パパの子育て育児入門

パパのための子育てや育児情報!幼少期や思春期、子供の心の悩みなど様々なテーマで綴ります。

LDの子への接し方

2009-06-06 | 学習障害
学習障害の子、親、あるいはその関係者の方は、常にそのことを気にかけ、悩み、辛い気持ちを抱えている人が多いことでしょう。
学習障害に対していつまでも理解の無い社会や、学校での不満等、たまっているものがあるかもしれません。
一生懸命学習障害についてひたすら調べて、専門家以上の知識を身につけた親御さんもいらっしゃるかもしれません。

そのことはもちろんいいことです。
知識を持って子供と接することができるので、どのように対応すればいいのか、この場合は何がいけないのか、などと分かることがあるかもしれません。
周りに対しても同じようにしてほしいと思うかもしれません。

しかし、今一度、立ち止まって考えてほしいことがあります。
学習障害を持っていようがいまいが、子育てというのは大変であり、どの子供も親にとってかけがえのない子であるということです。
自分の子供は学習障害を持っているから、他人の子とは違うんだ、もっと目をかけてほしい、周りがこうしてくれない、などの不満は少し行きすぎなところがあるかもしれません。
学習障害についてもっと理解してほしいと、声高々に叫ぶ親達が、例えば視覚障害者など他の障害について全く無知である場合も少なくありません。
たまたま我が子に学習障害があったからそれについて知識が増えただけであり、周りに全く同じように求めるのは無理なことです。

また、専門家以上の知識を身につけたがゆえに、自分の子供を客観視しすぎてしまう場合があります。
自分の子供は研究対象ではなく、愛情を持って接するかけがいのない我が子なのです。
何より大切なのは愛情なのです。
親と子供のつながりなのです。

子供が苦しんでいる時、そっと手を差し出してあげる、それだけで子供は安心するのです。
いくら知識があってもそれができなければ子供は救われないのです。

大事なことは愛情である、というのは、いつの時代もどんな子供に対しても同じことであるのです。

就職先を決める時

2009-06-05 | 学習障害
学習障害を持つ生徒が就職先を決める時に重要となってくるのは、その仕事内容です。
学習障害は、困難な部分が人それぞれ異なります。
その生徒が、どの部分が困難であるのか、それを使わなくても良い仕事なのか、得意な部分を有効に活用できる職場なのかを調べる必要があります。

また、就職の面接の際、学習障害を隠したがる人がいるかもしれません。
就職に支障がないのならば言わなくてもいいのではないか、差別を受けたくない、などの意識が働くことがあります。
しかし、それを隠したまま就職した場合に、長い間一緒の職場で働いている仲間に「何かおかしい」と思わせてしまうかもしれません。
「さぼっているのではないか?」「怠けているのではないか?」「わざと失敗しているのではないか?」などと思われ、他の人々にきつく当たられ、職場にいにくくなる、などという悪循環に陥ってしまうかもしれません。
また、のちのち学習障害によって仕事に支障が出た場合、「なぜ面接の時に伝えなかったのか?」と責められるようなことになりかねません。

そういったことのないように、やはり就職の面接時にはきちんと伝えておくべきでしょう。
自分は何が苦手である、しかし何ならば誰にも負けない、といったようなメリットをアピールしましょう。
それをわかった上で採用する会社は、その先働くのに申し分ないでしょう。
そのような会社であれば、得意な分野の仕事内容を任せてもらうことも可能でしょう。
面接の段階で、学習障害への理解を示してもらえない会社では、せっかく就職してもその先長く勤められるかわかりません。
何度も違う会社に入社を繰り返すことは、学習障害のある人にとってはとても辛いものです。
就職先を決める際には、慎重に調べましょう。

日本ではまだまだ理解が少ないので、就職先を見つけることが困難に思われるかもしれません。
しかし、あきらめないでください。
学校時代では想像しなかったような可能性が、学習障害を持つ人に眠っている場合が少なくありませんから。

大人になってからのLD

2009-06-04 | 学習障害
学習障害は子供に限ったことではありません。
実は大人も学習障害になるのです。
あるいは、子供の頃からずっとそうであるのに、それを知らずに悩みながら大人になってしまった人もいらっしゃるかもしれません。
最近、その研究がされ、少し社会に認知されるにつれ、「私も実は学習障害なのではないか?」と思う大人が増えています。

