川上弘美。このひとの作品は点のうちがたに特徴がある
とおもう。それとひらがながおおいかな。
そのあたりのリズム感というか間延び感がわたしは好き。
商店街の魚屋さんを中心にその周辺で起こる物語がつづ
られている。ドラマティックであるかといえばそんなこ
ともなく、しかし日常の中にある異端なというか異質と
いうか、飲み込むことの出来ない”なにか”がありそれ
をこそりと描き出している。
そんな中、最後のお話で「ゆるく巻くかたつむりの殻」
は最初に戻っていくような感覚を覚えるけれど、それ
以上に記憶の中の人間の自我という、まあイーガンばり
の内容になっているとおもってしまった。
一人称でかたられているけれどその本人は自分が他者の
記憶層の中の存在であることを認識している。「順列都市」?
”うわーこわいなぁ”とおもった。自分が物理的に存在
していないことを認識するということ。
その上に、多重化されていることまでもわかっている。
旦那さんと愛人の二人の記憶から生成された自分。
それを拡大していくと世界中のひとの記憶によって現在の
じぶんがあることを自覚している。
でもそんなことはあんまりどうでもいい感じでのんびり
とした口調で語られていく。しかも最後には新しい経験
ができなくなったとまで言う。
うん、やっぱりこわい。
とおもう。それとひらがながおおいかな。
そのあたりのリズム感というか間延び感がわたしは好き。
商店街の魚屋さんを中心にその周辺で起こる物語がつづ
られている。ドラマティックであるかといえばそんなこ
ともなく、しかし日常の中にある異端なというか異質と
いうか、飲み込むことの出来ない”なにか”がありそれ
をこそりと描き出している。
そんな中、最後のお話で「ゆるく巻くかたつむりの殻」
は最初に戻っていくような感覚を覚えるけれど、それ
以上に記憶の中の人間の自我という、まあイーガンばり
の内容になっているとおもってしまった。
一人称でかたられているけれどその本人は自分が他者の
記憶層の中の存在であることを認識している。「順列都市」?
”うわーこわいなぁ”とおもった。自分が物理的に存在
していないことを認識するということ。
その上に、多重化されていることまでもわかっている。
旦那さんと愛人の二人の記憶から生成された自分。
それを拡大していくと世界中のひとの記憶によって現在の
じぶんがあることを自覚している。
でもそんなことはあんまりどうでもいい感じでのんびり
とした口調で語られていく。しかも最後には新しい経験
ができなくなったとまで言う。
うん、やっぱりこわい。