ひまわりの名前

書きたいこと、忘れたくないことだけ。

キミの中のGOLD

2011-12-26 20:05:13 | 日記
クリスマスイブの土日、観劇三昧でした。
大貫くんが初めて芝居に挑戦する「もしもキミが。ラストクリスマス」と石丸幹二さん、新妻聖子さん主演の「GOLD」を見て来ました。
どちらも素晴らしかったです。
本当に感動しました。^^

「もしもキミが。」の最大の見どころは、ワタシ的にはもちろん、大貫勇輔くんの初めての演技です。
正直、見るまではドキドキでした。(例によって母親気分で、、^^;)
ご本人も、ものすごく緊張されたようで、勇輔くん初日の23日の公演は手の震えが激しくて大変だったとおっしゃってましたね。
でも、ワタシが観劇した24日の公演では、けっこう落ち着いてました。
ものすごく近くで見た時には、確かに小刻みに手が震えてましたけど、、。^^;;;
でも声のトーンはしっかりしてました。
25日は、昼夜ともに、かなり、と言うかとても落ち着いていて、本当に舞台を楽しんでいるように見えました。

驚いたのは、やはりその声でしょうか。
もともと美声だなぁ、、とは思っていましたけど、訓練の成果でしょうか、、本当に良い声が出ていました。
監督さんは「ソフトな声」とインタビューで表現してましたけど、そう!そのとおりです。
とてもソフトで、それでいて芯がしっかりしていて揺るぎがとても少ない。
それは、勇輔君の踊りにも似ているように思えました。
聴いていて、本当に疲れない心地よい声です。
もしかして、けっこう歌もイケちゃう?って期待もわいてきたりして。^^

声だけでなく演技力も、私的には満点をあげたいくらいでした。
表情も良かったです。
ちゃんと笑いも取れてたし。アドリブも上手かった。
もちろんビジュアルは最強だし。^^v

ちょっと甘いかなぁ、、でも、本当に驚いてしまったんですよね。
これまでダンスしかやってこなかった勇輔くんが、ここまでできてしまうことに、、。
ダンスでは、底知れない才能を感じさせる勇輔くんですけど、俳優さんとしてもすごい才能があるんじゃないかって、、。
ギョギョっですよ、ほんと。(笑)
でも、ちょっと心配になりました。
こんなに演技が出来ちゃうと、マジで俳優さんになっちゃうんじゃないかって。
そっちのオファーのほうが多くなっちゃったりしないかなとか。
死のダンサーの勇輔くんが忘れられないワタシとしては、どうかロミジュリだけは絶対に出てね、、と嘆願したいところです。

朗読劇ですけど、途中、勇輔くんのアクロバチックな動きを披露する場面をふんだんに入れてくださってました。^^v
柔軟体操するとことか、足を垂直に振り上げたり、倒立前転(?)したり、あ、逆立ちもあったし、あと女性とに前を阻まれて進めないっていう状態のパントマイムみたいなのもありました。(笑)
ただ柔軟をするだけで、なぜか美しいと感じるのは、やっぱりあの体型(8頭身ですから!^^)とダンサーとしての独特の雰囲気のせいですね。
ああ、ネギマを焼くフリとか、ネイルをするフリとか、そういうのもすごく上手くて、会場もすごく受けてました。
そういう小技までやっちゃえるなんて、勇輔くん、やっぱりタダモノじゃないですね。
3月のキャバレー、本当に楽しみになってきました。
以前見に行った方の感想を読むと、クリフってちょっと地味な役みたいなんですけど、勇輔くんはきっとまたひと味違うクリフをやってくれちゃうんじゃないかって気がしてなりません。^^v

で、、24日の夜は、シアタークリエで「GOLD」を見ました。
いろんな方が「疲れる」とか言ってらしたので、ちょっと腰が引けてたんですけど、ものすごく感動してしまって、、。
なんだろう、、私が天邪鬼なのか、テーマがツボだったのか、、とにかく最後は今年一番の号泣でした。
今年号泣したのって「ユタと不思議な仲間たち」とこの「GOLD」ですね。
ひと言で言ってしまえば、まず主役のふたりが良かったんです。
石丸さんは、ロダンの美しさ、狡さ、老い、純粋さ、全部持ち合わせていて、とても魅力的でした。
そして魅力的だからこそ、新妻さん演じるカミーユクローデルが男としてロダンに惹きつけられてしまうことに説得力がありました。
新妻さんのカミーユは、女としての本能と自らを掻き立てる才能という力との狭間に揺れる姿が見事でした。

そもそもGOLDっていうのは何なのか?
漠然と感じる答えはあっても、それを言葉にするのはとても難しいです。
でも以前、私は芸術家というものは、時々自分の魂に同調し受け止めてくれる共鳴盤のようなものが必要なんじゃないかと思ったことがあります。
彼らの抱えるエネルギーは、とても強大なのに、とてもデリケートですから、普通の人たちの理解を超えてしまう。
うまくコントロールすることが難しく、自分を壊してしまうことすらある。
そんな芸術家の魂、それが金塊だとしたら、それはウチに潜んでいるだけではただの重たい石にすぎません。
それを外界へと引出し、命を吹き込み、輝くゴールドを誕生させることができるのもまた芸術家だけです。
芸術家の魂を理解し助けることが出来る人は、やはり自らも芸術家であることが多く、たいがいは片方の才能がもう片方を凌駕し、敗北した才能は共鳴盤の役割をし続けます。
でも、時として才能が拮抗し、屈することが出来ないこともあるのではないでしょうか。
カミーユクローデルは後者であり、彼女はまだ若くロダンは老いていました。

男女としてはお互いに惹かれ続け、お互いの芸術の理解者であっても、ロダンにライバルであることを選んだカミーユは、精神病院で孤独な晩年を送ります。
その最後の絶唱は、本当に胸を打たれました。
才能と愛、時に高めあい時につぶしあうふたつの力に翻弄されつづけた彼女。
でもカミーユクローデルは金色に輝くGOLDを、確かにこの世に生み出したんです。

本当に素晴らしい作品でした。
石丸さん、新妻さんだけでなく、お父さん役の西岡徳馬さん、おかあさん役の根岸李衣さん、弟役の伊礼さん、みなさん良かったです。
いつまでも拍手が鳴りやまない舞台でした。^^



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