彼らは、仕事の上でも何かにつまずいたり、人間関係のトラブルに巻き込まれたりしている場合があります。
それらが学習障害と認識されていないので、自分は無能である、仕事で通用しない、などと自己嫌悪に陥り、二次的症状を引き起こすことがあります。
二次的症状とは、対人恐怖になったり、不眠症になったり、あるいは転職を繰り返す、就職できずにニートとなる、引きこもりになる、うつ病になる、などです。
あるいはそこまで至らないにせよ、何か苦しい状況に追い込まれている大人も少なくありません。

もし学習障害を疑うような場合は、専門家に意見を求めましょう。
素人が安易に判断するのはやめましょう。

難しいのは、大人になると、それを認めるのが困難になるということです。
ひょっとして、と思いつつも、「自分は違う」と言って欲しいがゆえに意見を求めている、あるいはこういう回答が欲しいというのがあってそれに沿った診断でないと受け入れられない、など、大人の診断は子供より難しいものになります。
家族に言ってほしくないという人も見受けられます。

学習障害ゆえに、社会的生活に困難を伴っているのであれば、まずはそれを受け入れ、そこから解決する方法を専門家とともに探していきましょう。
自分が苦手とする部分を認識しなければ、それを克服することは決してできません。

中学卒業後の進学先

2009-06-03 | 学習障害
学習障害を持つ生徒に対しての中学卒業後の進路は、どのようなものがあるでしょう。
養護学校への進学や、県立や私立の普通学校や専門学校への進学、職業高校、定時制高校、通信制高校(サポート校)などさまざまな選択肢があります。
また、就職という道もあるでしょう。

学習障害を持つ生徒に対する進路指導で気をつけたいのが、教師や親が進路を決めつけてしまわないことです。
あくまでも生徒の自主性を重んじる必要があります。
生徒が自ら進みたいと思える道に導いてあげなければなりません。

その生徒が得意としているもの、続けたいもの、興味があるものを見つけ出し、それを達成するにはどの道があるのか、多くの選択肢を与え、その選択肢の中から最終的に決断するのは生徒であるようにすべきです。
学習障害を持つ生徒に対して、親は「将来の就職を考えて、養護学校の就職科があるところ」などと勝手に決めてしまうと、その生徒はいつまでも自分で決められない大人になってしまうでしょう。

生徒が自分で決めることは、親からの自立の第一歩です。
例えそれが親にとっては心配でたまらないことであっても、障害を持つ子持たない子すべてにおいて、自立するために必要な過程であるのです。
親や先生はあくまでもフォローする立場で、どんな選択肢があるのかを提示してあげたり、内容について調べてあげたりする等の支援をしてください。

学習障害があっても社会的に成功した人達はたくさんいます。
社会的成功、とまでは言わないまでも、立派に社会で役立っている人達はたくさんいます。
学習障害があろうとなかろうと、子供には無限の可能性が広がっています。
大人はそれを大きく見守って、進んだ道でつまずいた時にはしっかりとフォローしていくことが大切です。

LD親の会への参加

2009-06-02 | 学習障害
学習障害を持つ子の親は、孤独に陥りがちです。
周りに理解してくれる人が少ないからです。

そういった親達のために設立されている、「全国LD(学習障害)親の会」があります。
1990年に設立され、現在は34都道府県の44団体が加入しています。

「LD親の会」は、
1、LDの早期発見、早期療育を実現するために関係機関等への働きかけ
2、LD理解を求めて有識者やマスコミへの社会的啓発活動
3、機関紙による各地の親の会との情報交換
などの活動をしています。

こういったLD親の会は、全国各地に設置され、会員は増加しております。
また、講演なども多数行われております。

LD親の会では、設立支援を行っております。
活動方法の相談、設立イベントに一流講師の派遣なども行っております。
また、活動中の会には、他の会の活動状況を知らせたり最新の状況の提供等もしたりしています。

学習障害児の親は、どうしても孤独になりがちで、ひとり悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方達が、お互い助け合い、よりよい道を模索していくために必要な会です。
ひとりひとりの力は小さくても、全国で集まれば大きな力を発揮できます。
全国での理解が広まり、その輪は広まっていくことでしょう。

また、他にもこんなに悩んでいる人がいる、ということを知り、自分だけではないんだ、と救われる人もいらっしゃるかもしれません。
学校や病院、関係機関等への対応で泣き寝入りされている方も、ここで相談することができるかもしれません。

