goo blog サービス終了のお知らせ 

産むと決めてから産むまでの記録+育児。

「仕事が楽しくて辞めたくないけれども子供も欲しい…」と2年悩んだ末思い切って妊娠!した私の妊娠~出産~育児の記録。

産みたいと思う・思わせるために

2006-08-22 00:01:40 | 妊娠前
オールアバウトジャパンの記事、【「産みたくない」という妻を持つ夫に】を読んだ。
読んで気が付いたことだが、どうも最近、妊娠・出産のすばらしさやメリットを訴える情報が少ないように思う(私自身もこのブログでマイナス要素を多く揚げてしまい、反省)。

つわりは大変で、出産はとてつもなく苦しく、キャリアを諦めなくてはならず、時間的・経済的自由は奪われ、体型も崩れ、夫からは女として見られなくなる・・・こんな情報ばかり耳にしてしまえば、産みたくなくなって当然だ。
もちろん、良いことばかりではないという事実を知っておく必要はあると思うが、その前に妊娠・出産のすばらしさを十分に知って産む決意を固められる環境でないと、産むことを躊躇う人が多いのも当然だろう。
少々話が飛躍するが、少子化対策を考える際には、出産・育児の負担を軽減する具体的対策に加えて、出産・育児のすばらしさを伝えていくシステムもあれば、相乗効果が期待できるような気がする。


出産・育児のすばらしさを知る手っ取り早い方法は、やはり、身近にいる経験者の話を聞くことだろう。親でも友達でも誰でも良いと思うが、私はまずは、母の話を聞いてみようと思う。

私の母は、三回の出産で四人の子供を産んだ。
一度目の出産は、子供が逆子で、丸二日かかった上に仮死産であった。
これに懲りず、二度目。今度は子供が大きく、やや難産であった。
それでも懲りず、三度目の出産。今度はなんと双子。しかも三十代後半での出産。二度あることは三度ある、またしてもやや難産であった。

こんなに大変な目にあっても何度も産んだ人が身近にいるのである。余程、良いことがあるに違いない。

「未妊-『産む』と決められない」(河合蘭 著 生活人新書)

2006-08-17 23:20:44 | 妊娠前
この本を読んだのは半年くらい前だったと思う。
周囲のベビーブームに焦りを覚えながら、一方でもっとおもしろい仕事をしたいと強く思い、この(同時には)両立し得ない二つの感情の間を常に行き来していた。仕事を楽しみながらも、会社での昼休み中にすれ違う赤ちゃんを見ては日々刻々と古くなっていく卵子を思い、「誰か決めて!」などと思っていた。自分でもどうしてよいのか分からない状態だった。いっそのこと出来ちゃえば何の迷いもなく産めるのに、積極的に妊娠をするのには躊躇いがあった。
そんな時、雑誌に紹介されていたこの本。紹介文を読んで「ああ、私のことだ」と思い、すぐに購入した。

生涯DINKSで居ようと思っているわけではないのに、結婚して何年もの間、子供を作らずに過ごしている人たちのインタビューが中心となっているこの本。ただひたすら頷きながら読んだ。
仕事を続けたいから、夫婦二人の生活を楽しみたいから、二人で働く事を想定して住宅ローンを組んだから。さまざまな理由で子供を持たずにいるもののの、産まないと決めているわけではなく、皆「子供の居ない人生は考えられない」と仰る。

この本は、産む事を薦めているるわけでも、産まない事を否定しているわけでもない。この本が伝えてくれていることはただ一つ、
「何歳になっても妊娠・出産できるというのは大間違いであって、歳を重ねればそれだけ妊娠しづらくなるし、出産のリスクも増える。いつか子供を産みたいのならばそのリスクを理解した上で産み時を逃さないように。」
ということだ。

