先日、東京に行った時に新宿のdiskunionで中古CDを物色しました。diskunionは、大阪にもあるのでよく行きます。たくさんのCDがあって嬉しいし、これまでの関西の中古やさんとは、比べものにならない品揃え。それでも、東京に比べると…。やはり東京ですね。新宿のお店は行くたびに、店舗が変わっているような気がしますが、欲しいなと思うCDだらけと言ってもいいようなお店であります。新宿以外のお店にも行ってみたかったのですが、時間的に余裕がありませんでした。
そこで今回もそれなりに買ってきました。その中からヘンデルのオラトリオ『ペルシャザール』であります。トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートによる演奏。1990年7月ロンドンでの録音です。またまたヘンデルで申し訳ありません。ヘンデルの歌劇やオラトリオ、たくさんあります。私は、聴いたことのないものが多いので、新しい曲を聴く喜びが一杯なんですねえ。加えて、これらの曲にはヘンデルのよさが実に実感できるのでありました。
それで、このCDのブックレットに、元の持ち主さんが購入したときのレシートが挟まっていました。それによると、1991年10月15日に石丸電気レコードセンターで購入とあります。石丸電気って秋葉原でしたか。2003年あたりに行った記憶があります。レシートには5品購入されていて、マゼール、ピッツバーグのタンホイザー1980円。アーノンクールのコシ5940円、カザルスの無伴奏チェロ3160円、ハイドン十字架上の2180円、そしてこのベルシャザール6240円。おそらく発売直後だったんでしょうね。合計19500円ということでした。2万円もCDを買うとはなかなかですねえ。もう30年以上前。CDも高かった。というか安いのがなかったんですね。因みに、私はこのペルシャザールは1300円で買いました。まあ中古ですから、お許し下さい。
そんな下世話なことはさておき、このベルシャザールは、ヘンデルが1744年に作曲して翌年上演されたオラトリオ。旧約聖書「ダニエル書」を題材にしています。バビロニアの暴君ベルシャザールが、ペルシャ王のキュロスによって討たれるお話なんでしょうね。オラトリオって、私的にはバッハのカンタータの規模の大きなもの、というイメージだったのですが、このペルシャザールがyoutubeでヤーコブス指揮の舞台の動画が見れますが、まさにこれはオペラですねえ。なんだかオペラ・セリアのようでしょうかねえ。対訳もないのであまり物語は意識していませんが…・。配役はアーリーン・オージェ(ニトクリスS),キャサリン・ロビン(キュロスA),ジェイムズ・ボウマン(ダニエルCT),アンソニー・ロルフ=ジョンソン(ベルシャザルT),デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(ゴブライアスBS)などですね
ですので、ひたすらCD3枚分、約3時間聴き続けるわけですが、このオラトリオはヘンデルのよさが詰まってますねえ。どの曲もそのメロディの聴きやすさに満ちている。アダージョかラルゴのゆったりとした曲に女声の低音の歌唱、こんな風情の曲は実にいいですねえ。心がゆったりと落ち着く心地よさがあります。この中ではキュロスとダニエルが女声の低音です。先述のヤーコブスでは、キュロスがCT、ダニエルがメゾ、このCDでは逆になっています。そのあたりの選択の事情はわかりませんが、違いが明確になっておもしろい。第一幕のダニエルの「無駄に嘆かないでください、女王様」とキュロスの「まだ闇に知られた偉大なる神」のふたつは、まず耳を引きます。後者は、ゆったりと大海の中に身を浸すような心地よさがいいです。やはり、比べるとアルトの方がやはりいいですねえ。女声はソプラノのオージェがきれいな澄んだ声を聴かせてくれますが、少々非力。第3幕のキュロスの「息子よ、私の輝く涙に敬意を」は限りない悲しみを切々と歌う、全曲の中で一番の聴かせどころでしょうか。キュロスのロビンのアルトでとてもいいですね。そしてピノックとイングリッシュ・コンサートは、いつもながらの名手揃いで、実に雄弁であります。合唱も多いのですが、これも説得力がありますねえ。
しかし、ヘンデルのオペラやオラトリオ、手軽に読める解説書が欲しいものです。これまであまり踏み込まなかった世界ですが、録音も多いですし、奥の深さを実感します。いろんなことがわかってきて、おもしろいことであります。
