おとなりカフェ

教育と、未来の選択は・・・


1月31日に放送されたNHK・クローズアップ現代「ヨーロッパからの“新しい風”(4) 教育で国の未来を切り開け」に衝撃を受けた人は多いことでしょう。

日本が教育で迷走を続けている間に、先進経済諸国、とりわけヨーロッパの国々の教育を司る省庁のトップは、自国の教育ビジョン・目標を明確にし、十年単位で人材育成に取り組んでいました。

PISA(学習到達度調査)を実施しているOECD(経済協力開発機構)の教育局指標分析課長シュライヒャー氏は語ります。

教科書で学ぶ勉強はすぐに時代遅れになる。大人になって一向に役に立たない。
必要なのは状況を分析し、他者に論理的に説明できる能力。そして情報を批判的に捉える能力や、知識をつなぎ合わせて問題解決ができる能力であると。
暗記をしてテストで測れる能力はコンピュータのほうが優れている、とも。

日本の最前線、世界のなかで活躍してる日本人ビジネスリーダーや知識人と呼ばれる人たちは、危機感をもってシュライヒャー氏と同じことを言い続けています。
でも、なかなか日本の教育システムに風穴を開けるまでに行っていません。
じわじわ変わっていければいいというほど、もう、社会の動きは待っていてはくれないところまできているはずなのですが。

番組の中で紹介された、教育で国力を再生させたフィンランドの教育システム。
こういう表現をすると、知識詰め込みスパルタ教育を想像しがちな私達ですが、フィンランドでは、子どもの発達段階に合わせて徹底的に「考える力」をつけさせます。

教師の役割は、知識を教えるのではなく、子どもが発見し自らの考える力を手助けするという、最も難しい教育技術の基礎力を身につけてから教壇に立ちます。

教師の社会的地位は高く、教育学部志願者も10倍、その中で教師になるには修士課程を修了し、半年間の実習を経て教師になります。

「学ぶ」ということはひじょうに繊細で個人的なこと。ゆえに、
究極的には、どこまで子ども一人ひとりに合った教育を行えるか、教師にとってはとても大変なことだけれど、その能力を期待されていると。

フィンランドも長い間知識教育重視だった。しかし、経済的に依存し続けてきたソ連が1991年に崩壊し失業率が20%を超えた。そこから自立した国を目指すために教育を未来への投資と位置づけて国として取り組んできたという。

日本は、まだまだ危機感がコップからあふれていないようです。
外から見たら、あるいは、10年後20年後を本気で想像したら、少なくとも人育てに関わるあらゆる対策をいま講じなければならないはずなのに。

シュライヒャー氏は、教育改革成功の鍵を3つあげられています。

・教育システムの目標・ビジョンの明確化。子ども達の人生をどう導いていくのかというという視点が重要で、それを教師にだけ任せるのではなく、行政が支えていく
・教育の権限を現場に。学校の自主性を尊重すること(教師の人材養成がきちんと行われていることが前提)。行政は問題が起きた時に支援していく体制を持っていればいい
・子ども達のすすみたい将来に門戸が開かれていること。一人ひとりに合わせた支援体制をもつこと

加えて、
世界の明日が見えない大変な時代であるが、適切な教育を受けることによって自分に合った職業が選択でき、よりよい人生を送ることができる可能性もある。教育の役割は大きいと結んでいらっしゃいました。


名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「レビュー」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2016年
2015年
人気記事