頭を殴られたような感覚だった。
「三十歳までに一人は産みたい」と漠然と考えていた。三十歳までなら何も変わらないと思っていた。三十歳という年齢は、例えば二十歳に比べると妊娠しづらいだなんて考えたこともなかった。私は今二十八歳。最も妊娠しやすいというピークは過ぎて、下り坂に入っている。正直言って、ショックだったし、とても考えさせられた。
幸いにもまだ間に合う年齢。この歳でこの事実を知ることが出来て幸運だと思った。

「そもそも避妊できるからおかしくなっちゃってるのよ」とある知人は言う。「ヒトだって動物。第一の使命は子孫を残すことであって、仕事ではない」
本来、産む産まないなんて選べないものなのだ。それが選べてしまっているから、動物として当たり前のことができなくなっている。
「結婚したら、自然の摂理に従えばいいのよ。子供が出来れば出来た時に産む。それだけ。避妊していた今までが寧ろ間違っていたというだけのこと」
なるほどと思った。しかしその当たり前のことがなぜか難しい。そして、そう感じている女性が決して少なくないというのが現状なのだ。

ブログ開設にあたって

2006-08-15 22:08:41 | 妊娠前
三十歳まであと二年。夫婦二人の生活ももう直ぐ丸二年になる。一年にニ~三回海外旅行に出かけるなど、夫婦二人の生活も楽しんだし、そろそろ子供を!と決心したのがつい先日のこと。
この決心に至るには随分と時間がかかった。悩みながらいろいろなサイトや本を読むうちに、私と同じような悩みを持つ女性が多いことが分かった。「同じ悩みの人がいる」と分かるだけでも心強い。私も、自分の思いや経験をリアルタイムで語って、それで誰かの心が軽くなるのなら…と思ってブログを書くことにした。

-----

「子供は是非産みたい」-昔からそう思っていた。しかし、先述の通り、いざ「産もう」と決断するのには、かなりの時間を要した。

女性にとって子供を産むということは、半年以上にも及ぶ不自由な妊婦生活、鼻からスイカだとか惑星だとか言われるほどの産みの苦しみ、そして生命の危険(※1)が付きまとう。そして勿論、産めば終わりというわけでもない。産みの苦しみを乗り越えて晴れて母親となったならばその当日から、ニ~三時間毎の授乳に始まる怒涛の育児。漸く幼稚園に通い始めたとなれば、派閥も多く大変だというママ同士のお付き合い。その後、受験戦争、思春期の問題(全員ではないと思うけれど)。それから子育てにかかるお金の問題もある(一人数千万だというではないか)。こうして少し挙げてみるだけで、もうそれ以上考えたくないような問題が山積み。

「二十八歳なんていい歳した大人じゃないか。それくらい決断できなくてどうする!」「あなたのお母さんもそうやってあなたを育てたんじゃないか!」とお叱りを受けるのもご尤もだと思うけれど、自分のことだけを考えてのほほんと生活してきた人間が、これだけ問題が山積みの分野に自ら飛び込もうと決断をするのは容易ではなかった。


一番心に引っかかるのは仕事だった。
なんだかんだ言っても仕事が好きな私。所謂「出世願望」を強く持っているわけではないけれど、より大きなプロジェクトをより責任のある立場でまわしていきたいと常々思っている。

しかし、妊娠した時点で、キャリアコースからは脱落せざるを得ない。妊娠中は自らの体調不良で、また出産後は子供の体調不良で(熱を出している子供は保育園で預かってくれないそうだ)、急な欠勤が増えることが予想される。制度上、妊婦や子供を持って働く人への優遇措置があるとは言え、妊娠・出産前に比べて処理できる仕事量が減るのは事実だし、残業などの無理が利かなくなるのも事実。結果、責任ある仕事(=おもしろい仕事)を任される機会が減るのはやむを得ないと思う。私が経営者ならば、やはりそう判断するだろう。
キャリアコースを諦めて作業員としてでも働ければまだ良いほうだが、生まれてくる子供の健康状態やその他の事情によっては、もう二度と仕事に戻れない可能性だってある。つまり「産む」と決断するにあたり、最悪の場合、もう一生仕事復帰はできなくても仕方ない、それでもいいんだ、という覚悟が必要だった。そして、それでも後悔しないためには、ある程度の達成感が必要だった。

