misty green and blue

Life is like an onion...

和服。

2020-01-05 | fashion


着物を着る機会はほとんどないが、かつて魅了された着物がない訳ではない

例えば、室町時代の「辻が花染め」に魅せられた久保田一竹が、現代に息づく独自の染色「辻が花」を確立すべく、縮緬の絹糸及び化学染料を使用して生まれた“一竹辻が花”
例えば、明治・大正・昭和初期の“着物が最も輝いていた時代”の逸品「昔着物」を現代に甦らせるべく、大胆にして繊細な江戸の粋を踏襲しつつ横浜のハイカラな美意識が育んだ、池田重子のコーディネート“横浜スタイル”


先日、氷上の共演者12人の舞台衣裳が展示された『氷艶 -月光かりの如く- 衣裳展』を観る機会を得た
氷艶 ― 即ち氷上ならではのしなやかで美しい演技と感情表現で、今までにない日本文化を伝えるべく、創り出された“艶やかな舞台”を通じて、さまざまな“縁”を繋げていく試み

“つかむことのできない儚い月の光のごとく、憂いある源氏の心中を表現することを心がけた”と語る堂本教子がデザインした光源氏の衣装 ― 雲の極みに現れる月の繊細な光を表現すべく施された細い金箔と銀箔、月の光を表現すべく施された絞り染めのシルクの変わり織り、墨染めの夜天を表現すべく青×墨色のぼかし染のシルク生地に施されたシルクオーガンジーと銀糸 ― は、殊の外美しく艶やかで、しばし見入ってしまったほどだ

高橋大輔が光源氏に扮した公演であることを知ったのは、生憎公演後のことだった
表現力豊かな大ちゃんのことだ、素晴らしい舞台だっただろうことは容易に想像できる
衣裳だけでなく、写真やパネル、映像を通じて公演の様子や舞台裏を知ることが出来たのも、幸いだった

和装の素晴らしさを改めて感じたひとときだった


着物を着る機会は、今後も訪れることはまずないだろう
しかしながら、観る楽しみは取っておきたい


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