陸に上がった航海者

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贅肉

2022年03月04日 | 健康フィットネス
『贅肉』という言葉は何を表しているのか。
時には「無駄な物」の比喩として用いられるこの語。
一般的な会話や文章の中で使われ、科学・医学用語ではないので、厳密な定義は難しい。

ネット検索をかけると『贅肉という言葉は「肉」という語を用いているが、脂肪のことである』と主張するものがあった。
しかし実際に贅肉を削ぎ落とした、フィットネス経験者の私の意見は違う。

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スポーツクラブに通い始めて1~2カ月経った頃、自分の体で感じたのは、車を運転している時、カーブで傾きそうになる体を腹筋が踏ん張って支えている感覚だった。
この時期、やっていたことと言えば、30分ストレッチ+30分フィットネスバイク+30分ストレッチ。
プラスして週に一回簡単なエアロレッスンに出る程度。
だから、新しい筋肉が増えたわけではないから、今まで眠っていた・使われていなかった筋肉が働き始めたのだと思う。

つまり私は「存在しているだけで使われていない筋肉と脂肪の複合体」こそが『贅肉』であると考える。

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運動不足の頃、右の四十肩を患ったことがあったのだが、その時の感覚は肩を動かす筋肉が存在していないかのよう。
左右の腕をゆっくり上げてみると、左は肩から上がっているのに、右肩が取り残されたように動かず、腕だけが何とか上がろうとするのみ。 

肉離れか、腱を痛めたか、継続的な肩こりか、何らかの理由で動かない状態が続いた肩を動かす筋肉が、動かされる感覚を忘れてしまったのだろう。
その原因が取り除かれて痛みなどないのにも拘らず、動かせなくなっていたようだ。

これは部位の特定された分かり易い例だが、筋肉を使わない状態が長く続けば、全身どこでもサボり現象が起きてもおかしくない。

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ヨガやストレッチで自分の体を柔らかくしていくと、可動域が広くなっていく感覚と同時に、強く・素早くも動ける実感がある。
「筋トレをしていないのに、強くなってるって感じるのはおかしいんじゃないの?」と思われるかもしれないけど、個々の筋肉の強さが変わらなくても、連動することでより大きな力が出せる。
例えば重い箱を持ち上げる時、確かに腕力は主力だが、背中や足腰も効果的に働いているはずだ。

一枚のペラペラの紙でも折り目を付けることで強度が増すように、人の体も体勢によって力が出やすくなる。
つまり効率的な『形』を作って、力を発揮する。
その為には体は柔軟で、可動域が大きく、色々な姿勢をスムーズに取れるのが望ましい。

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私が「柔軟」をことさらに強調するのは、自身の体を鑑みて柔軟性が大事だと思うと同時に、現代社会において多くの人が同じだろうと思うから。
ただしもちろん、当てはまらない人もいる。体は各自違うのだ。

ヨガのレッスンが突然休みになり、後日先生から伺った話だが、ゴルフをしていて肩を痛めてしまったそうだ。
「私は体が柔らか過ぎるから」とは本人の弁。
おそらくゴルフクラブと遠心力の重さに肩回りの筋肉や腱が耐えかねて、軽い断裂症状を起こしたのだろう。
筋肉は力を発揮するためだけでなく、手足がどこかへ飛んでいかないように繋ぎ止めている役割も果たしているのだなと感じた。

私は筋肉は充分付いているから柔軟を重視するが、逆に体が柔らか過ぎる人は、筋力アップを重視する必要がある。
要はバランスが大事なのだ。

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