そんなことを考えていた矢先、ここ数年細々と頑張っていたプロジェクトが日の目を見た。開発単体で仕事を戴いていた企業から、総合的なコンサルの依頼を受け、社内でプロジェクトチームを結成することになった。そして私はその全体のマネジメントを任された。これからさらに仕事がおもしろくなる。やりがいも大きくなる。なんて刺激的!物凄く興奮した。「やっぱり今のタイミングでは辞められない」-そう思った。

だけどよく考えてみると、仕事をしていくと一定の期間で刺激的なことが訪れる。それもよりによって、前の刺激が弱まりかけた、とても良いタイミングでやってくる。「あと1回だけ…」ついついそう思ってしまう。しかし、そうやって刺激の"おかわり"を続けていたら、気が付いた時には産めない歳になってしまう気がした。

そこで逆転の発想。この一件を自分の成果として見てはどうか。これはつまり、そのクライアントからこれまでの自分の働きを高く評価してもらったということだ。これで十分ではないか。それに元々、二十代で一人産みたいと思っていた。年齢的にも良い時だし…と、決心をすることにした。
決心をした後はひたすら、自分の気持ちが揺らがないように駄目押しも兼ねて、出産本・育児本を読み漁った。幸いにも「キャリアを捨ててでも産んでよかった」という内容が多く書かれていて安心した。自分の子供を育てる以上に大切な仕事なんてない、そう思えて、自分の決断に自信を持つことができた。

しかし、100%吹っ切れているかというと、現時点ではそうとは言えない。出産なんて気にせずに仕事に没頭している同世代の女性がまぶしく思えることも多い。
私の周囲の二十代後半といえば、結婚している女性自体がまず少数派。まして妊娠・出産なんて話題にさえ上がらない。丁度仕事が面白くなってくる年齢で、お給料もそこそこ上がり、生活にも余裕が出てくる歳。働き盛りの遊び盛りだ。
このタイミングで出産・子育てとなると、自分だけがキャリアも自由も失うような気になる。この事実は、これから先、結構なストレスになりうるし、正直、羨ましく思うことも多いだろうと思う。

でも今は、完全には吹っ切れていなくても構わないと思っている。出産して初めて吹っ切れるものだと思っているからだ。「可愛い我が子を目の前にしたならば、失ったキャリアや自由の代わりにこんなに素敵な宝物を手に入れたんだ、って心から幸せに思えるよ」と、キャリアアウトして子育てをしている知人達は口を揃えて言う。まさに「按ずるより産むが易し」なのだろう。


ところで、今、私が一番求めているのは、私のこの一大決心への周囲の理解だ。
仕事上、特別重要なポジションに居るわけでもないし、私が居なくなったならば代わりの方がそつなく業務を遂行してくださるであろう。歯車の一つと言われてしまえばそれまでだ。だけども、私は私なりに一生懸命仕事をし、小さいながらも実績を残してきた。それが絶たれるのは本当に悔しい。出来る事ならば子供も仕事も両立させたいけれど、泣く泣く仕事を諦めようと決めたのだ。自分が男性だったらこんな思いをしなくても良かったのに…と思うが、それはどうしようもないことだから、心の中にしまうことにする。

繰り返しになるが、ここまで決めるのには、本当に勇気が要った。だから、せめて家族だけには、この私の気持ちを理解して、あたたかく見守ってもらえたらと思っている。


<注>
※1)妊娠により生命が脅かされるというのは、決して大袈裟な話ではない。出産は棺桶に片足を突っ込むようなものだと昔から言われている通り、世界では10万人に400人(医療の発達した日本でも10万人に約7人)が妊娠・出産が原因で亡くなっているという。