こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

平均律、バレンボイムの演奏。

2010年11月05日 22時47分58秒 | バッハ
もう11月になってしまいましたね。もう今年も二か月になりました。しかし、この時期までマリーンズの野球が楽しめるとはねえ。お陰で、テレビの前で手に汗握る毎日であります。まあ、どっちになっても、この週末まではそんな一喜一憂の日々であります。嬉しいやら、疲れるやら…。

閑話休題、たしか近々マウリツィオ・ポリーニが来日するそうで(いや、ちょうど今ごろ来日されているんでした)、昨年発売された『平均律グラヴィーア曲集』を演奏するらしいです。それを聞いて、平均律なんてなかなかナマで聴けないし、それにポリーニと来れば、と思ったのです。しかし、チケットの値段を見て、びっくりびっくり。25000~12000円の設定なんですね。一番安い席でも12000円ですよ。世間知らずの私は、まあ一番末席でも6000円くらいなら、行きたいなあ、と思ったのでした。何というのか、あまりコンサートには出不精なので、世間的な相場には暗いのですが、VPOで12000円というのは、まあそんなもんかなあ、と思います。しかし、ポリーニの場合は、ひとりですよ。VPOはフランツ・ウェルザー=メストなどの超一流の指揮者と超一流の100人くらいのメンバーで、12000円。うーん、そんな比較ではあかんのですかね。まあ、そんなほんとにせこい小市民的な発想をしている、たいそうケチな私でありました。でも、12000円出してもポリーニの平均律は価値がありますかね…。

そんなぼやきはさておき、今回はそのバッハの『平均律グラヴィーア曲集』であります。バッハの平均律、ピアノ曲では一番のお気に入りです。「無人島に持っていく十枚」には必ず入れなければならない、と確信しています。バッハの音楽は、非常に懐が深く、どんな精神状態のときにも、しっかり対応していくれるのです。神経が高ぶったときも、寛いでいるときも、いらついているときも、はたまた睡眠音楽としても…。そんなまあいろんな局面での特効薬のような曲なんですねえ。演奏も、いろんなCDを買ってきました。しかし、最近一番よく聴くのは、ダニエル・バレンボイムのピアノなんです。2004年12月にベルリンでの録音。

バレンボイムってひとは、きっと天才なんでしょうね。そう強く思います。指揮者としての演奏も素晴らしいのでしょうが、むしろピアニストとしてのほうが印象は深いのです。若い頃、イギリス室内管と録音したモーツァルトのピアノ協奏曲なんかは素晴らしかったです。しかし、この平均律、まず第一巻が発売されたので衝動買いをしてしまいました。そして、聴いてみても…。ピアノの音は揃っていないし、音楽の表情も今イチ冴えない。バッハの演奏らしさも余り感じられない、ってまあ、あまりこうシャキッとしないものだったんですね。しかし、当初の感想に対して、聴き込んでいくと、それがそれがどうしてどうして、非常に味のある演奏っていう風に感じてきたのでした。一端そう思って来始めると、もう加速度的にそうなっていくのですね。ゆったりとしたテンポで、スケールの大きなピアノの演奏。包み込まれるような、延々と続く体だ心地よい音楽に身を委ねるような、陶酔感を味わいながら、ああいい音楽だなって思います。私が以前にしてきていたことなど、バレンボイムの演奏の前では、どうってことない、芥子粒のようなものです。一曲一曲の個性に応じて、相応しい表現をしているってことも、非常によくわかります。ダイナミックな振幅の大きな表情をたたえるもの、流れの中に身を十二分に浮かべるような演奏。ともに、強烈な個性とはいえないまでも、その存在感は抜群で、どの演奏よりも印象深いものになっております。第一巻もいいのですが、私としては、第二巻んぽうがいいと思っています。

しかし、あちこちのブログなどでポリーニのコンサート、よかったみたいですね。拝読すれば、その素晴らしさがよく伝わってきます。さすれば、この12000円なんて、安いものですよ。ほんと。
(WarnerClassics WPCS-11873/5 2005年)

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