こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

イ・ムジチのブランデンブルグ協奏曲

2015年06月27日 23時21分39秒 | バッハ
6月23日は、沖縄の慰霊の日。今年は安保法案の件もあってか、メディアでも沖縄戦のことを取り上げることが多いみたいですね。しかし、振り返って見れば、原爆忌や東京大空襲の日などは言及されることが多かったですが、沖縄の日に関しては、ここ数年やっと取り上げられルようになったと思います。約25万人が犠牲になり、国内の最大の被害を引き起こしていたのにねえ。これも沖縄が、日本でありながら、無視されてきたことの証ではないかと思います。我々は、戦争の悲惨さに正面から向き合わなければいけませんよねえ。

そんなわけで、今回はJSバッハのブランデンブルグ協奏曲です。その昔、ヘルムート・ヴィンシャーマンとドイツバッハゾリステンの来日公演のテレビCMが山陽放送で流れており(クラシックのコンサートをテレビCMで流す時代だったんですね)、そのときに流れていたのが、ブランデンブルグ協奏曲第3番の第1楽章の冒頭でした。それで初めてこの曲に慣れ親しんだのでありました。そして、以前にも述べましたが、クルト・レーデル指揮のミュンヘンプロアルテの演奏が私のスタンダードでありました。しかしこの演奏、今だにCDでは入手できておりません。

そんなわけで、3番は最も好きな曲でした。そして、それを少し下品にして散漫な印象の1番。というのもホルンなどの管楽器はスカスカと奏でるのが、どうも違和感を感じました。少し趣を変えてしまいましたよ、という6番。これは3番と同じ弦楽合奏だったので、いいですね。この3曲は、レーデル盤では一枚のLPに納められていたのでした。もう一枚が2・4・5番で、5盤が片面でした。5番好きでした。反面、裏面の2番。4番はあまり聴かなかったですね。

まあ、そんなことはともかくブランデンブルグ協奏曲、今回の演奏はイ・ムジチ合奏団です。ピーナ・カルミレッリがコンマスです。イムジチには1965年録音の旧盤もありますが、これは1984年スイスでの録音。イ・ムジチは弦楽合奏団ですから、金管・木管が必要になります。これがまた大変なメンバー。ヘルマン・ハウマン(hr)、ハインツ・ホリガー(ob)、セヴェリーノ・ガッゼローニ(fl)、クラウス・トゥーネマン(fg)などの面々でありました。

しかし、イ・ムジチ合奏団の弦は非常に綺麗な音色で、落ち着いた美音であります。そして、アンサンブルも実に緻密でありますねえ。だた、私的には少々明るい。ブランデンブルク協奏曲としては、そしてバッハにはもう少し渋めで暗めの方がいいかな、とは思うのですが、このイムジチの美音で締まった演奏を聴くと、これはこれで大変満足ということになってしまいますね。そして、管楽器奏者たちとイ・ムジチの弦がたいそういいように絡んでいます。これもいいですね。

でも、やっぱり1番いいなと思ったのは、3番と6番なんですね。弦楽合奏の曲ですが、この弦の合奏は実にいい。第3番の第1楽章、鮮度抜群の弦がズンズン進んでいくところがいいです。第3楽章では対位法的なところが実に巧に表現されていますね。低音の表情もいいです。第6番、第1楽章、ふたつのヴィオラがカノンで演奏されていきますが、これも誠に美しい。第2楽章アダージョ。長調の援徐楽章でありながら、哀愁を帯びた旋律が、弦で奏でられるので、これもいいですよ。そして第3楽章、快活で流れるような曲がいいのですが、重なり合う弦が見事。そして第5番、第1楽章ガッゼローニのフルートが鮮やか。途中のチェンバロ協奏曲になりますが、弦とフルートの合奏がうまくあっているのでありました。古楽器が全盛のようなブランデンブルグ協奏曲ですが、私はやはりモダン楽器を好みますよ。

22日は夏至でした。8時前になっても、まだかすかに明るさが残っていますね。夏の夕暮れは好きです。そろそろ梅雨も大詰め。たくさんの雨が降ることにならないように、祈るばかりであります。
(Philips PHCP-1619/20 1995年) 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カラヤンによる幻想交響曲 | トップ | ベイカーの大地の歌 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クレモナ)
2015-06-29 21:42:30
ご無沙汰しております。クーラーを使わないで音楽を聞けるのも、あと僅かの期間になりましたね。
ブランデンブルグ協奏曲は、私も第3番が大好きです。イ・ムジチのこの盤も所有していますが、演奏は勿論、録音が素晴らしいのが特徴でしょうか。特に低音が充実しています。他の盤ではこのような音は聴けません。カルミネリの四季も同様の音質だったと、記憶しています。イタリア的な明るさを感じさせますが、バッハでは逆に弱点になる場合もあるかと思います。
ブランデンブルグは、「スイッチト・オン・バッハ」を思い出します。ここには、第3番と第5番が聴けますが、まるでバッハがシンセサイザーのために作曲したかのように演奏されます。ワルター・カーロス(後にウェンディ)の意図したことが、LPではよく再現できなかったたのですが、CDになって仕掛けが解るようになりました。ここで思うのは、バッハは偉大だということです。
イ・ムジチから脱線してしまいました。悪しからず。
コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2015-06-29 22:22:43
クレモナ 様、コメントありがとうございます。「スイッチト・オン・バッハ」、懐かしいですね。もう遙か昔のようですが、ブランデンブルグ協奏曲は収められていましたかねえ。調べてみますとありました。私は、イタリア協奏曲があったように思うのですが、今見るとありませんね。いい加減な記憶であります(笑)。そして、ご指摘のとおり、低音が充実しています。そこも、この演奏の魅力なんでしょうねえ。またご教示ください。

コメントを投稿

バッハ」カテゴリの最新記事