納豆品薄の先に見える苦労。

２０１１年3月11日の地震後、「納豆品薄」にてこの記事に辿り着いた方は
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以下より本文。

ど深夜、３時前の受信。

友達からメールが来ておりました。
今朝、読んだ私は、友達の体がとても心配になりました。

　　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

友達は、納豆メーカーの本社で働いております。
製造部ではないのですが、
今週始まった「納豆品薄対応」に追われて、
連日、ど深夜帰宅の早朝出社なんだそうです。

これは、テレビ番組で取り上げられた余波で、
「２週間、朝夕２食納豆を食べればダイエットできる」
というものが引き起こしたもののようです。

『自分はまだ、一時（いっとき）でも帰宅できるからいい。
　　　　　　　　　連日徹夜の人もいるから、体が心配で。』

そう友達は記していました。

この余波が始まった当初は「何故、納豆が品薄なのか」という
苦情の電話が殺到し（スーパー側から等）、
その処理にも追われていたようです。
「そんなことでは取引を切る」などと言って来た先もあるようです。

その反対に「大変ね。がんばって！」と
エールを送ってくれた先もあり、心が和らいだと言います。

昨日から、業界大手の『お詫び広告』や
メディアの『状況原因記事』を通じ、先方にも事情が分かってきたらしく、
手のひらをかえしたような態度になったんだといいます。

『スーパー側も、消費者から叩かれたんでしょう。
　　苦情を言われて、つい、こちらへの言葉が荒くなったんじゃないかな』

友達は優しいなぁと思いました。



いつまで続くか分からない、この状況下で、
友達はふと、私を思い出したんだそうです。



　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

私は１０年前に勤めていた先が風説の流布を受け、
酷い状況を経験したことがあります。

１分ほどで済む〝自分のこと〟もできず、
連日深夜まで働き、早朝から出勤していました。
土日もなく、ただ必死でした。
しかし〝デマ〟だと分かったのでしょう。
次第に落ち着き、やがて通常へと戻っていきました。

　＊　　＊　　＊　　＊　　＊

〝その時の私〟を友達は思い出したんだそうです。

『（原因は全く違うけど）同じような状況下を知っているみきにょなら、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　分かってくれるんだろうな、と思って。』


自分の〝今置かれている状況〟を話すと、
「残業代が出ていいじゃない」なんて
神経を逆なでする言葉を投げかけてくる人もいます。
　（ここで私が言うのもなんですが、〝残業代〟は出ません。）

辛いと人は押し黙るものです。
ただ黙って、がんばってしまうものです。
がんばりすぎないで欲しいけど、
多分、友達はがんばりきるでしょう。




メディアの言うことを鵜呑みにして、
すぐに実行に移すようなこと、
私は賛成できません。



友達の最後の一文が胸に染みました。

『２週間もかからずに、
　　　　こうしてる自分達の方がダイエットできちゃうよ』