放置竹林をみんなの集いの場に。

放置されてた竹林をボランティアで整備し、
心を開放しリラックスして過ごしてもらえるような
竹林空間を造っています。

S君の話。

2019-03-29 18:57:50 | 施設の子どもたち
私の働く 児童養護施設では
新しい門出を迎えて 退所していく
子どもたちがたくさんいます。

18歳になり 就職する子、進学する子。
新学期に向けて 親元へ戻る子。
措置変更で 生活する場所が 新しく変わる子。


2歳の頃からずっと 見守り続けていた
S君もその内の1人で、
S君が
最後に話してくれた言葉が
とても私の心に響きました。

S君は、小学進学を機に 昨日障害福祉施設へと
今回 引っ越ししていきました。

自閉症児で 環境の変化に敏感。
気がそれやすく 集団行動は 大の苦手。
頻繁に排尿の失敗もあり
正直 手がかかる子でした。

けれど、S君は 感受性が豊かで
他人に あまり興味がなさそうなのに
私が 「今日は 疲れたな〜」なんて
声にださないけれど 思っている時に限って
S君が いいタイミングで
「先生〜 ありがとう」と
唐突に言ってくれたりするんです。


青空を見上げて 「きれいな そらいろ だね〜」とか
寒い日に カメムシが 外にいるのを見つけたら
「寒そうだから お部屋に入れてあげよう」とか

他児と比べて 行動がゆっくりなので、
他児から からかわれたり 意地悪されてたり
することも多かったのですが
絶対に他児に手を出さない 優しい子でした。

宇宙の話とか、電車の話が大好きで
私が ロケットの話とかをすると
喜んで 話を聞いてくれて S君の知っていることを
いっぱい話してくれました。

私は、S君と話すのが大好きで
なんだか分からないけれど
気が付けば S君の側で
電車の話とか 宇宙の話、虫や動物の話
優しくされて嬉しかった話
分かり合えなくて 悲しくなった話など
たわいもない話ですが
16名の預かっている子どもたちの中で一番
話をしたなあ・・ と、
S君が居なくなってから
あらためて気がつきました。

集団生活の中で なかなか 皆んなについていけず
S君には
ハラハラ させられたり、イライラさせられたり
ワクワクさせられたり したけれど、
13年間 働いた中で
一番 S君が 印象に残っています。


4年間住み慣れた 児童養護施設から
出て行く前の日に
S君に 「離れるの さみしいね。」と話したら

「さみしくないよ。
だってS君には 皆んなと一緒に
撮ったアルバムがあるから大丈夫。」と
話をしてくれました。

40年以上生きている 私より
S君は、ずっと ずっと 大人だなあ・・。

ずっと 私は、S君の面倒を見ていた気でいたけれど
本当は、S君の優しさに
逆に 私が 救われていて、
面倒見てもらっていたのかも・・

今 S君が居なくなって
初めて 気がつきました。













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