METALTEACHER Blog

メタル好きの高校教師がいろいろ書いております。

CLUB CITTA' PRESENTS Hard Rock Revolution VOL.11 最終章 Riot

2019-10-16 20:25:13 | 日記
台風19号の被害の大きさが、日がたつにつれて明らかになってきた。
ついこないだの台風15号は、千葉県を中心に甚大な被害を及ぼし、いまだにその影響が残っているのに。
この国の自然災害に対する向き合い方が、完全に別の段階に移ったといえる。今後もこうした自然災害に直面しなければならないのだろう。

ところで、今回のRIOTのライブに行ったのは10月6日(日)。ちょうど二つの台風にはさまれた週末だったので、キャンセルにならなくて運が良かったと言うべきか。
海外のバンドが何度も来日公演を実現させるためには、いろいろな「売り」が必要となる。強力な新譜というのもその一つだが、最近は「名作の完全再現」も多い。そして今回のRIOTは、先日のTHUDERと同じく、アコースティックとエレクトリックの2部構成を打ち出した。これにつられて私もチケットを購入した次第。
実際の第1部はというと、アコースティックは1曲目から“Narita”を持ってきた。各メンバーの演奏力が高い。そして曲のアレンジがすばらしい。約40分の演奏時間だったが、もっと聞きたかった。
30分ほどの休憩時間を挟み、第2部のエレクトリック・ステージがスタート。トッド・マイケル・ホール(Vo)は、もちろんトニー・ムーア在籍時代のナンバーでの強力なハイ・トーンが大きな持ち味だが、初期の楽曲では、ガイ・スペランザを想起させるような声質を聞かせてくれる。一方、バックの演奏陣で特に印象に残ったのはギタリストのニック・リー。今は亡きマーク・リアリ、ではなく、もう一人のギタリストのマイク・フリンツの教え子、という割と地味なキャリアのスタートだった。しかしこの日は、小さな身体でステージ上を右に左に動き回り、全身でギターをかき鳴らす姿に目が釘付けになった。そして、恍惚の表情で弾きまくるギター・ソロを見せつけられ、思わず落涙(やっぱギター・ソロっていいなあ)。マイク・フリンツとのツイン・ギターも息がピッタリ。
個人的なクライマックスは“On Your Knees”。大学時代、「The Privilege Of Power」を繰り返し聞きながら製図課題に取り組んでいたので、このアルバムの1曲目はすっかり身体に染み付いており、思わず過剰に反応して号泣してしまった。

さて、この先、購入しているチケットがないので、しばらくライブはご無沙汰になりそう。

METAL WEEKEND 2019

2019-10-02 00:06:56 | 日記
台風15号の影響は甚大だった。自宅では、何と2階バルコニーの立上り部分が(木造故、多少腐っていたものの)一面剥がれ落ちてしまった。また、千葉県内では各地で停電が続いたが、うちのエリアも数日間停電に見舞われ、夜はロウソクを灯したり、カミさんに頼まれて区役所までスマホを充電しに行ったりした。
台風の来襲が少し遅れていれば、9月15日(日)のMETAL WEEKENDは確実に行けなかっただろう。不幸中の幸いだ。

さて、当日はかなり早くお台場に到着。近くで野外ライブを開催していたせいか、人混みがものすごい。しかも、かなりイケイケの若者が多く、特に露出度がかなり高い女子の姿が目立ち、エロおやじはなかなか困ったぞ。
Zepp DiverCityが入っているお台場ダイバーシティ東京プラザには他にもいろいろなショップやスペースがあるのだが、そういえばガンダムベース東京(公式ガンプラ総合施設)って行ったことないから見てみるか、と思い寄ったところ、結局2時間ぐらい滞在してしまった。そのうえ迷いに迷った挙句、「エコプラ」(限定販売の再生材使用キット)を購入。「黒いガンダム」を組み立てるのが楽しみだ。