思い切って一歩を踏み出してみてください。
その一歩一歩が集まれば、大きな歩みとなっていくことでしょう。

特別支援教育士

2009-06-01 | 学習障害
LD教育士と呼ばれる資格があります。
LD教育士は、現在では学習障害だけではなくADHDなどにも対応できるように、特別支援教育士( S.E.N.S)と名称変更になりました。

特別支援教育士とは、特別支援教育士認定協会と日本LD学会が認定する資格で、学習障害、注意欠陥多動性障害等へのアセスメントと指導に関する専門家であることを示します。

資格申請のためには、連携学会(日本LD学会、日本教育心理学会、日本学校教育相談学会、日本カウンセリング学会、日本学校心理学会)のいずれかに所属していなければなりません。
また、関連職種などに2年以上従事している者、あるいは特別支援教育士認定協会の大学院を修了した者、などの要件と、養成セミナーなどの受講など、さまざまな要件が必要です。

そのような資格にも関わらず、特別支援教育士に認定される人は年々増加しているそうです。
そのうち6割は教員であるとか。

学級に学習障害などの子供が増えるにつれ、教員もそれに合わせて学ぶことが必要となってきたのです。
実際、個人の体験から、どう教えたらいいものか悩み、資格取得を目指した方もいらっしゃるかもしれません。
それだけ教員には必要な資格なのかもしれません。

現在、大学などの授業で学び、単位を資格認定ポイントに切り換えることもできるようになっているそうです。
大学で教師を目指しているうちからそういった資格の勉強をするということは、将来の教育において大変有効だと思われます。
既に教師となって、そういった生徒を教えている教師も、資格取得により指導に役立てることができます。
今後より一層、受験者は増えていくことでしょう。

個別指導の在り方

2009-05-31 | 学習障害
それでは、特別支援教育に組み込まれている、学習障害児などの個別指導とは、いったいどのようにされるのでしょうか?

指導計画は、以下のようになります。

まず委員会などのシステム作りをします。役割分担や日程などを調整します。
そして実態を把握します。学校生活、家庭生活、その他からの情報収集を行います。
発達過程や、学習面、生活面でのトラブル等、詳しく調べます。
その後、課題整理をします。その生徒の課題を明らかにします。
そして、その後に目標設定です。
個別の目標を決めて、生活の充実につながるようにします。
短期目標と長期目標を決めるとよいでしょう。
そして指導計画を作成し、実際の指導となります。
その後、それに対して評価がされ、指導計画の見直しが図られます。

個別指導については、このようなことが個別に細かく設定されなければなりません。
生徒ひとりひとりについて計画されます。

これらは通常学級の担任ひとりではできる問題ではありません。
学校自体でこういった制度を確立し、学校全体で行われなければなりません。

学習障害を持つ子供の親は、これらについて協力的になりましょう。
まだ始まったばかりの特別支援教育の制度です。
まだまだいろいろな症例が必要です。

次年度、また次年度と一層高めていくためにも、その親の協力も必要不可欠です。
制度が作られたからといって、学校側にだけ頼るのはどうかと思われます。
親のほうでも、一緒に制度を作る、というような気持ちが必要ではないかと思います。

そうすれば、10年後、20年後にはもっと学習障害に対しての理解も深まっていることでしょう。

特別支援教育について

2009-05-30 | 学習障害
最近「特別支援教育」というものが本格実施になりました。
特別支援教育とは、どのようなものでしょうか?

特別支援教育とは、従来の特殊教育対象の障害だけではなく、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症等を含めて特別支援を必要とする生徒を対象にしたもので、生徒ひとりひとりと向き合って、適切な教育や指導を行うことです。
それにより、生活や学習上の困難を解消させるのが目的です。

今までの盲、聾、養護学校は、「特別支援学校」に一本化され、特殊学級は、「特別支援学級」に改められました。
以前は特殊学級の生徒に対して行われていた支援が、通常の学級に在籍する生徒に対しても、個別に、ひとりひとりに合った支援が行われることになりました。

通常学級の中には、学習障害や注意欠陥多動性障害、高機能自閉症というような、IQなどの数値に表れないけれども日常生活において困難を伴っている生徒がみられます。
従来は、その生徒は「怠けている」とか「やる気がない」などと言われ、親のしつけの問題などと言われたり、生徒に対して厳しい態度で叱ったりすることがよくみられました。
しかし、それらが障害によるものであるということが分かり、それに対してようやく学校教育のほうが動き出した、ということです。

彼らの困難は多岐に渡り、個人により全く違うので、生徒全員ではなく個別に対応していく必要があります。
その生徒が何につまずいているのか、何を困難としているのかを調べ、それについて困難をなくしていく目的です。

この教育は、まだまだ始まったばかりであり、今後の進展が期待されます。

ソーシャルスキルトレーニングとは?

