本田雅一の週刊MOBILE通信より。
iPhone を docomo の回線で使いたいという声は、かなり強いように思われますので、興味深い記事になっているんじゃないかと思います。
詳細は、上のリンクを覗いてもらうとして、いくつか抜粋してみます。
-----以下、引用-----
しかし、その一方でSIMフリー端末をApple自身も販売するとの噂も浮上してきている。筆者自身も、そろそろiPhoneはインセンティブ販売モデルからの脱却を図ろうとしているのではと見ている。なぜならiPhoneは、そろそろ複数キャリアにまたがって使える環境を整える方が、Appleにとっての利が大きくなる時期に差し掛かってきているからだ。
と、このような記事を書いている途中にNTTドコモがiPadや次世代iPhoneで使われるMicroSIMを販売するとの発表を行なった。
-----以上-----
Apple にとって、複数キャリアと付き合う方が得だという話は、非常に納得できる。
すでに、iPhone は潜在的な怪物だ。
ちょっと脱線。
潜在的に、と書いたのは、現状の市場シェアを考慮しての事。メーカーや、キャリアにしてみたら、もう既に怪物というより怪獣のレベルでしょうか。
差し詰め、Android 端末は、その怪獣が暴れ出さないように、一定の抑止力が期待される地球防衛軍の様相、と。
あくまで、現時点での状況ですが。。。
話を戻します。
つまり、iPhone と、それにまつわる周囲の状況は既に独り立ちできるところにまで来た。
あるサークルに入れてもらう時に、最初は、仲の良い友達に誘ってもらうんだけど、みんなと仲良くなったら、その友達とだけ付き合う意味はないということですね。
もちろん普通なら、特別な友達として、その友達だけは親友とか何とかいう形になるんでしょうけど。
Apple には、そういうお涙頂戴話は通用しなかったりします。。。
あれ?話が本筋に戻ってないですね。
すみません。
アメリカにおける AT&T は、トップシェアを持つ通信キャリアですから、ここと組んで、独占できる事をエサにしておけば、(AT&T が進んで協力してくれるであろう範囲において) iPhone のシェアを一定レベルに引き上げることができる。
しかし、それが Apple にとって利を持つのは、ある程度のシェアを確保できるまでの話。
AT&T も iPhone の進む方向に口出しできる状況は、本来 Apple にとって望ましい話じゃない。
Jobs が Flash に関する顛末において、Adobe に対する反論を書いた時の言葉を借りれば。
アップルの目的はただ、もっとも先進的なプラットフォームを広く一般ユーザーに提供することだ。
どこで、どのように使うのかを、第三者に決定させるわけにはいかない。
とでもなるでしょうか。
もうひとつ言えば、日本における状況はさらに良くない。
いや。
Jobs は、日本の事情なんて一切「知ったこっちゃない」でしょうけど(苦笑)
ただ少なくとも、圧倒的なシェアを持つ「元国営企業系通信キャリア」と付き合えないのは、明らかにメリットよりデメリットの方が大きい。
ちなみに。
自分は、孫正義氏を吊るし上げる話に乗る気はありません。
「日本市場に重きを置いていない」Apple に強くアプローチを働きかけて、日本に iPhone を根付かせたという彼の功績は、讃えられこそすれ、貶める必要性を感じない。
利益を生み出すためにある民間企業で、金儲けをするのは悪い事じゃない。
やり方が気に入らないという話になっちゃったら、Apple なんて更にゲのゲだって話になります。
(危ないので、ブラックジョークはこの辺までで。。。)
-----以下、引用-----
しかしSIMフリー端末向けであれば、NTTドコモ的にもSIMを販売しない理由はない。iPad向けにNTTドコモがMicroSIMを供給してソフトバンクと同じ土俵に上げておき、その次の段階として次世代iPhoneのSIMフリー版を提供する事で、iPhoneを2社供給にするというシナリオだ。
そんな話を聞いていたので、4月28日にNTTドコモがMicroSIMをiPadユーザー向けに提供するという話を聞いても全く驚かなかった。SIMフリーの通信端末は、携帯電話会社から見ると、単純に“お客さん”でしかない。そこには回線獲得の奨励金も、端末開発負担金も何もかかっていない。特にインセンティブもなく回線を獲得できるチャンスがあるのに、そこに商品を用意しない携帯電話会社もない。
AppleとNTTドコモが、端末の販売契約の条件で相容れないとしても、互いに利益があるのならそれぞれが製品とサービスを提供していく方がいい。
-----以上-----
「より、大人の関係でいましょうね。」ということです。
-----以下、引用-----
したがってSIMフリー版iPhoneの日本発売は、かなり可能性が高いと考えている。もし、次世代iPhone発売直後にSIMフリー版が用意されなかったとしても、早晩、その方向になっていくのではないだろうか。
-----以上-----
ヨーロッパあたりでは、複数キャリアで提供されている方が一般的だったと思いますが、現在キャリア独占となっている地域において。
残される問題は、独占してきたキャリアがどうなるのかということ。
(Apple が有無を言わせるはずもないか。。。)
あとは、日本に限れば。
Windows phone FAN で指摘されている話。
-----以下、引用(一部改変)-----
● NTT docomo版の魅力
○ docomo の回線待ちだった人にとっては、言うまでもない。
特に家族割りの主回線などでは影響範囲も大きいため、この恩恵は大きいだろう。
○ エリアの広さ。
そもそも首都圏以外では、NTT docomoではないとつながらない。自宅で電波が入らないというユーザーも少なくないと言われている。
○ 通信速度
FOMA 7.2Mbps は、確かに速い。
イー・モバイルや、同じ FOMA回線を利用した WILLCOM CORE 3G よりも、一人あたりの帯域数が大きいと推測される。
中継局を増やしてエリアカバーしているソフトバンクは、ボトルネックとなる基地局数の少なさによって、都市圏では速度が出ない。
● SIMフリー版の際の問題点
○ パケット定額サービスの設定がややこしく、面倒。
ソフトバンク版なら、あらかじめ設定されており安心。
このあたりは、docomo がどこまで本腰を入れてくるか。。。
○ 既存の iモードメールアドレスを利用できないと思われる。
(※ 2010年秋以降に、アプリで対応?)
せっかく docomo で使えても、従来の携帯電話も併用した2台持ちの必要があるなら、訴求力はやや下がるでしょう。
-----以上-----
というようなことですね。
当面、docomo で使えるようになったとしても、iPhoneを購入する予定はありませんが。
嫁さんのケータイが docomo ですから、どちらかといえば docomo の方がありがたい。
エリアも広く、速度も速いとすれば尚更です。
Apple も、ユーザーも、docomo を待ち望んでいる状況で。
さあ、孫社長、どんな手を打ってきますか。
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