おとなりカフェ

子どもの根っこを育てる


「子育てわっしょいプロジェクト」の初日、プレーパークせたがやの天野秀昭さんに来ていただきました。

風貌どおり、やわらかく楽しそうにお話されるのですが、やはり長年子どもやその周辺の大人をずっと見てこられただけあって、内容はするどい。深い。

天野さんのお話は心に刻んでおかなければと思うことだらけですが、ざっくり書いておきます。

最近の子どもは遊べない、と言うけれど、環境がおかしくなっているだけなのだということ。
子どもを楽しむ大人が少なくなった。

じゃあ、子どもは子どもだけで、はちゃめちゃなことをやっている場があればいいかというとそうでもなく、

子どもの傍らで見守っている大人が、子どものやっていることを「おもしろいことやったねー」と言ってあげることがすごく重要なのだと。

自分よりも社会規範を身につけている(はずと思っている)大人に、自分ことを「おもしろい」「すごい」「いいね」と言ってもらえることで、子どもは「自分はここにいていいんだ」と思う。そして、この世に根をはって生きていくことができる、ほっとするのだと。
こういう話を聞いていて自分の子どもの時代を思い出し、そうかも・・・と思いました。

子どもの時分にここの根っこがしっかり育っていれば、その先の人生で多少大変だと思うことがあってもなんとかやっていけるもの。悪の道に入ることもないのだと。

社会規範、社会における基準や「○○すべき」が中心の「価値の世界」は自分が主人公ではない。
子どもの遊びを通じた「情動の世界」は自分が主役。この「やりたいからやる」という情動の時間は、自分が自分でいられる時間。これを大人が隣で見ていてあげて、自己肯定感につなげていってあげる。これは人間の尊厳ともイコールで、自己肯定ができない子どもは他者の尊厳についても本当には大事にしてあげられないはず。

中学くらいになれば放っておいても「価値の世界」を意識してくるので、それからで十分間に合う、大人は子どもの目に見えるけがには大騒ぎするのに、子どもの心を折っていることにあまりに無頓着だと、天野さんはおっしゃっていました。


子どもに「情動の世界」で生きる時間をしっかりと与えてあげることは、大人になり毎日に追われている私達が頭で想像するのには限界があるでしょう。でも、こういう話を聞きながら、自分の過ぎた日々を思い出し、子どもの頃の肌感覚をよみがえらせることができると、はっと気づくことがあるなと思いました。

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