2009-05-29 | 学習障害
学習障害の治療法のひとつに、SSTというものがあります。
SSTとは、「Social Skills Training(ソーシャルスキルトレーニング)」の略で、生活技能訓練、あるいは社会生活技能訓練と呼ばれます。
認知行動療法のひとつです。

ソーシャルスキルトレーニングは、精神的な障害のある方などが、社会的役割を果たして生きていけるようにするリハビリテーションです。
対人関係をうまくこなしていけるようにするのが目的ですが、症状の自己管理や、薬を服用することに対する自己管理など、生活習慣に対する技能を高めていく目的もあります。

基本訓練は以下のようになります。
集団で構成された中での自主性を重んじます。
まずは、各自の練習課題を考えます。
それに対して、ロールプレイで技能の練習を行います。
フィードバックを行い、良かった点を話し合います。
他の人の助言があれば行います。
他の人の実践を行う場合もあります。
再び、本人が実践します。
次回までの宿題を考えます。

ここで大切なのは、お互いの欠点を指摘しないということです。
相手の意見を受け入れられるようになることは社会生活においてもとても大切なことです。

学習障害を持つ人は、それまでの自分と周りの反応から、自信をなくしてしまっている場合がよくあります。
そういった人達がSSTにより、人から認められ、自信を取り戻すことがあります。

ただし、これらは自発的でなければなりません。
無理やりこの課題を押しつけるのでは意味がありません。
本人がやれると思うタイミングを見つけなければなりません。

生活技能訓練、あるいは社会生活技能訓練をすることで、生活技能、社会生活技能が向上し、自信を持って暮らせるようになるのであれば、大変有効な治療法であり、学習障害そのものを治療することはできなくとも、本人の心を軽くさせるような訓練なのではないか、と思います。

具体的な教え方

2009-05-28 | 学習障害
学習障害を持つ子を担当する場合、具体的にどんな教え方をしたらいいのでしょうか?

まずはその生徒のできるところとできないところを詳しく分析します。
保護者の方との協力も必要でしょう。
そして、その生徒がどこでつまずいているのか、どんなことが特徴的なのかを知ります。

その症状により以下のような教え方を授業に取り入れます。

絵や写真などのカードを用いて、視覚的にわかりやすいようにする。
大きなマス目のノートを与える。
黒板などを有効に使う。
前のほうの聞こえやすい席にする。
窓際から外がよく見える位置は避ける。
15分ごとに授業を区切って、集中させるような内容にする。
OHPなどを使う。
数字などの概念は具体的なものに置き換えたりして理解を図る。
模型を使ったり、実験で目に見えたりするようにする。
プリントは拡大して見やすくする。
電卓を使用させる。
その他の道具を使用させる。

運動面においては、その子が得意とするものを見つけて、そこから伸ばしていく。
ゲームや遊びなどを通して、運動を身につけさせていく。
できないことを無理強いしない。

一番大切なのは情緒面のフォローです。
学習障害の子は、できなかった自分に対して自信喪失したり、パニックになったりすることがあります。
二次障害を起こさないようにしなければなりません。

集団に入れない場合、他の子の中で面倒見のいい子を選んでその子と同じグループにする。
友達などとけんかになったりした場合、教師が仲立ちに入る。
お互いの理解を深めるために、教師が導く。

教師がやらねばならないことは無限大です。
そしてそれは試行錯誤しながら行わねばならず、とても難しいことです。
教師といえども、完璧にこなすことは難しいです。
専門家の意見も取り入れ、先輩方の意見も聞き、保護者からの意見も聞き、とにかくいろんな方面からの情報を得ましょう。
そしてそれをどんどんと授業に取り入れてみましょう。
教師が真摯に取り組めば、親御さん達からの理解も得られることでしょう。