そんなことをしていたら、開演時間の20分ぐらい前になり、そそくさとライブ会場に移動。
入場後、ドリンクを引き換えたり、グッズ売り場を覗いたりしていたら開演時間近くになったので2階指定席へ。ステージにはすでにMETAL SOULSのバックドロップが掛かっている。あれ、オープニングアクトのNEMOPHILAは?と思ったら、やっぱりMETAL SOULSの演奏が始まってしまった。
METAL SOULはいきなり“We Will Rock You”のカバーでスタート。その後も“The Final Countdown”や“Fool For Your Loving”などの名曲カバーが続く。ボーカルのロニー・ロメロはそれほど存在感があるわけではないが、歌は上手いし、声質がクラシック・ロックに合っているので安心して聞ける。と思っていたら、後半から5弦ヴァイオリニストのAyasaがゲストとして登場。TVで見る限り、あまりパフォーマンスは印象に残らなかったし、言葉遣いなどがちと気になっていたのだが、この日、バンドとのコラボで演奏した“Over The Hills And Far Away”にはビックリ仰天。その後のMETAL SOULSのオリジナル曲も素晴らしく、もしかしたら個人的にはこの日のハイライトだったかもしれない。ちなみにAyasaのゲスト出演はこの日のみ。
次に登場したのはBEAST IN BLACK。楽曲が非常にキャッチーで、かつてのWIG WAM(ノルウェーのメタル・バンド)を思わせる。ボーカルはステージ上の動きが激しく、ハイトーンも強力だ。最近、あまり楽曲の予習をせずにライブに臨んでいるのだが、もっと歌詞を覚えておけば、楽しさ倍増だったろうな。
その次のMYRATHの演奏を見るのは1年半ぶり。今回は現地(?)の女性ダンサー2名が登場。まさに衣装はジュディ・オング、動きはちょっと激しいけど。MYRATHの時間帯だけ前方のスタンディング・エリアで聞いていたが、大音量で聞き取りにくかったのか、中東のメタル・バンドらしい独特のメロディと、楽器の音色があまり楽しめなかったのが残念。でも、ステージ・パフォオーマンスは堂々としていた。
この日のトリはHAMMERFALL(前日はLOUDNESS)。以前、LOUD PARKでも見たが、オスカー・ドロニャック(G)の動きってこんなにダサかったっけ? でも、ド直球のメタルの楽曲、演奏、ステージ・パフォーマンス(特に「お約束的」動き)と相まって、「ダサ→カッコいい」となるのである。忠実なファンが多いだけでなく、バンドも盛り上げ方を心得ており、2階席の私も会場の一体感に引き込まれた。

どのバンドも、特に序盤の音響が安定していなかったが、全体としてはそれぞれがメタル・バンドとしてのアイデンティティを十分見せつけていたと思う。METAL WEEKENDは来年も開催予定ということで、今年同様、魅力的なラインナップに期待したい。


THUNDER Sit Down/Stand Up-30th Anniversary

2019-06-17 23:56:27 | 日記
6月9日(日)は「ロックの日」。朝、出かける妻と娘を車で送ろうとした時に、車内音声で気がついた。まあこの日に限らずロックは聞くのだが、でもTHUNDERのライブ(会場はクラブチッタ)に行こうという日にアナウンスしてくれて、気分は少し高まった。

土・日に公演がある場合、一般的には土曜日のチケットの売り上げの方が多い。なぜなら、土曜日は翌日の仕事のことを考えずに楽しめるから。
もちろん熱心なファンは両日に参戦する。隣りに座っていた女性二人組は、たぶん分担して土・日それぞれチケットを2枚ずつ電話予約していたと思う。「昨日は木の椅子だった」と言っていたので、終演後に確認したら、われわれが座っていたところはパイプ椅子で、後方は木の椅子だった。やはりこの日の方が良い席を取れたのだな。
自分自身はそこそこ熱心なTHUNDERのファンだと思うが、お金と時間に余裕がないので1日のみ参加。前日の土曜日がたまたま学校行事(PTA総会)とぶつかり、月曜日が代休という状況で、より良い座席が取りやすい日曜日のライブに行くことができた。

今回の公演はバンド結成30周年を記念したもので、“Sit Down”つまり着席してアコースティックのライブを聞く第1部と、“Stand Up”で立ち上がってエレクトリックのショーを楽しむ第2部という二つの構成。また今年発表した『PLEASE REMAIN SEATED』というセルフ・カバー・アルバムの出来が素晴らしく、これらのナンバーが前半のアコースティックで演奏されることになっている。まさにアイデア満載の公演で、土曜日の指定席チケットは完売し、当日券の立見チケットが販売されたとのこと。

