蜥蜴のツボ

ひねくれ者の独り言

いまに寄せて

2007-05-26 14:02:25 | 

 日差しがつよい

 数年前のこの時期、
 もう、ゴールデンウィークを過ぎたのに
 寒すぎるよね、と話していたのを
 思いだす

 嬉しいことも、悲しいことも、
 希望も、不安も、
 ちいさい器のなかに凝縮され
 毎日、毎日、撹拌され
 そのことだけは
 つつみこむ大きな景色と違い
 変わらぬまま
 ここにある


 なぜ生きるのか
 そんな表題を目にして
 ボソッと返事する

 「生まれてきたからよ」

 
 悲しみを消してしまうほど
 強くはないのに
 悲しみにおしつぶされるほど
 弱くもなくて


 ただ、そういうものも
 時間(とき)のまかせてしまえば
 いずれはほどける
 くずのようなものかもしれない
 
 そう、いいわけするしか
 ないのかな

生きていくこと

2007-04-11 07:03:47 | 

 
 自分の中に、核がないと
 ふにゃにと折れてしまいそうで
 怖い。

 自分の中に、核がないと
 しゅわしゅわと溶けてなくなりそうで
 怖い。


 考えてもどうしようもないことは
 考えないほうがようのかもしれないが
 考えていないと
 消えてなくなりそうな恐怖が
 押し寄せてきて
 本当に消えてしまいそうで
 考えずにはいられない。


 思えば叶う。
 そんな言葉を信じたい。
 思えば伝わる。
 そんな言葉を信じたい。


 わずかな希望が
 恐怖に吹き消されてしまいそうな日。
 やっと芽生えた勇気が
 恐怖に押しつぶされてしまいそうな日。


 なんだか、生きていくのが怖い。

「生と死」

2007-03-28 06:30:12 | 

 生まれた瞬間
 ただひとつ保証されること
 「死」というできごとが
 かならず訪れるということ

 それでもみな生まれてくる
 何かを見つけるために?
 何のために?
 ただ生きる
 それだけ
 
 人という生き物は
 とても弱くて
 その意味が見当たらないと
 不安になる
 不安定になる

 それでもくりかえす
 「生と死」
 考えても答えはみつからない
 それでも
 ただ生きていこうか
 

ねがい

2007-03-20 04:42:58 | 

 芽吹く季節よ

 生命の息づかいが
 ほら そこに聞こえる
 歌い始める草花の生命よ

 どうかあのひとに
 その歌声をとどけて

 暖かく見守る
 このてのひらの向こうの
 太陽よ
 
 どうかあのひとに
 そのぬくもりをとどけて

 優しく頬をかすめていく
 芽吹く季節を運んでくる
 そよ風よ

 どうかあのひとに
 この希望の光をとどけて


 落胆の日々が長く続きませんように
 
 いつかふと口にした
 創造の泉がまた
 あふれてやみませんように

シャキッ

2007-03-14 12:27:37 | 

 時々もどってくる

 荒く波打つような胸の中
 涙は出ないけど
 泣いているような
 目の疲労
 瞬きがうまくできない

 目の下と
 頬の間の皮っぺらが
 ぐうんと持ち上がって
 つっぱって
 なんだかひどい顔をしているんだろうと
 想像するだけで泣きたくなる


 そんな感覚が
 今でもまだ時々もどってくる

 不安なとき
 自信のないとき
 傷つく予感のするとき


 でもそのとき
 どうしたら治まるのか
 どうしたら
 抜け出せるのか
 その方法を私はまだ知らない
 まだ見つけられない


 「大丈夫」って言葉の影に
 怒りや冷たさが見え隠れして
 本当に消えたくなってしまう


 こんなときはどうすればいいのでしょう
 どうすれば
 あの人のように
 凛々しく、堂々と、シャキッと
 していられるのでしょう

ことば

2007-03-14 08:10:39 | 

 ごめんなさいの言葉が
 その思いのすみずみまで
 そう、すべて
 その相手に向かって
 届けてくれたらいいのに


 ことばは時に鮮明で
 ことばは時に曖昧で


 ことばがあるからわかることも
 ことばがあるからわからないことも

 すべてのことが裏表のように
 ことばも裏表だ

雨粒

2007-03-05 20:27:11 | 

 雨が降ると、天気予報は告げていた。
 90%。
 今日の降水確率。

 雨雲たちは朝から、
 気忙しく、先行く雲を
 追い越し、追い越し、
 一面を真っ白に埋めていた。


 傘は持たずに出た。
 降り始めても
 傘を借りようと思わなかった。


 駅に降り立った時、
 バチバチと音をたて、
 雨粒はコンクリートに跳ねていた。

 そのまま、足を踏み出し
 駅を出た。


 音をたてて
 殴りつけてくる雨粒に
 素直に打たれた。

 もっと、もっと
 殴りつけて。
 
 曲がり角で立ち止まる。
 我先にと落ちてくる雨粒を
 なんとか目を開けて
 見定めようとした。


 容赦なく
 雨粒は、顔を殴りつける。


 もっと、もっと
 もっと、殴りつけて。


 すべてを溶かして、 
 そして流してしまって。


 ここなら泣いても見つからない。
 ここなら泣いても気付かない。

今、吹く風

2007-03-05 08:04:38 | 

 雨がすぐそこまで
 やってきている

 そんな匂いのする風が
 吹いている。

 それとも、
 春の空気を運んでくる風

 だから生暖かく感じるのか。


 半袖で外に出ても
 肌寒くも感じない。
 雨の気配は嫌
 でも、雨が降ったらいいことが
 あるかもしれない。


 去年の夏から
 ぶら下げたままの風鈴が
 カーテンとともに
 風に揺らされている。


 やわらかく、
 今吹いている風の心を
 代弁するように、
 やわらかく、
 揺らされている。

その強さ

2007-02-24 06:44:36 | 

 近い
 二人の距離

 遠い
 二人の距離

 いつから
 どのくらい
 そんな言葉を
 時間にかけて
 はかることはできないもんだって
 
 一瞬で 
 一言で
 何かに繋がっていく
 可能性と言う
 不安定で
 不確実で
 危なっかしいもの
 信じることを
 疑わない人が
 
 目の前にいる


 「始まりなんて
  タイミングとか
  直感とか
  そんなかんじ」

 その強さが
 たまらない

素敵な笑顔へ

2007-02-23 22:29:52 | 

 君の笑顔が
 とっても素敵で 
 思わず見惚れてしまったのは

 お世辞抜きの感想でも
 君が美形だったからではなかったのは
 今、わかったよ

 君は追いかけてる
 
 夢中になって
 風をびゅんびゅん切り抜けながら
 私が全力疾走したって
 到底追いつかないほどのスピードで
 ぐんぐんって距離をあけていく

 君は
 夢を追いかけている
 君は
 理想を追いかけている
 君は
 新しい刺激を追いかけている

 目がキラキラしている
 自然と笑顔になれるんだね
 楽しくて 
 仕方がないって
 そんな顔をしているよ