかかれていないのでサラリと読めます。

昨日まで夫婦二人で過ごしていた何気ない日常の延長線上に出産があり、それを経てこの世に赤ちゃんが生まれる。昨日と何一つ変わらないのに、家族が増えている。いつも寝ているベッドに横たわりながら隣を見たら、昨日まではお腹にいた子がすやすや眠っている。
よく考えてみたら当たり前だけど得難い幸せ。ああ、贅沢だ、と思いました。
そして桜沢エリカさんは結局、2人目も自宅出産!
それを知ってますます「自宅で産みたい」と強く思うきっかけになりました。

まずはかる~く「自宅出産ってどんなもんじゃ?」とちらりと覗いてみたい人にお勧めです。

『分娩台よ、さようなら-あたりまえに産んで、あたりまえに育てたい』

2006-12-19 23:13:38 | 妊娠・出産関連書籍
『分娩台よ、さようなら-あたりまえに産んで、あたりまえに育てたい』
大野明子著

子供が元気に産まれてきさえすれば、出産は大成功-。
それはそうかもしれないけれど、それよりも一歩欲張って、
「赤ちゃんにとって、自分にとって、家族にとって、幸せなお産ってなんだろう?」
「満足できるお産ってなんだろう?」
「また産みたいと思えるお産ってどんなお産だろう?」
「本当に安全なお産ってどんなお産なんだろう?」
ということを考えるきっかけになった本でした。

若干、自然出産に偏っていている感は否めませんが、この本に書かれていることはどれもロジカルでデータに基づいたものであり、説得力があります。また、著者の大野明子医師は初めから助産院出産や自宅出産しか経験をしていないわけではなく、愛育病院や日本赤十字医療センター等の病院勤務を経て「時には医療の力は必要だけれども、そうでないお産なら自然出産だ」という結論に至っており、その点も説得力があります。
自然出産推奨ではありますが、医療介入をすべて否定しているわけではなく、本当に医療の力(陣痛促進剤の使用、帝王切開、会陰切開など)が必要なケースや、医療の力を借りなくても産める体にするにはどうしたらよいか、ということについても書かれているので、どこで産む人であっても、読んでおいて損はないと思います。

例えば帝王切開。帝王切開をしなければ助からないケースもあることは事実です。しかし、病院での平均的な帝王切開率は10%~20%にも及ぶそうで(年々増えているそうです)、仮にすべての帝王切開が必要なものであったとすると、5人~10人に1人、帝王切開でないと助からないケースがあったということになります。いくらなんでも多すぎる気がしませんか。
大野明子医師の言葉を借りて言うならば、"人間というのは随分と長い間、子孫を繁栄し続けてきた非常に強い種"なのであって、それが、つい最近出来た帝王切開手術がなければ10%~20%もの命が失われていたとは考えにくいように思います。
ではなぜ、帝王切開のケースはこんなに多いのでしょうか。帝王切開でなくても大丈夫かもしれないけど安全を取って、というケースもあるでしょう。それは手術を受ける側が納得しているならば批判することではないと思いますし、状況によっては私も受ける可能性があると思っています。
しかし・・・この話を聞いたとき思わず絶句したのですが、「明日は病院の休日だから早く産ませたい」「帝王切開の事例が欲しい」「(医師が)あと少ししたらゴルフに行かなくてはならないから」などという病院側の勝手な都合で行われる帝王切開も、この10%~20%という数字の中には含まれているそうです。

いくらなんでも、そんな勝手な都合で安易にお腹を切られて良いはずはなのですが、それが安易な判断なのか本当に必要なのかは、知識や判断基準を持っていなければ、一人の医師の判断に黙って従うしかないわけです。生まれそうなその時に、セカンドオピニオンを聞いている暇などありません。術後、「帝王切開でなくても産めたのに」と後悔しても遅い。
この本には、そういうときに「ん?待てよ?本当にそれしかないのか?」と考えさせてくれるための情報が詰まっています。本当にその方法でなくてはならないのか、他に手段はないのか、また、それによるデメリットは何か、そして「お産医学は予防医学」というように、それ以前にそういうトラブルが起きないようにはどうしたらよいのかなどが非常にわかりやすく説明してあります。

妊娠・出産に関しては、知識を付けるなら一日でも早い方が良いと思います。なぜかというと、妊娠が進めば進むほど、転院が難しくなるからです。だからなるべく早い段階で知識をつけて、病院にいろいろな質問をぶつけて、自分にとってその病院が本当に良い病院なのかを見極めていくことが大切であると思います。

ただでさえ痛くて大変な出産。心と体に不必要な傷を負わないために、ぜひ、すべての妊婦さんとそのご家族にオススメしたい一冊です。