日曜日なので余裕を持って自宅を出発したが、それでもかなり早く川崎駅に到着。周辺に新しいラーメン屋でもないかと散策していると、「つけめん三三㐂」という店の外に何人か並んでいるのを発見。ライブの後はここに行くことにしよう。
会場に入ると、ロビーは意外と混雑していない。既にかなりの人たちが着席していたからかもしれないが、やはり椅子席だと、満席だとしても人数はそれほど多くは収まらないのだな。
18時すぎに客席が暗転し、メンバーが登場。第1部はアコースティックということで、かなりリラックスした雰囲気でスタート、と思いきや、1曲目の“Serpentine”(『WONDER DAYS』に収録)から拍手で盛り上げる。というか、促されずとも自然と拍手してしまう・・・・・・そんな曲調のナンバーが2、3曲ほど続いた後、今度は一転してしっとりとしたナンバー。考え抜かれたセット・リストの流れに思わず唸った。終盤で“Empty City”をじっくり聞かせたあと、“Stand Up”で第1部終了、という着地も見事だ。なお、今回は専任キーボーディストがゲスト参加。ベン・マシューズとのダブル・キーボードはいつものTHUNDERの演奏とは違った音の厚みを聞かせてくれた。
第2部のエレクトリック1曲目は“Loser”。ライブにおけるオープニング・ナンバーの定番曲だ。そしてすぐに次の印象的なイントロが始まり、手拍子で反応する。“Higher Ground”だ。次々と馴染みの曲が続く。自然に身体が反応する・・・・・・。
今回、ダニー・ボウズ(Vo)の調子はかなり良い。ここ何回かの来日で一番良いのではないだろうか。また、クリス・チャイルズ(b)は創設時のメンバーではないが、すっかり存在感が大きくなって、彼を目で追う時間も多くなった。そしてベン・マシューズ(G、Key)。病気だった彼が復帰して、我々の目の前に立ち、飛び跳ねたり、ウィンドミル奏法を見せたり、いや、演奏している姿を見せてくれるだけで、涙が出てくる。ベン、元気でいてくれて、ありがとう・・・・・・。
次々と名曲を繰り出しながら、最後はいつものようにアンコール2曲目の“Dirty Love”でライブ終了。
その後、チェックしていた「つけめん三三㐂」に直行。オーソドックスなラーメンを注文したが、なかなかうまかった。そして、後から次々とライブのお客さんが来店。

初日のセット・リストも捨てがたいし、やはり2日間見に行きたかったなあ。

BLACK EARTH BURNING BRIDGES 20th ANNIVERSARY JAPAN TOUR

2019-05-31 19:50:55 | 日記
最近、教師の長時間労働がやっとクローズアップされてきた。高校は中学校ほど長時間ではないものの、それでも部活動で毎週のように土曜出勤する教師は多い。私はといえば、平日はそこそこ遅くまで残ることもあるが、部活動はほとんど「名ばかり顧問」状態なので(その分、他の顧問に仕事を押しつけていることは自覚している)、土日はしっかり休んでいる。また、来月は土曜日にPTA総会が行われるのだが、そんな時は月曜日が代休になったりする。
ところが、その代休の月曜日に出張が入ってしまった。こうなると「代休の代休」を取らなければならないのだが、平日に休みを入れるのはなかなか難しく、めんどうなので名目上は休んだことにして、実際は普通に勤務する職員が多い。
それでも私は他の先生方に比べて図々しいので、何とか休みを入れようとする。どこか良いタイミングで・・・・・・お、中間テストの日は、生徒は午前中で放課なので、午後から休みをもらって、諦めていたBLACK EARTHのライブに行けるではないか!
こうなると、私の脳ミソの中は自由時間を最大限に謳歌するための「検索モード」が全開となる。
まず、当日(5月21日)の会場は渋谷ストリームホール。ここは行ったことがないな。いちど下見を兼ねて会場まで行くか、それとも別の予定を済ませた後、余裕を持って会場入りするか。そして、開演は19時だから、映画だと1本は見られるか、2本は難しいな。作品は、ユーロスペースで『マルリナの明日』? 「超痛快“ナシゴレン・ウェスタン”」ってインドネシアの映画? 面白そうだし、ちょうどこの日(火曜日)はサービスデーで割引ではないか。じゃあ映画を見た後、近くのラーメン屋「喜楽」でワンタンメンを食べるか。で、もし休みだったら「天下一品」かな。『主戦場』も見てみたいけど、シアター・イメージフォーラムはルート的にちょっと・・・・・・。

