かわらないもの

所用の帰り、昔通っていた大学の駅を通りかかったので、ふと降りた。

よく考えたら今の家から比較的近いのだが、大学を出てから１３年。一度もこの駅を降りていない。

電車を降りると構内は以前とは全く違うおしゃれな文具店とかわらない立ち食いそば屋。

駅を出ると昔からあるパチンコ屋。しかし、それ以外の店はほとんど変わっていた。

おいしいラーメンでもないかと思って少し歩いたが、たまたまかつぶれているのか、閉まっていた。

ふと、昔を思い出し、反対側の商店街へ。

懐かしい。１３年前とほぼ変わらない店ばかり。こちらは１３年前を思い出すに十分なだけ元の姿が残っていた。

いつも部活の後に仲間と行っていたラーメンチェーン店へ。ここでちょっとした誤解から昔Ｎ氏を思いきり殴ったっけ。あらためてゴメンなさい。

入ろうとしたら、店の入り口に男子４人、女子３人の学生らしき集団が談笑していた。

「並んで待っていらっしゃるんですよね？」

と聞くと、感じのいい学生さんらしき男の子が、

「僕たち人数が多いから席空くの待ってるんです。おひとりだったらカウンターが空いてると思いますので、お先にどうぞ。」

と言ってくれた。

実に気持ちがよかった。多分、垢ぬけない格好のこの子たちを見ると、間違いなくうちの大学の後輩だと思う。俺たちも昔はこんな垢ぬけない感じだったろうなぁと。

うちの大学の垢ぬけなさも、変わらないものの１つだ。しかし、これもいいもの。

おそらく地方で純粋に育ち、勉強に打ち込んで、晴れて大学に合格して、田舎の両親の期待を背負って出てきた青年達なんだろう。都会のスレた人間性を一切感じさせない話し方に感動すら覚えた。この子らがいれば日本は安泰だ。

久しぶりに食べたラーメンはうまかった。