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折々のあしあと

俳句に関するメモ帳

句会の様子 2月17日 切り分けるなど

2020-02-19 13:57:49 | 句会
2月17日の句会。
仕事が入り、出席出来なかったので、メールで代理投句をしていただきました。

・切り分けるケーキのやうに雪を掻く
 
4点(うち1点は先生)◎ひとつ 
 ケーキのようにの比喩がよくわかる、との先生の評。 
・スケートのエッジで描くお花かな 
 
1点(先生のみ)
 目のつけどころがおもしろい。「お花」は気になる。具体的にしてもよいかも。「チューリップ」とか… との評。
・節分に鬼は居らずと豆摘まむ 
1点
 これはあまりおもしろくない。。。との評💦

やはり、自分としては心のなかで動きがあると思っても、他の人の目を意識することが大事だな、と思いました。
それが、写生であったり、新鮮な息吹を吹き込むようなモチーフであったり。

ケーキの句は、作句にも載せて、随分考えて寝かせた「断面の正しき白さ凍て返る」などを、メールを送る直前にさっと書き直したものです。書き直したというより、同じものを違う言葉で表した、という感じです。

自分の気持ちやムードとしては、前者寄りなのだけど、評価を見て、なるほどな、と感心したのでした。

他人に誉められるために作るわけではないけれど、とりあえず、俳句として良い句というものを作れるようになってから、「私の句」云々を考えることにしよう。





句会 2月3日 添削など

2020-02-05 15:19:13 | 句会
今回も11人の参加。
前回から初心者のコースを選んだからか、去年のクラスより和気藹々とした雰囲気。

前回成績がよくなかったので、私なりにどうしたら点が入るかを分析…。とりあえず、単純に明るい句にしよう、ということで、作っておいた中から明るめの三句を投句。
まぁ、暖冬のせいで、冬らしい季節感がなかったこともあるけれど。

・はしゃぎ声階下に響き春近し

三点いただきました。
先生からは、まぁ、雰囲気はわかるよね、との感想。
ただ、言葉の使い方として、「響き」という止め方が気になるとのこと。私自身もうっすらと感じたのだけど、勢いのまま吟味しなかったところ。
添削後

・春近し階下に響くはしゃぎ声

もう、ごもっとも。


・多弁なるセキセイインコ春隣

五点いただき、うち一点は先生から。
先生からは、鳥も春が近ければ発情したりするだろうし、わかるよね。と、それほど感慨のなさげな感想をいただきました…。

・理由などなくても着けるマスクかな

これは赴くままに作った句を、迷いながらそのまま出してみました。お題がマスクだったので。

こちらは二点。うちお一人が最高点をくださいました。
感想を聞くと、今回マスクについてあれこれと句が出てきたけれど、結局そうよね、とストンと落ちた、とのことでした。

句会では、何点か、もあるけれど、誰が選んだか、も大事とのこと。
選んでくださったのは本当に初心者の方だったけれど、だからこそ意味がある部分もあるのかな。

先生からは、マスクは冬の季語だけあって、当然、の裏を詠んでみました、という感じかな、とグレーな感想をいただきました


先日、テレビで夏井さんのドキュメンタリーを見て、その中の講義を聞いて、とりあえず思ったことを出そう、そしてそれに季語をつけよう、という方式を少し意識してみました。
句を作る気持ちがちょっと自由になれる気がします。







句会 1月20日

2020-01-20 23:32:19 | 句会
・ダーク色もそもそと干す冬日かな

暗い雰囲気しか書いていない句なのだけど、先生の評価を聞きたくて敢えて投句してみた。そして、真っ暗ではないけど、暗さで攻めたい時があって、それは自分らしさに繋がるのだろうか?と考えているところだったので。

11人での句会だったが、この句は零点。
先生からは、「例えば、この句のダーク色の部分が具体的な何かーモモヒキとかーだったとして、敢えて曖昧さを狙うということはあるが、果たしてダーク色というのが俳句に馴染むかというとそうではないように思う。はっきりさせたほうがよかったかも。もそもそと干す冬日かな、は問題ない」ということだった。

実際のところは、私の冬物の服が、黒やグレーなど、気がつけば暗い色味のものばかりで、洗濯を干しながらそのことに気づいた、そしてそれはその時の気分に妙にしっくりきた、という話。少し考えてそれらの色をまとめて「ダーク色」とするのは、それ以外に表現方法がない、とも思ったし、ちょっと面白いかなとも思ったのだけど、やはり何か自分でも「面白いのか面白くないのか」わからなさがあったのだと思う。評を聞けてよかった。

・窓の外冬雲ぢっと覗きをり

これは、以前作っていた「カーテンの外に動かぬ冬の雲」を直したもの。視点を雲の方に持っていって、こっちのほうが面白いだろう、と。
こちらも零点。
俳句じゃなくても言えることだと思うけど、「感動」として共感を得るのは、(そもそも時期としても新年だし)目出度いとか、明るさ、希望を感じるもののほうが多いと思う。
今更ながらに、思春期の感傷的なものが出ているのかと少しだけ客観視できた。

先生からは、視点が窓の内側の自分なのか、外の雲なのかはっきりしないということだった。経緯を説明したところ、それなら、「窓の外」ではなく、「窓の中」でもよかったのでは、とのこと。

・胃袋にもて余す餅我を知る

こちらは、一点。その方には共感いただけたようで、特選にしてくれた。
先生からは、「我を知る」が胃弱な自分を知るということ?と言われたが、「年齢です」と説明したら、点を入れてくれた方が激しく頷いてくれた。


去年の4月から何度か句会に参加したけれど、今回はいろんな意味で過去最低の結果だった。点数が入らないのもそうだし、先生から点が全くもらえなかったのも初めてかも。


句会が終了したあと、先生と少し話をした。
事務手続きについての話が終わると、「お家は落ち着きましたか?」と、先生。去年一昨年から母の介護でごたごたしていたのだ。
「今は落ち着いています。やっと、一夜漬けじゃなくて、普段から句を作ろうという気持ちのスタートラインに立てました」と報告させていただいた。すると、「俳句はね、2、3年してちょっとわかってきた頃に一回伸び悩むから。そこを我慢して続けてください」とおっしゃってくださった。

内心、今日の出来を見て、このアドバイスを思いついたのかな、と深読みしてしまった。
もしそうだとしても、先生が先生でいてくれることがやっと実感として伝わってきて、心にほんわかと灯火が点ったようだった。

実は、ここ数年、別に打ち込んでいる趣味がある。ひとつのことを極める奥深さは少しはわかっているつもり。
そして信頼できる師と出会う難しさも。

俳句は今のところ、全力投球よりも「長くやる」ことが目標。

まだまだ暗闇で手探りしているような感覚だけれど、多分わかってくるともっと面白くなるのだろうな。


点をもらえなかったのは地味に寂しくて、初鴉の句を出せばよかったと後悔している。ほんの少しだけど。

次回は「マスク」。