というわけで、この日の午後は大変充実した時間を過ごすことができた(「レコファン」にも初めて行ったし)。ちなみにストリームホールへのアクセスはなかなか難しい。特に、地下鉄の駅からは割とすんなり行けたのだが、道玄坂方面からはなかなかアプローチできず、相当迷った。時間に余裕を持って行かれることをお勧めする。

よく考えたら、ライブに当日券で入れたのはラッキーだった。木曜日のクラブクアトロはソールド・アウトだったし。絶妙なタイミングで休みを入れられたわけだな。

BLACK EARTHは、ARCH ENEMY(スウェーデンのメロディック・デス・メタル・バンド)のサード・アルバム「BURNING BRIDGES」リリース時のメンバーが集まったプロジェクトで、プロジェクト名はファースト・アルバムのタイトルから取っている。「BURNING BRIDGES」は、自分の中で最も多くの回数、1枚を聞き通したアルバムだと思う。もちろんアルバムの出来映えが素晴らしかったのもあるが、当時、通勤時間が長い学校に勤務しており、たまに自動車で通う際、繰り返し掛けていたのがこのアルバムの楽曲だった。今回はその「BURNING BRIDGES」を完全再現するという。
ライブはその「BURNING BRIDGES」のオープニング・ナンバーである“The Immortal”からいきなり始まった。このナンバーはライブでよく演奏される定番曲だ。しかし、1曲目のエンディングに引き続き、2曲目の“Dead Inside”のイントロがアルバム通りに始まった時には気持ちが一気に高まった。これまでライブでは、1曲ずつをそれぞれ楽しみ、また、1曲とその次の1曲の繋がりに感心や驚きを覚えたりしたが、完成されたアルバム1枚分を聞き通すのは、全体を把握したうえで各部分を追っていくという、これまでとは違った味わいがある。また、演奏を聞きながら、そのアルバムを聞いていた当時の様子を思い起こし、何とも懐かしい気持ちになった。
ライブ後半は初期3作からのナンバーをピック・アップ。確かに現在のARCH ENEMYは洗練され、風格も感じられるが、同じクラシック・ナンバーでも当時のアレンジ/ラインナップで演奏すると、初期のゴリゴリした勢いが戻っており、これはこれで素晴らしい。特にヨハン・リーヴァ(Vo)のヴォーカル・スタイルや動きは、良い意味でのアンダー・グラウンドの雰囲気が感じられる。ただ、クリストファー(・アモット/G)はあまり元気がなく、やる気が感じられなかったのが残念。終演の挨拶が終わるとすぐに引っ込んじゃったし。

それにしても、マイケル(・アモット/G、クリストファーの兄)の築き上げてきた功績は偉大だな、とつくづく思う。エクストリーム・メタルにメロディの要素を大胆に採り入れ、メンバーチェンジ(特にボーカル)をうまくバンドのグレード・アップに繋げながら、ファン層を拡大させていった。その一方で、クラシック・ロックの再評価にも寄与した(Spiritual Beggars)。いつの日か、「マイケル・アモット・フェスト」が開催される日を想像せずにはいられない。

DOWNLOAD JAPAN 2019

2019-03-26 22:21:01 | 日記
先日、本校の卒業式が行われ、私自身は3年間のクラス担任を無事終えることができた。
本来の専門である建設科(建築)のクラスではなく、校内の事情により配属となった機械科での担任業務だったが、生徒と良好な関係を持ちながら、どうにか全員の進路を決めて卒業させることができた。今はほっと一息といったところで、まさにライブに専念できる絶好のチャンスというわけだ!