(ARCHIV 431 793-2 1991年 輸入盤)
そこで今回もそれなりに買ってきました。その中からヘンデルのオラトリオ『ペルシャザール』であります。トレヴァー・ピノック指揮イングリッシュ・コンサートによる演奏。1990年7月ロンドンでの録音です。またまたヘンデルで申し訳ありません。ヘンデルの歌劇やオラトリオ、たくさんあります。私は、聴いたことのないものが多いので、新しい曲を聴く喜びが一杯なんですねえ。加えて、これらの曲にはヘンデルのよさが実に実感できるのでありました。
それで、このCDのブックレットに、元の持ち主さんが購入したときのレシートが挟まっていました。それによると、1991年10月15日に石丸電気レコードセンターで購入とあります。石丸電気って秋葉原でしたか。2003年あたりに行った記憶があります。レシートには5品購入されていて、マゼール、ピッツバーグのタンホイザー1980円。アーノンクールのコシ5940円、カザルスの無伴奏チェロ3160円、ハイドン十字架上の2180円、そしてこのベルシャザール6240円。おそらく発売直後だったんでしょうね。合計19500円ということでした。2万円もCDを買うとはなかなかですねえ。もう30年以上前。CDも高かった。というか安いのがなかったんですね。因みに、私はこのペルシャザールは1300円で買いました。まあ中古ですから、お許し下さい。
そんな下世話なことはさておき、このベルシャザールは、ヘンデルが1744年に作曲して翌年上演されたオラトリオ。旧約聖書「ダニエル書」を題材にしています。バビロニアの暴君ベルシャザールが、ペルシャ王のキュロスによって討たれるお話なんでしょうね。オラトリオって、私的にはバッハのカンタータの規模の大きなもの、というイメージだったのですが、このペルシャザールがyoutubeでヤーコブス指揮の舞台の動画が見れますが、まさにこれはオペラですねえ。なんだかオペラ・セリアのようでしょうかねえ。対訳もないのであまり物語は意識していませんが…・。配役はアーリーン・オージェ(ニトクリスS),キャサリン・ロビン(キュロスA),ジェイムズ・ボウマン(ダニエルCT),アンソニー・ロルフ=ジョンソン(ベルシャザルT),デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン(ゴブライアスBS)などですね
ですので、ひたすらCD3枚分、約3時間聴き続けるわけですが、このオラトリオはヘンデルのよさが詰まってますねえ。どの曲もそのメロディの聴きやすさに満ちている。アダージョかラルゴのゆったりとした曲に女声の低音の歌唱、こんな風情の曲は実にいいですねえ。心がゆったりと落ち着く心地よさがあります。この中ではキュロスとダニエルが女声の低音です。先述のヤーコブスでは、キュロスがCT、ダニエルがメゾ、このCDでは逆になっています。そのあたりの選択の事情はわかりませんが、違いが明確になっておもしろい。第一幕のダニエルの「無駄に嘆かないでください、女王様」とキュロスの「まだ闇に知られた偉大なる神」のふたつは、まず耳を引きます。後者は、ゆったりと大海の中に身を浸すような心地よさがいいです。やはり、比べるとアルトの方がやはりいいですねえ。女声はソプラノのオージェがきれいな澄んだ声を聴かせてくれますが、少々非力。第3幕のキュロスの「息子よ、私の輝く涙に敬意を」は限りない悲しみを切々と歌う、全曲の中で一番の聴かせどころでしょうか。キュロスのロビンのアルトでとてもいいですね。そしてピノックとイングリッシュ・コンサートは、いつもながらの名手揃いで、実に雄弁であります。合唱も多いのですが、これも説得力がありますねえ。
しかし、ヘンデルのオペラやオラトリオ、手軽に読める解説書が欲しいものです。これまであまり踏み込まなかった世界ですが、録音も多いですし、奥の深さを実感します。いろんなことがわかってきて、おもしろいことであります。
(ARCHIV 431 793-2 1991年 輸入盤)
ヘンデルのベルシャザールは、中古ショップの掘り出し物コーナーでアルノンクール指揮の3枚組LPを100円でゲットしております。歌詞対訳がついているのが有り難いです。ただしCDを持っていないので気楽に聴けないのが残念です。