大きなお友達のプリキュア日記

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夢は未来への道

2016-01-31 21:34:05 | GO!プリンセスプリキュア
GO!プリンセスプリキュアが本日最終回を迎えました。
4人のプリンセスたちと過ごした一年間、長かったようであっという間にも感じます。
例年の事ではありますが、彼女らの成長著しい事がこう感じさせる要因でしょうか。
加えて、今年は通年としての構成が実に丁寧であった事もあります。
そんな訳でまずは以下の表を作成してみました。













こうして見るとそれぞれがそれぞれの一年を、みんなが自分の人生の主人公として生きていることが深く感じ取れます。
笑ったり泣いたり、懸命に、そしてみんなが驚くほど変わっていく事も。

夢に向かっていく4人のプリンセスはもちろんですが、シャットの生き方に思うところがありました。
彼はプリキュア達と共闘はするものの、決して価値観を同じくはしていません。
彼は変わり続けるプリキュアたちの姿にのみ触発されたのです。
飽くまで自分の信じる美学を貫くため、ディスピアの傀儡から変わろうとした。

一方、ディスピアは作中でも稀有な全く変わるところのなかった人物です。
価値観・立場の変動がほぼ見えなかった人物としてはシャムール先生もいますが、彼女は教師として学び続けること…成長し続ける事を自らに課していた。
作中唯一の絶対悪であったディスピアは、同時に作中随一の停滞者でもあったのです。

こう見るとゴープリの隠しテーマには変化≒成長という事もあるのではないでしょうか。
戻ることのない変化、不可逆的な成長。
それは終了式とともにそれぞれの未来へ旅立つための別れを選んだプリキュア達の姿ともよく似ています。



ロックとクロロ。
クロロの姿を乗っ取り、ディスダーク三幹部の末弟として登場。
トワイライトに気に入られ、シャットを見下し、ディスダークの王となる野望を抱く。
プリキュアに敗退した後は気弱な妖精のクロロに戻り、シャムールの庇護下に。
プリンセス・トワの笑顔が切っ掛けだったのか、気づかぬうちに復活ロックを気遣う程のやさしさ…つよさを身に着けた。
決戦ではまさかの共闘。
あそこに至るまでの二人のやり取りは語られぬまま。
やがてクロロはシャムール先生の下ロイヤルティーチャーを目指し、ロックはシャットと共に流浪の空へ。
ふたりの再会の物語は私たちの想像に任せられています。

シャット。
情けなかったクローズの頃、鳴り物入りで出てきたはずの次兄。
自分より美しい存在…トワイライトの出現が今思えば彼のターニングポイントでした。
トワがディスダークを去り、ロックに下克上され、戻ってきたクローズとストフリにいびられ。
ついには生みの親であるディスピアから失敗作の烙印を押され、彼の自意識は地に塗れます。
自己評価がどこまでも落ちてしまった彼の幸せは、その醜さをプリキュア達から指摘された事でしょうか。
度重なる屈辱の果て、彼は自分の信じる美しさのために変わる事を決意します。
それはディスダークからの離反であり、庇護者の価値観からの巣立ち。
シャムール先生からアドバイスを受けたメイク、ロックのマフラーを巻いて理事長たちと出会う彼ら。
今度はどんな美しさを求めていくのでしょうか。

クローズ。
夢を求めて変わり続けたはるかの鏡写し、更なる絶望を求め続けて変わり続けた長兄。
最初の頃の軽さも、帰ってきた後の冷徹さも、黒須君も可愛い小鳥の姿も、全てはディスダークとディスピア様のために。
彼がはるかを追い詰める言葉の一つ一つが、逆にはるかの夢を明確に形作っていきました。
あたかも石を磨く彫刻刀のように。
やがて彼はディスピアもディスダークの仲間たちも失い、孤独に絶望を背負う代表者となります。
絶対の孤独者になった彼の、最大の理解者は…奇しくも最大のライバル、春野はるかでした。
呆れて自ら去っていく彼の、最後の表情はもしかしたら苦笑いだったかもしれません。

カナタ。
最前線に立ち続けた希望の王子。
はるかの夢の始まりを支え、primal place…夢を目指し続けるつよさの源をくれた男性。
妹と生き別れ、絶望に染まった故国でひとり戦い続け、絶望の魔女からプリキュアたちを逃がし、彼は記憶と夢を失ってしまいます。
はるかに新しい夢をもらい、記憶を取り戻した後はプリキュアたちを導く先導者から共に夢を目指す仲間へと微妙に立ち位置を変えました。
王国の復興を成し遂げ、彼の次の夢は…