3月21日(木)、時折小雨が降る中を幕張メッセへ。開演までまだ相当時間があったが、すでに屋外のグッズ売り場には長蛇の列。あらかじめ物販のラインナップはチェックしていたが、ちょっと高価(オフィシャルTシャツ1枚4,000円)だったのと、ろくに着ていないメタルTシャツが自宅に増えており、家族からのプレッシャーも感じて今回はスルー。

場内に入ると、さまざまなブースがある中で「写真撮影コーナー」を発見。そこにはダウンロードドッグ(イベントキャラクターの犬)の着ぐるみが待ち構えており、ツーショット、あるいはキャンペーンガールとのスリーショットも可能。列に並んで待とうか迷ったが、いい歳をしたオヤジが女の子と写真に納まるためにひとりで並ぶのも恥ずかしいか、と思い、そこを離れる。が、もう一か所あった。こちらにはダウンロードドッグの巨大バルーンが置かれていた。先ほど、列に並ばずにちょっと後悔したので、今回は躊躇せず列に並ぶ。そして、バルーンの中にひとりで入って2枚、バルーンを背景に先ほどのコーナーとは別のキャンペーンガールとツーショットで2枚撮影。いやー、ちょっとしたことだけど良い思い出になった(写真は来年の年賀状に使えるかも)。
さて、TEARS STAGEでは10時30分にトップバッターのLIKE A STORMの演奏がスタート。ニュージーランド出身の若手4人組バンドだ。遠目から見ていたが、初来日ということで気合いの入っている様子がうかがえた。「ディジュリドゥ」という巨大な縦笛のような民族楽器を使っていたけど、もっと全面に出てきても良かったのではないか。
2番目のバンドは、向かいのBLOOD STAGEに登場したAMARANTHE。序盤、音量がやや小さめに聞こえていたが、徐々に改善されていった。彼らのライブは2016年にHELLOWEENのオープニング・アクトとして出演した時に見たが、断然今回の方が好印象。特にエリーセを含む3人のボーカル・パフォーマンスが素晴らしく、それぞれの個性を十分考慮した楽曲の見事な構成に、思わず落涙。新加入のニルス・モーリンもパワフルなボーカルで大正解。
1日がかりの、しかも椅子席の少ないロック・フェスではどこで休憩を入れるかを考えなければならない。そこで、私がランチ&休憩時間として使わせてもらったのが、次のMAN WITH A MISSIONの出演時間だった。大メジャー・バンドの彼らには悪いけど、私と同じような行動を選択したメタル・ファンは多いと思われる。
トイレも済ませ、BLOOD STAGEのHALESTORMを待つ。聞き覚えのあるイントロとともに、1曲目”Black Vultures”の演奏がスタート。しかし、AMARANTHEに続いてまたしても音量が小さく感じる。今回、BLOOD STAGEはほとんどのバンドで序盤の音量が安定していなかったと思う。HALESTORMもせっかく”Love Bites”でLOVEBITES(日本のガールズ・メタル・バンド)のasami(Vo)が登場したのに、女性二人のボーカル・パワーの印象がそれほど強くなかったのが残念。でも、セット・リストが進むにつれてサウンドが良くなり、リジー・ヘイルのあまりに強烈なボーカルに涙があふれ出てきた。やはり年を取ると涙腺が緩くなるのか?
すると、次に登場したARCH ENEMYでまた涙。涙腺を決壊させた要因は「佇まい」。マイケル(G)、アリッサ(Vo)、シャーリー(B)、ジェフ(G)が横一線に並んで構えている姿を見て、ファンとしての自分自身がこれまで聞き込んできた楽曲群と、目に焼き付けてきたライブ・パフォーマンスの積み重ねによる「成長」や「威厳」を感じ取ったせいかもしれない。ちなみに今回のセット・リストに初期のナンバーは入っていなかったが、これについては5月に行われるBLACK EARTH(初期ARCH ENEMYのメンバーで構成)の日本ツアーで演奏されるのだろう。
圧倒的なARCH ENEMYのパフォーマンスを堪能した後、BLOOD STAGEに現れたのはANTHRAX。彼らの演奏を見るのは2016年のKNOTFEST JAPAN以来。相変わらずだけどちょっとマンネリ気味か。スコット・イアン(G)は元気だった。
