
いい作品でした
時差ボケ対策で飛行機でしっかり寝るために、映画をもう一本見ました。
グラン・トリノ
クリント・イーストウッドが監督・主演のこの映画、先日の荒野の用心棒とは全く違う心の機微の変化がうまく表現されていて良かったです。
戦争体験の懺悔、妻の死、自身の病気、子供達との不和と自分自身が精神的に追い込まれる一方で愛車グラン・トリノがきっかけで隣人のモン族の子供達と徐々に打ち解けあうことに安らぎを覚えるという描写。その隣人の幸せを奪うかのように付きまとうモン族のチンピラの妨害。堪忍袋の緒が切れた時、こういう戦術に出るのかと。慈愛と戦争時の自分の所業に対する懺悔と自己犠牲が生む新しい幸せと全てを兼ね備えた打ち手でした。
前半では、フォードで働くクリント・イーストウッドが、トヨタのセールスである息子と反目しあうところ、また黄色人種差別発言を繰り返し、隣に越してきたモン族に良く思っていないところのマイナスのスタートから、打ち解けるにいたる過程の描写も抜群によいです。
最後の戦いに臨むところは、タクシー・ドライバーのロバート・デニーロを思い出しましたし、最後の遺言の下りは犬神家の一族の冒頭のシーンを思い出させます。ある意味、そこで、子供達との不和に対しては見切りをつけた訳で、それはそれで報いをうけた感もあり、スッとしました。
改めていい作品だと思います。