アロマとパフ。
半人前のまま人間界に飛び込んできた、妖精の兄妹。
グランプリンセスを目指す4人といっしょに、体当たりで成長してきました。
はるかが変身する切っ掛けはクローズに飛びかかる彼らで、決戦の時に変身解除された4人の前で絶望の茨に立ち向ったのも彼ら。
寮での生活も含めて、プリキュアたちの始まりと終わりに寄り添い続けていました。
やがてパフは変身を不完全ながらも操り、アロマもカナタの侍従として成長し続けています。
その先にある姿はシャムール先生や執事の及川さんのようで、それらとも違うアロマとパフだけの未来。

七瀬ゆい。
プリキュアたちの最大の理解者、協力者、そして絵本作家を目指すひとりの少女。
はるかたちがプリキュアであることを知らなかった時期、その事を知って力になりたいと思った時期、自分もプリキュアになれたら良かったのにと思った時期。
そういった日々や学校生活を経て、彼女の夢である絵本作家の道はどんどん具体性を増していきます。
3度の絶望を経て、ついには自ら絶望の檻を打ち破り、生徒たちに夢を呼びかける姿。
プリキュアではないけれど、彼女も彼女だけの色を持ったプリンセスでした。
そういった日々を描いた絵本が、次の世代へ夢を持つことの素晴らしさを伝えてきます。

トワ。
絶望の使徒から帰還した炎の王女。
幼くして絶望の魔女に囚われ、王国の荒廃に間接的に寄与してしまった事実。
黒きプリンセス・トワイライトであった頃は、その事を知らないまま無邪気な気高さを保っていられました。
思い出のバイオリンや二重奏でプリンセス・トワに戻った後は、一転その罪の重さに苦しむことに。
はるか、理事長、きらら、みなみ、アロマとパフとの日々の中、もう一度心に温かいものを満たしていきます。
やがて点ったその炎、温かさをクロロやシャットに分け与え、王族としての姿勢に目覚める姿。
それこそは人々を絶望から守るだけではなく、希望に導くことがグランプリンセスの本旨。
彼女は誰より早くグランプリンセスの資格に近づいていたのかもしれません。

天の川きらら。
美しくあろうとするランウェイの一番星。
夢に向かって具体的に駆け出していただけに、それ以外には無関心な傾向がありました。
そんな彼女が友達や仲間に意識を向けるようになったのは、やはりはるかの勧誘から始まったプリキュアとしての日々。
母との関係も、モデルとしての笑顔も、その日々の中でどんどん先へ進んでいきます。
やがてモデルとプリキュアが二者択一になった時、なんと彼女はプリキュアを優先させました。
はるかたちに出会う前の彼女としては考えられない選択ですが、モデルの道へ押し戻してくれたのもまたはるかたち。
目標どおり世界のモデルになるため、パリへ旅立つ事になる訳ですが、仲間たちとの日々は彼女をより一層美しく磨いてくれました。
きっと昔のままのきららでは、立てなかった種類の美しさ。

海藤みなみ。
みんなを包む姉であり、夢に迷う妹であり、優しさに溢れた海。
兄や父のような立派な人物を目指していた彼女は、同時に孤高の人物でもありました。
凛々しくて綺麗で、でも近寄りがたい憧れられるだけのひと。
彼女の変革もまた体当たりで飛び込んでくるはるかから始まります。
ごく一部の知己しか知らなかったお茶目な部分、怖がりな部分が開かれていきます。
そうやって自分自身に素直になっていくうち、やがて自分の本当の夢と向き合う時が来ました。
不思議を知りたい、愛する海を知りたい。
新しい夢に戸惑い、両親に打ち明けることを迷い…それでも友達に支えられ、両親の愛を再確認し。
彼女はこれから新しい夢、海の不思議に駆け出していくことでしょう。

春野はるか。
つよく、やさしく、うつくしい花のプリンセスを目指す少女。
最初はお茶もテニスもバイオリンもさっぱりだった彼女が、夢への思いだけで走り続ける事が全てを動かしていきます。
プリンセスプリキュアという群像劇における大きな存在であること、ここまでの文章に表したつもりです。
彼女がはじめて自分の夢に躓いた時…夢の原点を支えてくれたカナタから夢を否定された時、彼女は深く絶望しました。
でも同時にそれは彼女の夢の本質気づいた瞬間でもあったのです。
いろいろな絶望を乗り越えて、夢を目指し続けること。
それこそが彼女をいちばん輝かせる生き方であると。

また、そんな夢を持つ彼女だからこそクローズの絶望を受け入れられたのだと思います。
夢がある限り絶望は消えず、絶望があるからこそ夢も消えない。
そしてその繰り返しの中で、昨日より輝ける自分へ変わる。

「夢」は果てしなく 続いて
ほらね!みんなを待っているのよ

夢は未来への道。
その道には崖も坂も、絶望もある事でしょう。
だけどその道を歩み続ける姿こそが何より輝かしい。
遥か目指す先には変われた自分や、新しい出会いや、友達との再会があるかもしれません。


これは、遥か彼方へ走り続ける、少女たち…みんなの物語!
夢へ向かって、GO!プリンセスプリキュア!


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