一方、TEARS STAGEのGHOSTはSUMMER SONIC 2014以来の再来日。その時は途中まで見て、ロバート・プラントのステージに移動してしまったのだが、今回は彼らの演奏を全部見ることができた。コピア枢機卿(Vo)の怪しげな声質とポップな楽曲が妙にマッチし、ゴシック様式のファサードが描かれたバック・ドロップと階段状のステージ、燃え上がる炎やスモークとともに、独特の世界観を演出していた。
残るバンドの演奏もあとわずか、というわけで、SUM 41の時間帯を利用してもう一度休憩、そしてSLAYERに備えて移動しよう、と思ったら、場内があまりに混雑していて移動スペースがわからなくなり、気づけばTEARS STAGE側に仕切られている柵の入隅(建築用語)付近に入り込んだまま動けなくなってしまった。仕方がないのでそのままBLOOD STAGEのSUM 41の演奏を聞いていた。”Paranoid”とか”We Will Rock You”などのカバー曲を演奏してメタル・ファンにも飽きさせないよう工夫はしていたが・・・・・・。
SLAYERの出番が近づくにつれ、立っているのがだんだんしんどくなってきた。しかし、混雑から逃れようとしてもまったく動けない。そしてついに、1曲目の”Repentless”のイントロが始まった。ヤバい。混雑率300%の電車内のようだ。近くにいた背の小さい女性は倒れ、いや、もう押し合って倒れることもできず、ダウンし、何とか柵外に救出された。そして、彼らのファスト・ナンバーが繰り出されるたびに、歓声が唸り、モッシュ・ピットが広がり、そのあおりで身体が押しつぶされる。あとはもう、”Angel Of Death”の演奏が終わるまで待つしかない。
もちろんSLAYERのパフォーマンスは十分堪能した。何とも言えない疲労感とともに。そして彼らが演奏をすべて終えた後、トム・アラヤ(Vo、B)が客席全体をゆっくり、ていねいに見回した後、お礼の言葉を発する姿に涙があふれてきた。彼らの凄まじいライブを目に焼き付け、身体で感じ取ることができて良かった。
そして、いよいよ残るはヘッドライナーのJUDAS PRIEST。当初、OZZY OSBOURNEがヘッドライナーを務める予定だったのだが、体調不良のためキャンセル。そのまま残りのラインナップでスライドしていくのかな、と思っていたが、たまたま南アフリカ公演がキャンセルとなったJUDAS PRIESTに白羽の矢が立ったとのこと。前回の日本公演からたった4か月ぶりの再来日だが、私はその時のライブに行かなかったので、とてもラッキーだった。
ライブは最新アルバム「FIREPOWER」のタイトル曲でスタート。背後のLEDスクリーンには、「FIREPOWER」のアルバム・ジャケットの動画が映し出され、激しく燃え上がる炎が目に飛び込んでくる。ロブ・ハルフォード(Vo)は元気そうだ。声はなかなか辛そうだけど。ライブにおける躍動感を引っ張っているのは、若いリッチー・フォークナー(G)。また、パーキンソン病のグレン・ティプトン(G)の代役として、プロデューサーのアンディ・スニープが貢献しているが、やはりちょっと地味な印象は否めない。しかし、5人のメンバーが全力でプレーする姿には素直に感動。前回の日本公演からセットリストを多少入れ替えたらしいが、主要ナンバーはほぼもれなく演奏し、十分納得できるパフォーマンスを見せてくれた。”Painkiller”ではロブの高音がほとんどオリジナルの音域まで達していなかったが、それでも懸命にシャウトする姿に思わずグッと来てしまった。

今回のステージは、TEARS STAGEとBLOOD STAGEの二つが向かい合わせとなる配置だった。LOUD PARKが行われるさいたまスーパーアリーナでは、左右隣り合わせの配置だったけど、幕張メッセは縦横比の大きな会場なので、その配置にしたのかもしれない。しかしながら、アーチスト側の動線を二つのステージをつなぐように確保したのだろうが、そのために観客側の動線が一方向に偏ることとなった。その結果、混雑や滞留が起きたのだと思う。もっとも、それだけ集客があったのは商業的には成功で、次につながる(HPには「SEE YOU NEXT YEAR!」との表示あり)という意味では喜ばしいのだが。
となると、来年のヘッドライナーは誰なのか?そしてLOUD PARKも秋に開催するとなれば、そのヘッドライナーは?等いろいろ妄想が膨らむ状況になってきたわけです。