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いいむろなおき 「マイムな日々」

親友のカズこと三谷和之が旅立った

2018-03-24 16:47:00 | その他の情報
はじめにカズが山で亡くなったってメッセージを共通の友人からもらった時に「誰だよ、カズって?」と返信した。
カズが三谷和之であることはわかったけど、亡くなったってところとつながらず、全く理解できなかった。(今も理解できていないが…)
富士山での滑落事故のニュースに三谷和之(48)って出てても全く実感が湧かない。

僕がマルソーの学校を卒業した年の夏、東京でマルセル・マルソーの絵の個展があって、そこで三谷和之と出会った。
確かマルソーに紹介されたんだったと思う。
僕が22歳、カズが24歳。
第一印象は「生意気そうなヤツ」多分、向こうも僕を見て同じ事を思っていたと思う。
その年、カズもマルソーの学校に入学。
その後パリで「M comme MIME -MはマイムのM-」というグループを作った時に入ってもらった。
「M comme MIME -MはマイムのM-」はパリ、東京、大阪と公演した。
荷物満載の車を2人で大阪から夜中走らせてそのままヘトヘトで東京の劇場入りしたのもいい思い出。

カズとの思い出は他にもいろいろあって、2人でパリでストリートパフォーマンスやって、そこそこ投げ銭集めたのに最後にラジカセを壊してしまい、全て修理代に消えた…とか、今では笑える話だ。

カズが好きだったミチコちゃん(仮名)の家に2人で誕生日のお祝いに行った夜の帰り道、告白できなかった事を悔やんで大声で「ミチコちゃん!好きだー!!」ってカズが叫んだすぐ後に、ミチコちゃんが「カズさんお財布忘れてたよっ」て追いかけてきて…その時のカズの慌てた顔(笑)
(残念ながらミチコちゃんにその声は届いてなかった)

カズのベタなアメリカンジョークや小話で何度呼吸困難になるくらい笑ったか。
(カズはパリに来る前はアメリカに住んでた)

たくさんケンカもしたし、たくさん一緒に食事もしたし、たくさん一緒に笑った。

僕が日本に帰ってきてからもいつも公演観に来てくれて、散々ダメ出しされた。
でもいつからか、「なおきはすげーな」とか「なおきの作品は楽しいな」なんて言うようになって、照れくさいのとカズらしくないからちょっと居心地悪かった。

去年の東京公演「doubt-ダウト-」も観に来てくれて、「なおきは集団のアタマをとってこうやって公演活動続けているのは偉いな」なんて言われてやっぱり居心地悪かった。
握手して、公演後の僕は汗だくだったから遠慮がちにハグした。
結局、直接会ったのはそれが最後になった。

僕のことを「なおき」って呼び捨てにしてくれる唯一の仲間だった。
優しくて、繊細で、勉強熱心で、自然を愛する弟のような兄貴で盟友で親友だった。

まだしばらく僕はこっちにいて、バリバリやっていくつもり。
次にカズに会う時に恥ずかしくないように。








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