シンポジウム

ちょっと時間ができてきました。ので、久しぶりにブログを更新いたします。いろいろ書きたいことはあるのですが、まず１０月初めに聴いてきたシンポジウムについて。

吉田都さんと内田樹さんの実物が見られるとあって、喜んで申し込み、無事聴講券を得ました。当日は土砂降りの雨だったのですが、行ってきました岡田山。

講演やシンポジウムって、普通は開場すぐくらいには一番前の席は空いていることが多いですが、さすがは吉田都さん、会場に入ってみると前の席からどんどん埋まっています。なんでも開場１時間前くらいから行列ができていたとか。

実はもうひとりの出演者である島さんがものすごくしゃべくりが上手でおもしろいかたで（でもローザンヌの審査員や振付もされたとか、実はエラい先生です）、ほぼ島さんが司会をするような形で進んでいきました。島さんが内田さんの著書から身体性に関する印象的な表現を引いてきて、それを３人で検証する、という感じでした。

・体を割る
・動きに甘みを出す
・まず未来の状態をイメージし、そこから現在まで引っ張ってくると、現在から未来に向かって積み上げるよりもはるかに安定する（時間を自由に行き来して相手をコントロールする）
・定型があるほうが、やる方も観る方も飽きない
・守、破、離
・体は液体、皮膚は風船
・武道の形の勘所は、実は赤ちゃんを抱く形である（人間は普段ものすごく合理的に体を使っている）

等の表現が紹介されました。著書を読んでいたら、「ああ、あれね」と思うところでしょうが、読んでいない私でもよくわかり、興味深いお話でした。

吉田さんは自分から前に出てペラペラしゃべるという感じではなく、むしろおしゃべりは苦手そうな印象。でもとっても真面目な性格でいらっしゃるのが見ていてよくわかりました。対する内田さんは、本番前も「今日のシンポジウム、まあ、なんとかなるでしょ？」みたいな軽いノリだったそうです。その辺の関西人よりもよっぽど関西的なヒトですな。

おもしろかったのは、武道とバレエとは一見全く違うけれど、共通点がたくさんあるということでした。

正しい動きは、どの一瞬一瞬を切り取っても常に正しい
動きには予兆があり余韻がある
などなど。

満腹です。こんなシンポジウムを気軽に聴きに行ける場所に引っ越せてよかった。

そうそう、神戸女学院には初めてお邪魔したのですが、岡田山という場所も、そこに建つ建物も、とてもいい味を出していました。お天気のいい日にゆっくり訪れてみたいところです。